え?なに?レコさまがお腹をすかして倒れてる??
た、大変だ!すぐになにか持っていかないと……
こら!デア!持ち場を離れる気かい!?
あうううぅぅ……。
あのね…。
……ん?なに、レコが?
仕方ないねえ。りぃ。なにかうまいもんを持ってっておあげ。
お頭、優しい……。
だろ? ……い、いや、勘違いするんじゃないよ!あれでも、命の恩人ではあるからね。
あんな助けられかたしたら気になっちゃうよね。
……とはいえ、なにがいいかねえ。本国の連中は、舌が肥えてるって噂だからここで、田舎者となめられてもシャクだし……。
ガ・ナボ大王国ってご飯おいしいのか~。
ミーゴ風海の幸串焼があれば分けてあげたいところだけど、生憎いま材料を切らしてて……
そうだ!森ブナなら、ミスラ料理の定番食材だし、外すことはないだろうさ。他には……
はい、お頭!傭兵の中には食いしん坊が多いです!リサーチしてみるのも手かもしれません!
そうだね、りぃ。同僚たちに聞いてみな。なにかいい案があるかもしれないよ。
ええ?ガ・ナボから来た、あの王子にプレゼントする食べ物~?それなら、断然グリーディだね~!焼いた時のあの香ばしいかおりといったら!あ~、ヨダレでてきた。
ガ・ナボ出身だろうがカザム出身だろうが、あたいらミスラの好物はサイレドンの黒焼き!これしかないね!
黒焼きってめちゃくちゃ焼いてんのかな。
ただ、こっちの大陸ではとんと見かけないんだよねぇ。輸入もんは高いしさぁ……。あの甘美な香りがあたいらの心をかき乱すのよ……ああ、あの至福のひと時、思い出すわぁ……。
ん?ガ・ナボからの客人をおもてなしするご馳走だって?う~ん、そうだねえ。ピピラなんて、どう?あそこじゃ、採れないらしいから。新鮮なのを、頭からがぶり!いまなら、脂がのっててすっごーく、んまいしね!
ピピラってオルジリア大陸にはいないのね。
森ブナと、グリーディと、サイレドンの黒焼きと、ピピラね。
全部持って行けばいいのかな。
えーっと、
/itemsearch 各種
サイレドンの黒焼きは次のストレージに存在します。
モグサッチェル
何故かサイレドンの黒焼きだけ持ってたわ。
他は釣りに行くかー。
森ブナを手にいれた!
ピピラを手にいれた!
グリーディを手にいれた!
よーし、揃ったぞ。
まずは一番おいしいらしいサイレドンの黒焼きを渡してみようかな。
……あああぁ力が出ないよ~……
ええ…?
ズルズルと降りてきたぞ…?
ああ、りぃ!きみを信じてたよ……。
りぃの体からサイレドンの黒焼きの匂いが漂っている……
目が輝いた!!
レコ・ハボッカはまっしぐらだ!
えええええええ
(くんくんくんくん……)
……そ、それは!!……まさか、サイレドンの黒焼き!?
レコ・ハボッカは涎を垂らしている……
あ、あげるよ。
ひいいいいい!?
貪り食ってるぅ。
ああ、美味しかった!ありがとう、りぃ。
く、クールにキメていらっしゃる…。
……ねえ、りぃ。時間あるかな?おかげで元気も出たし、散歩でもしない?
いいよ。
質問するのね。
ウィンダス軍、どんな感じ?
うん……僕たちウィンダス軍は、先の戦いで壊滅的な打撃を受けてしまった。正規軍の戦闘魔導団はもちろん、ミスラ傭兵団もボロボロ。我が軍は満身創痍といっても過言ではないくらいさ。
軍師としては、新兵の補充、新士官の養成を含む各隊の再編制を急ピッチで進めなくてはね。
新兵の補充って、どこから?
またガ・ナボに頼むのかしら。
ゾンパジッパのカーディアン?
そう、どんなに傷つこうとどれだけ血を流そうと……決して僕らは立ち上がるのをやめてはいけないんだ。なぜだか、わかるかい?それは即ち、このヴァナ・ディールの終わりを意味するからさ。
水晶大戦については?
この泥沼の戦争は「闇の王」と称するたったひとりの男によって始められた。そいつは人間世界の壊滅を標榜しているという……でも、なんのために?野望?羨望?それとも絶望?闇の王とは、いったい何者なんだろう?
りぃはなにか知ってる……わけないか。
まるっと全部知ってるんだなぁ。
ねえ、りぃ。この悲惨な戦いの果てにいったい、僕らはなにを得るのだろうね?時々、僕はなんとも言えない気分になるんだ……。
得たもの…は、なんだろう。
ヴァナ・ディールの存続と、一旦戦争が無くなった状態?
そうだ、りぃはなにか、僕に聞きたいこととかないの?だって、ほら。僕ら友達なんだし。お互いに知り合えばいまより、もっと仲良くなれるだろう?
レコはどこから来たの?
うん、悪くない質問だ。僕は、同胞がよく「本国」と呼んでるガ・ナボ大王国の首都で生まれたんだ。
ガ・ナボは、ここミンダルシア大陸から南洋を渡ったはるか南方。オルジリア大陸と周辺の島々を領する、大国だよ。麗しき女王が勇ましき民を治める、美しき国……
なぁんてね。受け売りだよ。実は僕、小さい頃に本国を離れて、各地を転々としてたから、詳しくは知らないんだよね。
そうなんだ?
おっと、このことは他の人には内緒だよ?いろいろ秘密の方がミステリアスだし、なにかと都合がいいからね。
お、おう。
暑そうな服着てるけどどうして?
ははは。気になる?この気候で、このジャケットだもんね。
でもね、このファッションは南方の本国の最新のトレンドなんだよ!
そうなんだ。
…えっ、南国でそれは暑くない??
なーんてね。冗談、冗談。本国の人が、どんな服着てたかなんて、もうすっかり忘れちゃったよ。
ええー!
僕はいろんなところを転々と移り暮らしてきたからね。西のウルブカ、東のエラジア、そして、雪と氷ばかりの北方のラゾア……。うん、特に北方暮らしは長かったな。だから、他の同胞みたいなその、なんていうか……軽装は苦手なんだ。
中の国の周り全部行ってる感じ?
好みの服を着たいのはもちろんそうなんだろうけど……もしかして傷とかあって隠したいとか、ある?
多少、暑くてもこの格好の方が落ち着くんだよ。それに、ほら。きみだって興味を惹かれたでしょ?なにかと話題のきっかけにもなるんだ、これ。
レコ、全部秘密にするわけじゃないけど肝心なところははぐらかす感じね。
座るのね。
ロベルアクベルってどんな人なの?
え!?きみロベルアクベル元帥に興味あるの?う~ん……まあ、あのルックスだしね~。気になるのも仕方ないか……。
ルックスもまぁそうだけど、誰のために何のために戦ってるのか気になるなぁ。
うん、じゃあ大魔元帥について僕の知ってることを話そう。
ねえ、りぃは閣下をどう考えてる?クールで強いスーパーヒーロー?それとも、血も涙もない冷血漢?
うーん、信念のためにすべてを賭けられる人、かなぁ。
そうだな、たしかに彼は非情に見える時もある。でも……僕には、彼があえて汚れ仕事を請け負っているように思えるね。
なぜかって?僕は知ってるからさ。彼は彼なりのひとつの正義のために戦っていることを……
それが知りたい。
ただ、その正義のためには手段をまったく選ばないんだ。どんなに、己が手を血に染めようともね……
でも、考えてもみてよ。国家ってやつには、そうした役者が必要だろ?まして、この戦乱の世ではね。
そうだねぇ。
だから、僕は元帥に協力してるのさ。彼の、あのやり方が好きなんだ。
さっきからレコの周りを蝶々が飛んでるな?
レコのことは?
ふふん。うれしいね~、そうこなくっちゃ!
で、僕のなにについて知りたい?ママン?持ち歌?初キッス?それとも……
そうだ!僕がどうしてロベルアクベル閣下の軍師におさまっているのか、そのことを話そう。気になってただろう?
うん。
あのさ、りぃ。ぱっと見、僕ってどう?
どうって?
優男に見える?でもね、僕って着痩せするタイプで、脱いだら、きっときみは驚いて……
えぇ…
なーんて、うそうそ。実際のところは、自分でいうのもなんだけど見た目どおり。すっごく弱いんだ。
でも、倒れてるロマーをチョコボ走らせながら抱え上げたくらいだから、からっきしってことでもないのでは?
もし、りぃと戦ったら3秒でのされちゃうよ。でも僕、すごい武器を持ってて、それは……この舌さ!
知ってるかい?剣より舌は強いし、力は言葉に勝てないんだ。この舌先三寸で千里彼方の敵を討ち大国を滅ぼすことだってできる……
それは、確かに…。
そう考えるとおそろしいわね。
……ふふふ。まあ、ね。こんな時代だしそんなふうに強がってないと生きていくのだって、大変なのさ。
僕みたいな優男は、特にね!
レコ、とんでもない苦労して生きてきてそうだなぁ。
……レコさん!
こんなところにおられたのですか!閣下がお召しです。
えー?閣下も無粋だなぁ。せっかく、このレディと和気あいあいと歓談中だったのに……。
和気あいあいという内容でもなかったような。
緊・急・の!作戦会議だそうです。天の塔へ急いでください!
わかったよ。行くよ、行く、行く!
あ、そうだ。りぃ、どう?一緒に行く?
私も?
きみは先の防衛戦の陰の英雄だからね。誰も文句は言わないさ。それになにより、僕の親友だしね~。
友達から親友に格上げになってしまった。
あ、それからこれは、サイレドンの黒焼きのお礼。もちろん、受け取ってくれるよね?
ずっと蝶々がいる。
何か理由があるんだろうな。
さて、それじゃあ聖都に戻るとしよう。りぃ、水の区まで競争しようか?
レッドローズを12個手にいれた!
あ、赤いバラの花束!?
どうしろと!!
…ん?ちょっと待って。
サイレドンの黒焼きひとつでおなかいっぱいになったの?
森ブナとピピラとグリーディわざわざ釣ってきたのに無駄足だったじゃないですかー!!