特使の御楯 其の壱

ナジャ・サラヒム ……なぁああんだって!?

アブクーバ (……どうして、こんな困ったことになってるんです?)

どうした…?

ナジャ・サラヒム あっ!

ナジャ・サラヒム ……いえ、そのなんで……ございますって?

ナジャ社長が揉み手しながらヘコヘコしてる!?

ナジャ・サラヒム あたい……じゃなくて、へ、弊社の傭兵が社長のあたくしめに断わりもなくっ!身分を伏せて、勝手に現地ガイドとしてお客様に雇われたと…………そう、おっしゃれらるのですかっ!?

ん?

アブクーバ (もはや、僕1人の手には負えない状況です……。)

ナジャ・サラヒム も、も、申しわけのございませんっ!あ、あいつは……いえ、あの者はっ!皇宮御用達の弊社の看板に泥を塗った、とんでもない不良社員でございますっ!!

アブクーバ ……ひっ、ひえぇぇ。(社長が謝るなんて初めて聞きました……。)

ナジャ・サラヒム おまけに……傭兵でありながら、キキルンにのされた上……大切なお客様をほっぽらかして、エジワ蘿洞でグーグー寝てるだなんてネェ!

なんか随分違うくないかい。

アブクーバ ……あうぅぅ。(これは、後が怖すぎます!)

アブクーバ ……あ。りぃさん。君という人は、いつもいつも間の悪いときに出社してくるんですねー。(僕の気のせいだろうか……?)

気のせいではない気がする…。

アブクーバ 今、ウィンダスの大使さまが商談にいらしてるのですけれど……

アブクーバ さっきの……聞こえてました?ナジャ社長は今、すこぶるご機嫌が悪いです。ふひー!

アブクーバ ……とりわけ、りぃさんは、出直してきたほうがいいんじゃないかって思います。
りぃ そうしようかな…。

ナジャ・サラヒム アブクーバ!!!
アブクーバ はっ、はいぃぃ!!

ナジャ・サラヒム 誰かそこにいるのかい?
アブクーバ いえ……は、はい……。

アブクーバ (すみません……りぃさん。だって、ナジャ社長の耳は100マルム先のキキルンのくしゃみだって感知するに違いないですから……。)

ひぇ。

ナジャ・サラヒム フン。まあ、いいさ。あんた、すぐに「水晶指向儀」を見ておいで。大使様はすぐに、ご出立されたいそうだから派遣できる者をお見繕いするんだ。
アブクーバ はっ、はいぃぃ!!

水晶指向儀は、傭兵の階級章に仕込んであるGPSの場所を確認するやつだね…。

ナジャ・サラヒム ちょいと、お待ち。
アブクーバ ……は、はい。

ナジャ・サラヒム わかってるだろうけどりぃだけは、候補から外すんだよっ。……あいつは我が社の傭兵の能力を大使様に示す、またとないチャンスを潰したんだからネェ。

アブクーバ はっ、はい!!

今見つかったらトゲトゲが飛んできそうだ…。

カラババ オホホ。こちらの会社は話が早いんですのね。
ナジャ・サラヒム ……お褒めにあずかり光栄にぞんじます。大使様。弊社では、常日頃より迅速をモットーにしておりますので。

キング・オブ・ハーツ カラババ★サマ ハ イダイ★ナル ウィン★ダス レン★ポウ ノ トク★メイ ゼン★ケン タイ★シ。 ソンナ★ノ オフ★コース デー★ス!
ナジャ・サラヒム …………。

キング・オブ・ハーツ ダ★ガ……
ナジャ・サラヒム ……ん?

キング・オブ・ハーツ カラババ★サマ ヲ ガー★ド デキ★ル ヨウ★ヘイ ガ コ★ノ カンパ★ニー ニ イル★ノカナ?

全世界探してもいないんじゃないですかね?

ナジャ・サラヒム ……なんっ!?
カラババ ……なん?

ナジャ・サラヒム ……なん……と申しましても、弊社は皇宮御用達。社員教育も徹底。多少のピンキリはあれど……皆、優秀な者たちにございます。

ナジャ・サラヒム お目にかけてしまったあのような不良社員は……ごくごくごく!一部なんでございますので。えぇ、もちろん、大使様にはピンのほうをお付けいたします所存でございますとも。
キング・オブ・ハーツ ピン★カ…… タト★エテ イウ★ナラ ソ★ウ……

キング・オブ・ハーツ コ★ノ キン★グ ノ ヨウ★カ?
ナジャ・サラヒム ……んなわっ!?

カラババ ……んなわ?

ナジャ・サラヒム ……そ……んなわけございませんですとも♪弊社の傭兵が粒ぞろいなのは保証いたします。

ナジャ・サラヒム で・す・が、さすがに、キング様には及びませんネェ。
キング・オブ・ハーツ フフ★フフフ……。 ソーダ★ロー ソーダ★ロー。

カラババ ……オホホ。キングや。それくらいにおし。
キング・オブ・ハーツ デス★ガ カラババ★サマ……。

カラババ 正式な依頼でしたらあのような現地ガイドに、ぶちあたる心配もないはず……

カラババ ですことよね?
ナジャ・サラヒム ええ。ええ。それはもう!当社の誇る、最良の傭兵陣から選んだ者をお付けさせていただきますとも!

ナジャ・サラヒム もう、そろそろその候補を記したリストが……。

ナジャ・サラヒム まだ……のようですネェ。

アブクーバ、急がないとやばいよ。

ナジャ・サラヒム いえね。弊社の社員は、どれも優秀ですからいつも選ぶのに難儀いたしまして……。

ナジャ・サラヒム アブクーバ!!!
アブクーバ はっ、はいぃぃ!!

ナジャ・サラヒム ……大使様がお待ちでございますよ?
アブクーバ す、すみませんっ!

 

ナジャ・サラヒム さぁ、さ、大使様!長らく、お待たせいたしましたっ。これから弊社の誇る優秀な……
アブクーバ も、申し訳ありませんっ!

ナジャ・サラヒム ……ったくなんだいっ!?
アブクーバ そ、それが……。

どうしたんだろう。

ナジャ・サラヒム ま。我が社の、働き手だってことだけは間違いないけどね。
アブクーバ それに……本人も、社長の期待にぜひとも応えたいと思ってるようですから。

ナジャ・サラヒム ヘェェ……。意気込みだけはいっちょ前になってきたようだネェ。結構なことだよ。

誰だろう。
ゲッショー?
いや、しばらく会社に行ってないって恐れてたな。

ナジャ・サラヒム さぁ、大使様。改めまして……たいへん長らくお待たせいたしました。
アブクーバ ドドドドドドドドド~♪

ナジャ・サラヒム 弊社、飛び切りの逸材にして不撓不屈の猛者。その名も……
アブクーバ ダダンッ♪

ナジャ・サラヒム 猛虎のファルズンっ!で、ございま~すっ!!

ファルズンだぁー!!!

カラババ …………。

ファルズン あ、あのはじめまして……。ボク、ファ……
ナジャ・サラヒム このファルズン!一見、虚弱かと思われますでしょうが、人は見かけによらぬもの。

ゆ、勇者だから!

カラババ …………。
ナジャ・サラヒム なぁあんと!先のビシージでは、なみいる蛮族をちぎっては投げ、ちぎっては喰らい……

カラババ ……よござんす。
ナジャ・サラヒム そ、そんな……頼りないように見えますのは見かけだけでございまして……えっ?

カラババ よござんす。わたくし、そちらの傭兵で結構ですわ。命知らずなら、それだけで十分ですことよ?
ナジャ・サラヒム え、ええ。それだけなら、もう……。

カラババ さぁ、わたくし急ぎますの。早速「ナバゴ処刑場」へ案内願いますわ!
ファルズン !!!!!

ファルズン しょ・しょ・しょ、処刑場!?

処刑場に用事があるの!?