害毒の渦

白タルの散歩道

わぁ。一面灰色。別の世界かぁ。なるほど。

白タルの散歩道

イロハ ライオン殿…!
りぃ ザイドがなぜここに!?

いや、復帰後まだ会ってないはずだから初対面?

ライオン ああ、りぃ。そっちの女性は…?
りぃ イロハだよ。未来から来たの。

ライオン 未来から…?変わった話ね。でも、この妙な世界が生まれたことと関係がある話だというなら、理解できるわ。あの渦に吸い込まれて、どうなることかと思ったし。
りぃ そうだよ。すっごい元気で良かったよ。

ライオン ああ、そうそう。彼が助けてくれたの。

白タルの散歩道

イロハ 貴殿は…ザイド殿、でございましょうか?
ザイド ああ、そうだ。アルドから話は聞いているぞ、イロハ。この場所に異変が起きているという話を聞いて、俺も調査にやってきたのだ。

ザイドも忙しいねぇ。

白タルの散歩道

ザイド 色のない世界。まるで、死んでしまった世界のようだ。
イロハ 怖気がたちます。森羅万象あまねく、冷たい抜け殻のよう。

なんか、灰になった感じがあるよね。

ザイド ここは聖地ジ・タに似ているが、まったく別の場所だ。別世界と言ってもいいのかもしれぬ。…もしや、これが未来の世界なのか?
イロハ いえ。私めの感覚では、ここは未来ではございません。おそらくは、いつか世界を包み込む、滅びをもたらす闇の…その闇が見せている幻のような世界ではないかと…。

おおー。未来とか過去とかにいる感覚があるんだね。イロハの宮司の力なのかな?

白タルの散歩道

ん?何の音?

ザイド …?なにかが、鳴っている?
イロハ 鈴の音、でございましょうか…?どこぞで聞いたことがあるような…?

聞いたことあるの?未来で…だよね。

白タルの散歩道

ライオン うっ、なに…?
ザイド おぉ…何者だッ…!

ライオンがうずくまって、ザイドが暴れだしたぁ!危険!オチツケー!

イロハ ザイド殿、ライオン殿!気をしっかりお持ちなされ!!

ザイド 今のは何だ…?意識がはっきりしないまま、身体が勝手に動いてしまった…。
イロハ 操られており申した。
ライオン なんてことなの。

え、なんで私平気だったの?
イロハは宮司の力とか、未来の人だからとか理由がありそうだけど。
だ、誰かつっこんで!!

白タルの散歩道

イロハ 師匠。この世界は「エスカ」と呼ばれていた世界やもしれませぬ。
りぃ エスカ?

イロハ 師匠の教えを思い出し申した。「中の国にて、いくつかの地方が闇に飲まれ、色のない世界が現れた。それこそが世界を滅ぼす闇の始まりであった」。それが「エスカ」。
りぃ えっ!じゃあここ、すごいやばいところなんじゃ?

闇…。
そういえば、復帰してからはまだ行ってないけど、プロミヴォンもここみたいに色が無くて灰色じゃなかったっけ?プロミヴォンってどうやって出現したんだっけ。覚えてないや。

白タルの散歩道

イロハ ただ、私めの知る歴史では、その世界が現れるのは、今より一層後の世のこと。なぜ、この時代で現れたのでございましょうや?
りぃ うーん、なんでだろう?

ザイド もしやと思うが。歴史が変わっている…のだろうか?

なるほど、よくある話!

白タルの散歩道

イロハ となれば、早急に未来を変えねば、今この時間もどうなるかわかりませぬ。
ザイド イロハよ、この「エスカ」という世界自体を消し去る方法はないのか?
イロハ 大変申し訳ございませぬ。私めには、わかりかねます。

未来ではエスカはどうなってるんだろう?
そんなの分からないくらいハイパー闇だらけなのかな。

白タルの散歩道

ザイド この世界の調査を続けるしかないか。だが、あの鈴の音の正体がわからねば危険な探索になるは必至。
ライオン もう一度、クリスタルのところに戻るべきかもしれない。

さっきの母なるクリスタルのところ?

ライオン 不思議な気分なの。クリスタルが呼んでいる気がして。

白タルの散歩道

イロハ ライオン殿は、未来に繋がる大事な力をお持ちの方に違いありませぬ。

なかなか強い断言!
あれ?この物言いってことは、イロハは未来でライオンと直接会ったことないのかな?未来がどうなってるか気になってきた…!

イロハ 師匠、クリスタルの元へ行けば、何かわかるやもしれませぬぞ。

行ってみるかー。