茶褐色の秘密

本についたシミを取るために、シモカブとスライムオイルを持ってきてって言われたのよね。

白タルの散歩道

りぃ 持ってきたよ。
ハリガオリガ あ、おかえりおかえり。うん、これがあればバッチリだよ。

白タルの散歩道

ハリガオリガ これを使って、トクトクトク…のキュッキュッキュ~♪
りぃ えっ、まさか直接塗った…!?

ハリガオリガ …ほら、きれいになった。えーと、なになに…?
りぃ うんうん?

ハリガオリガ 「神々の書」は目の院の奥に厳重に保管されているため、何が書かれたものか誰が書いたものか、はっきりとした事は何ひとつわかっていない。

あれ?確か、初代神子さまが書いたってアジドマルジドが言ってた気が。

ハリガオリガ ただ、この書は過去に悪しき者の手によってヤグードの手に渡ったことがある。その際、これを取り戻したある学者によってこの書の秘密がひとつ明らかになった。

えっ、神々の書がヤグードに?

ハリガオリガ 「神々の書」の文字が写本せずとも消えない理由…。それはこの書が「満月の泉」の水で書かれたからだ。
りぃ ふむふむ。

ハリガオリガ 「満月の泉」に入ることができるのは神子さまのみ。…となれば、この書を書いたのは…。
りぃ あ、やっぱり。

白タルの散歩道

ハリガオリガひゃあ!今、気づいたけど、これって門外不出・写本禁止の禁書じゃないか!
りぃ ええっ!?

ハリガオリガ なんでこんなところに禁書があるんだよー!禁書を大声で読んだってバレたら大変だぁ!

白タルの散歩道

ハリガオリガ ね、キミキミ。今の話は黙っててちょうだい。ないしょ、ないしょ、ゆびきりげんまん♪
りぃ え、ええっ?う、うん、げんまん。

ハリガオリガ もしかして、さっきの書の汚れって血の痕だったりして…?
りぃ えっ…?

本についた古いシミ…。
色は茶褐色…。

ありえる…。

白タルの散歩道

ハリガオリガ うわぁ、ブルブル。あれがウワサの血を吸う書物かも!さっきは腹いっぱいで、ボクを襲わなかったんだ~!
りぃ えっ、そんな物騒な書物があるの!!?

い、いや、今はそれよりもこのシミは…?

この奥で写本してるセルココの様子が最近おかしいって言ってたから聞いてみよう。

白タルの散歩道

セルココ え~とえ~と…。ああ、気になって集中できない~。こぼしたジュースのシミを早く取らないと。
りぃ ジュースかよ!!

おまえさん、禁書にジュースこぼしたの…!!

セルココ やっぱり口の院の院長の頼みなんかきかなきゃよかった~。ああっ、強引な殿方に弱いわ・た・し。

口の院院長…?
アジマルー!!

セルココに頼んであの禁書を持ち出させて、さっきの情報を得てたのか。なるほど。

りぃ とりあえず、ハリガオリガがめちゃくちゃ慄いてるから真相を教えてあげて…。