やがて海霧の夜に翔ぶ 其の弐

サクサクっと倒してっと。

クルタダ あーあー、おかげで一張羅がずぶ濡れだ。

イムティラ 殺せ。

クルタダ …………。

イムティラ どうして助けるのよ!殺しなさいよ!

イムティラ ずっとずっと追われつづけて、私はもう疲れたわ…………どこまで逃げたって一生お尋ね者……

コルセアだったから皇国軍に追われてるのかしら。

イムティラ 挙句の果てに大事なものを失って……コルセアなんて……

イムティラ ……兄さん……。

クルタダ ふざけるな。人を殺すために武器を取ったことなどない。……兄貴の姿を見てわからなかったか?

クルタダ 「この戦いには、名誉も栄光もなく、この航海は、すべてを得るか、すべてを失うまで続くだろう……」

クルタダ 「たとえ、今は授ける王はなくとも、君の名誉は友から贈られるだろう。たとえ、海の藻屑と消えようとも、君の栄光は友が語り継ぐだろう。」

誰の言葉だろう。
昔の偉大なコルセアとか?

今は授ける王はなくとも…って、かつてはいたって事よね。
もしかしてコルセア、元はどこかの王国の海軍だったりする?

む…。

海洋騎士シャザラートの墓ってのがカダーバの浮沼にあったんだけど、もしかして関係あったりする?

海洋騎士…アトルガン皇国の海軍の可能性もあるのか。
でも、騎士って言うかな。
カダーバの浮沼にあるってのも違和感だし……あ、疫病が流行る前ならありえる?

ううむ、わからん。
そのうち出てくるかしら。

クルタダ ……死にたきゃ勝手にしろ。

クルタダ 俺たちはコルセアだ。

クルタダ 仲間を信じ……海が干上がるまで航海を続けるだけだ……

イムティラ ……!!

何事!?

イムティラ ……兄さん!!

おばけだー!!

イムティラ ……私は兄さんの……敵を討ちたくて……!

首を横に振った。

イムティラ …………。

イムティラ ……ふふ楽しそうな顔……。

イムティラ ……兄さんが船に乗っていた理由がなんとなく分かったよ……

イムティラ クルタダ、お前に刃を向け、船から落ちたとき……私から兄さんを奪った海も、お前達も決して生涯許さない……そう思ったけれど……

イムティラ なぜだろうね……今は、この波音が……

イムティラ 懐かしくて仕方ない……。

憑き物が落ちたね。
よかった。

Uki Pupakkuh 女相手だといいカッコするのが船長の悪い癖だよね。
アズナーフ ほんとっすね。
ズィーハ ……まったく。本当に甘いんだから……。

アズナーフ へへっ。これでりぃも晴れて一人前ってわけっすね。
ズィーハ 静かに。ほら、はじまるよ。

クルタダ ……りぃよ、どんな嵐にも臆さず遥か高みを目指し……いかなる時も決して仲間を裏切らない永遠の友情と忠誠を誓うか?
りぃ 誓います。

クルタダ ……碧海の女神よ。今、ここにひとりの剛胆なる大海賊が誕生した。

クルタダ りぃ、共に行こう……。

クルタダ その誓いを胸に、水平線の遥か彼方まで……。

コルセアトリコルヌを手にいれた!

コルセアって、アトルガンミッションにも絶対にかかわってくるよね?
楽しみ~。