工房長の秘密クエストの続きが発生したよ。
あら、いらっしゃいませ。その節はお世話になりました。あの後、ロランベリー874を注文なさったお客様がいらしたんですよ。
良かったね~。
どうやら亡くなった主人とは、工房で同期だったそうです。
一緒にシドの元で働いてたのね。
今度はキングトリュフを召し上がりたい、とおっしゃってました。なんとか仕入れたいのですが…。
またですかい。
ん?確かキングトリュフは…。
おーい。キングトリュフはモグガーデンで取れたのがあるから、持ってるよ~。
持ってきて頂けたんですね!どうもありがとうございます。早速準備しないと…あ!!
ん?
あのお客様のお名前を聞くのを忘れてしまいました…。大工房で働いていらっしゃるガルカさんなのですが…。
ええっ!?うっかりさんだなあ!
心当たりはございませんか?主人とは古くからの知り合いのご様子で、無口ですが、やさしそうなお方でした。
大工房で働いてるガルカで、やさしそうで、ご主人と同期で、シドの部下…。
すみませんが、その方が見つかったら、用意した招待状を渡して頂けませんでしょうか?
ひとり、思い浮かぶなぁ。
だいじなもの:蒸気の羊亭からの招待状を手にいれた!
あんたじゃなかとですか?
「蒸気の羊」亭からの招待状…か?それは工房長にはあまり知られたくない。いずれ伺うと店主には伝えておいてくれ。
え、シドに秘密で通ってるの?
とりあえず正解だったけど、うーん、事情が込み合ってるなぁ。
ライバートに伝えてきたよ。そのうち来るって。
え?工房長の研究室で助手をなさっているお方?そう言えば名前はお伺いしたことがあるような気が…。
あ…。
早速来たんかーい!!
御招待頂かずとも、こちらから出向くつもりでした。名前も告げずに注文した非礼をおわびいたします。
めちゃくちゃ丁寧。
どうぞ、こちらへ…
ちゃっかり私も来てしまったけれど、良かったのだろうか。
御主人とは、工房の鉱山開発局に同時期に採用されました。決してお世辞にも仲が良いとは言えませんでしたが…。
ではどうして…?
あいつだけでした。体ばかり大きいガルカの技術者に敵対心を燃やすほど認めてくれたのは。
他のヒュームは、ガルカが技術開発に携わるなど、想像すらしなかった。けれど、あいつは新しい技術を開発するたびに私にそれをひけらかすように自慢にきました。
差別も偏見もはなっから頭にない人だったのね。
笑うかもしれませんが、私にはそれがとてもうれしく感じられました。
笑うだなんてそんな…。主人はそういう稚気にあふれた人でしたわ。だからいきなり酒場を開くなんてことも。
あいつが鉱山開発の一線から退いたときは私もさみしく思いましたが、この店を見て、あいつらしいな、と…。
工房長の下で働くようになられたのは?専門部署が別だったのではないのですか?
あいつから工房長の話は聞いていました。その工房長の作った火薬で命を落としたと知り、そのような人間がのうのうと今の立場にあることに憤りを感じ、工房長に近づきました。
ヒルダさんのご主人のこと、本当に気に入ってたんだなぁ。
それでは…!?
シドという男を見極めようと思いました。…しかし、まだわかりません。現在行っている研究よりも、彼を知ることのほうが難しい。
え、それって、優秀過ぎて凡人の頭の回転では到底追いつけないほど神がかっているからなのか、突飛が過ぎて常識では測りきれないからなのか、どちらなんだろう…?
安心してください。少なくとも、あいつがなぜ工房長を慕ったかの理由はよくわかりました。そういう人です。
そうですか…。
幸い私たちガルカに与えられた時は長い。シドという天才を理解し、そしてその技術を後世に伝えるために、私は働くつもりです。
シドがいなくなった後も、受け継ぐ覚悟なんだね。
それが、私なりの、あいつに対する供養です。
イベント終わった。
え、なんか、オトナな話だったなぁ。
ライバートもヒルダさんも、ご主人の命を奪ったシドの火薬が憎い。ひいてはシドが憎い。と思ったけれど、そうではないんだと。火薬自体が悪いとか、作ったシドが悪いとかではないし、だからといって憎いと思う感情を否定していいものでもない。受け止めて、前を向こう。
っていう話よね。きっと。
もう何も手を貸すことはなさそうだし、私はヒルダさんがちゃんと仕入れできるようになれるよう祈っておこう…。