サンドリアお散歩中。
ここがトリオン王子の部屋なのかぁ。
そこの見張りの人から、許可された人以外入っちゃダメって言われたけど、そりゃそうよね。
何者だ?
えっ、りぃでっす。
居るのばれちゃった!!
…ウム、お前か!遠慮はいらぬ、入るがよい!
えっ?
えっ、なんで!?
私トリオン王子と面識あったっけ?
無いよね??
なんで私のこと知ってるの?
闇王を倒した冒険者。ってことで耳にしてたのかな。
ってか、拝謁賜ったのにこんな雨合羽みたいな恰好でごめんなさい!!
ウム、分かっておる。サンドリアのフェイス使用許可証を持っておるのだろう。
あっ、持ってます。
この私の分身を旅に連れていきたいと言うのか。
えっ。
我こそは、サンドリア王国第一王子、トリオン・I・ドラギーユ。
I。侯爵の地位なのね。
我が分身を連れていけば、お前の旅は冒険とは呼べぬほど、楽になる。冒険者は冒険が務めと言うに、それでもよいとぬかすか?
えっ、は、はい。
ハッハッハ、そう焦るな。ただし、りぃ。あながち冗談でもないぞ。
えっ、なによ。
フェイスという謎めいた魔法の被験者として名乗り出たのは、私の分身こそが、世に必要とされているため。
常々から思っていたのだ。国務をこなすことが我が役割であり、天分もある。しかし…困難な局面にある者たちへ、直に、この手をさしのべたいと!そう、思っていたのだ!
おっ、おおーっ。
その夢の助けとなるのが、この度、発表された新魔法フェイス。私にとっては、願ったり叶ったりというわけだ。
さすがトリオン王子。
…だが、頭の固いものどもめ。闇の王を倒したとは言え、冒険者の後ろを王族が従者のようにうろつくは、王室の品位を落とすという意見もあってな…。
あぁ…なるほど…。
そこで、お前にはきちんと約束してもらおう。
うん?
我が分身を見事、呼び出せた暁には、お前こそが従者だということを、決して忘れぬと!さすれば、こうるさい者どもも納得しよう。
ええーっ!?まぁ、いいけどさぁ。
さて、そろそろ私は国務に戻らねばならん。
もう、勝手だなぁっ。
私とお前のフェイスは、成功するか失敗するか。さっさと、ともかく試してみようではないか。
まかせなよ。
ウム、成功のようだな!では、後のことは、お前に任せるぞ!
フェイス:トリオンを習得した!
調べたら、フェイスのトリオン王子かなり優秀らしい?
今度から盾は王子にお願いしてみようかな。