稀なる客人 其の捌

白タルの散歩道

フィヨン そんな!ミルシェラールは捕まってしまったの!?
ロイド ……すまない。僕が不甲斐ないばっかりに……。

ロイドのせいじゃないよ。

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フィヨン ハルヴァー様……?

えっ、なんで!?

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ミルシェラール 義兄さん!フィヨン姉さん!
ロイド ミルシェラール!どうしてここに!?

ハルヴァーが連れてきたんだよね?

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ミルシェラール 奇跡が起きたんだ!やはりヴィジャルタール・カフューは本物だったんだ!

ハルヴァー 今年、開封を指示された古の遺言書が王家に伝わっておる。勇者ヴィジャルタールに助けられた、フェレナン公爵が残されたものだ。

あー、ハルヴァーが「例のあれを開封しようと久方ぶりに宝物庫を開けた」って言ってた、例のあれってフェレナン公爵の遺言書だったのね。

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ハルヴァー それは君たちについてである。
フィヨン なんですって?

ハルヴァー それによると、ミルシェラール・カフューと申す者が王錫を盗むが、彼とその逃亡に加担した者たちをヴィジャルタール・カフューの名の下に無罪としてほしい……

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ハルヴァー 彼らは、我が国とバストゥークの友好を保ち、サンドリアの未来を担う者となるであろう、と。
フィヨン !!

ヴィジャルタールがフェレナン公爵に書いてってお願いしたんだよね。
やるじゃない。

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ハルヴァー ……まことに不思議な遺言であるがフェレナン公爵といえば、現ドラギーユ王家の直系の先祖であらせられる。その遺言は絶対なのだ。

200年前に書かれてるのに、今回起こった出来事と関係者の名前をズバリ当ててるし、英雄を語る変な人が急に現れて急に消えてるし、信じるしかないよね。

ハルヴァー ところで、おまえたちは知っているか?王錫のピエールエランにまつわる伝説を……。

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ハルヴァー フェレナン公爵の暗殺を阻止したヴィジャルタールは、王都を開放するよう公爵を説得した。そのとき公爵は、ピエールエランの中に、一瞬、未来を見たといわれている。

タイムスリップもさせてしまうし、とんでもない宝石だな。

ハルヴァー その時、公爵が何を見たのかは定かではない。ただ、敵対していた国どうしが共に手を取り合う……、そんな未来を夢見てフェレナン公爵は王である兄に投降した、という。

200年後の未来…今の様子が映ったのかな。

ハルヴァー 公爵に従い王都を占拠した神殿騎士団にお咎めなきこと。そして、バストゥークとの休戦条約の締結を条件にな。

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ハルヴァー なに?ヴィジャルタールはどうなったか?我が国では子供でも知っておろう。公爵をお救いしようと暗殺者と戦った際に毒を受けて、そのまま……

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ハルヴァー だが不思議なことに、ヴィジャルタールの墓は見つかっていない。あれほどの功績をたてたのだ。後にせよ、立派な墓に埋葬されたと思うのだが……。

死亡フラグ回避してたんだ!

世の中的には死んだことにしておいて、どこかで暮らしてるパターンね。
あっ、子孫であるフィヨンが、恋人のナフュに瓜二つってことは、結婚したのね。

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ハルヴァー まあ、それはよい。続きを話すと、投降後、フェレナン公爵は監獄に幽閉された。王家の者の血は流してはならぬ、というのが、当時の公の決まりだったからな。

王族だし、投降したわけだし、ちょっと過ごしやすく改装してたりするのかな。

ハルヴァー しかし、公爵はその3年後に脱獄に成功した。そこからは皆も知っての通り、我が国は100年にも渡る長く苦しい内乱の時代を迎える。

脱獄!?

え、どうやって。
絶対に手引きした人がいるよね。

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ハルヴァー ……龍王ことランペール様が登場し、再びサンドリアをひとつにまとめられるまでな。そう、ランペール様こそ、そのフェレナン公爵の血を引くお方だ。

脱獄したフェレナン公爵の子孫が龍王ランペール!?

脱獄してなかったら、今のサンドリア王国は無かったって事じゃない。

ハルヴァー いかんいかん。歴史の話になるとつい長話になってしまう。

もっと話していいよ。

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ハルヴァー しかし、ヴィジャルタールの家系がまだ王都で存続しておったとは初耳だ。
フィヨン つい最近まで、バストゥークに住んでいたのでございます。

はっ!
そうだ、最近亡命してきたって…。

ヴィジャルタール、死んだふりしてあんなに嫌ってたバストゥークで暮らしてたの!?

ハルヴァー なんと、バストゥークに?
フィヨン はい。代々ずっと……

ハルヴァー ……ふむ。そういえば、フェレナン公爵の脱獄を手引きした騎士が、バストゥークへ逃れたという文献がある。

フェレナン公爵を脱獄させたの、ヴィジャルタールか!!

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ハルヴァー その騎士は、討手に誰何された際、「漆黒の稲妻」などと名乗ったそうだ。
りぃ あの通り名、使っとったんかい!!

ハルヴァー そうだ、これは知っているか?……いや、やめておこう。我が国の長い歴史を語り出すといくら時間があっても足りぬゆえ。
りぃ あんなに邪剣にせず、もっと話を聞いておけばよかったねぇ。

ただの不審人物でしかなかったけど。

ハルヴァー なんだと?私が勇者に一度会っているだと?ハハハ、たわけたことを!

ま、そうなるよね。

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ハルヴァー そろそろ城に戻るとするか。フィヨンよ。いずれ放免はするが、ミルシェラールとロイドは、しばらく城に滞在してもらうことになるぞ。この一件、不可解な点が多すぎる。じっくり説明を聞きたいのでな。それに、そなたらの祖先の話もぜひ……。

ハルヴァーって超歴史好きだったんだな。

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ミルシェラール 姉さん、安心して。きっと、すぐに戻ってこれるさ。

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ロイド ああ、そうさ。また3人で静かに暮らそう。ヴィジャルタールの家があったこの場所で……。

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フィヨン ……うん。

大作クエストだったね。
歴史もいろいろ知れたし、面白かった。

全員無罪になったし、大団円!
よかった~。

この家族は、しばらくの間ハルヴァーに質問攻めにされまくりだろうけど。

頑張れ…。