サクサクっと倒してっと。
あーあー、おかげで一張羅がずぶ濡れだ。
殺せ。
…………。
どうして助けるのよ!殺しなさいよ!
ずっとずっと追われつづけて、私はもう疲れたわ…………どこまで逃げたって一生お尋ね者……
コルセアだったから皇国軍に追われてるのかしら。
挙句の果てに大事なものを失って……コルセアなんて……
……兄さん……。
ふざけるな。人を殺すために武器を取ったことなどない。……兄貴の姿を見てわからなかったか?
「この戦いには、名誉も栄光もなく、この航海は、すべてを得るか、すべてを失うまで続くだろう……」
「たとえ、今は授ける王はなくとも、君の名誉は友から贈られるだろう。たとえ、海の藻屑と消えようとも、君の栄光は友が語り継ぐだろう。」
誰の言葉だろう。
昔の偉大なコルセアとか?
今は授ける王はなくとも…って、かつてはいたって事よね。
もしかしてコルセア、元はどこかの王国の海軍だったりする?
む…。
海洋騎士シャザラートの墓ってのがカダーバの浮沼にあったんだけど、もしかして関係あったりする?
海洋騎士…アトルガン皇国の海軍の可能性もあるのか。
でも、騎士って言うかな。
カダーバの浮沼にあるってのも違和感だし……あ、疫病が流行る前ならありえる?
ううむ、わからん。
そのうち出てくるかしら。
……死にたきゃ勝手にしろ。
俺たちはコルセアだ。
仲間を信じ……海が干上がるまで航海を続けるだけだ……
……!!
何事!?
……兄さん!!
おばけだー!!
……私は兄さんの……敵を討ちたくて……!
首を横に振った。
…………。
……ふふ楽しそうな顔……。
……兄さんが船に乗っていた理由がなんとなく分かったよ……
クルタダ、お前に刃を向け、船から落ちたとき……私から兄さんを奪った海も、お前達も決して生涯許さない……そう思ったけれど……
なぜだろうね……今は、この波音が……
懐かしくて仕方ない……。
憑き物が落ちたね。
よかった。
女相手だといいカッコするのが船長の悪い癖だよね。
ほんとっすね。
……まったく。本当に甘いんだから……。
へへっ。これでりぃも晴れて一人前ってわけっすね。
静かに。ほら、はじまるよ。
……りぃよ、どんな嵐にも臆さず遥か高みを目指し……いかなる時も決して仲間を裏切らない永遠の友情と忠誠を誓うか?
誓います。
……碧海の女神よ。今、ここにひとりの剛胆なる大海賊が誕生した。
りぃ、共に行こう……。
その誓いを胸に、水平線の遥か彼方まで……。
コルセアトリコルヌを手にいれた!
コルセアって、アトルガンミッションにも絶対にかかわってくるよね?
楽しみ~。