ピエージェの決断 其の壱

今回もピエージェ王子の部屋の前から…。

白タルの散歩道

トリオン 何の話だ!?俺はどこも悪くなどないぞ!

ん?トリオン王子がいるの?

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おぉぅ。

トリオン いらぬ心配をするヒマがあったら、獣人どもを蹴散らす作戦でも考えることだな!
ピエージェ 兄上!

今日も大きな声。

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ピエージェ ん?君は…?
りぃ あ、どうも。

ピエージェ ナルシェラルに言われて催促にでも来たか?

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ピエージェ …君は、なぜナルシェラルがあんなにあわてているか知っているか?

うーん。
とにかくピエージェ王子の手柄を増やしたい!とかじゃなくて?

ピエージェ 20年前のあの日、連合軍はタブナジア侯国を、エサとして差し出したのだ。侯国に諸国の首脳がひそかに集うと言うニセ情報を流したのだよ。
りぃ え!?

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ピエージェ 獣人どもの大軍勢に襲わせておいて、その間に連合の精鋭部隊がヤツらの居城に…ズヴァール城に討って出たのだ。

ズヴァール城の守りが手薄になったから、闇の王の間まで攻め込めた。

オープニングムービーのまさにあの時、闇の王が討たれた。ってことか。

なんてこったい。

ピエージェ 結果、なんとか闇の王を討つことに成功したが、タブナジア侯国は獣人どもによって壊滅した。その名をもつ国は、もはやこの世に存在しない…。

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ピエージェ 当時のタブナジアの君主、アルテドール侯は、自分達が同胞から裏切られることになろうとは、思いもよらなかったろう。

囮にしたわけだから、タブナジアへは「そういうことになる」という連絡はしてなかった…のかな。
何の準備もできないまま、襲われた。と?

ピエージェ 獣人の夜襲を受け、最後の最後まで勇敢に闘ったが、ついに城館も落とされ、警護の部隊と共に命からがら街から脱出した。しかし古墳の付近で、ついに追っ手につかまってしまった。

タブナジアで討ち死にしたわけじゃなかったんだ。
古墳まで逃げた?

タブナジア→ラテーヌ→ジャグナー→バタリア?
頑張ったな!

ピエージェ 候は、最期まで、堂々と戦い抜いたそうだ…。

ん?バタリアで亡くなったんだよね。
それなのに、アルテドール侯と思われるおばけがラングモント峠を越えたって。

バタリア→ジャグナー→ラテーヌ→ロンフォール→ラングモント峠って移動してきたの!?
北の地に用事が?

いや、待って。
おばけならさ、バタリア北の段差越えられないの?

越えたら一気にボスディン氷河に行けるやんね!

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ピエージェ 連合軍もタブナジア防衛に兵を割かなかったわけではない。しかし、結果的にタブナジアは壊滅した…これはまぎれもない事実。

そこで一気に決着をつけたから、被害がタブナジア滅亡だけで済んだ…って一面もあるよね。
そのまま続いてたら、他の国も滅んでいたかもしれない。

ピエージェ そして、アルテドール侯は私の…。私は…どうすればいい?

おじいちゃん。だものね…。

りぃ 魂の浄化的なのをするのが最善?そもそもアルテドール候は北に何しに行ってるんだろうね。

ナルシェラル ピエージェ様!いらっしゃいますか!?
ピエージェ ナルシェラルか…入れ。

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ナルシェラル ピエージェ様!!先ほどトリオン様にお会いしましたが、すでにお元気ではありませぬか!

え、良かったじゃない。

ピエージェ そうか、おまえにはあの兄上が元気に見えるか…。

あれは元気なふりしてたの?

ナルシェラル このままではいずれトリオン様のお耳にも届きましょう。大聖堂の影響力を強める機会を逸することになりますぞ!
ピエージェ 救われぬ魂の浄化、そして贖罪を私の手で行え、と…。

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ナルシェラル 何をおっしゃいますか!あくまでこれは亡者の脅威を振り払うための作戦!サンドリアの王子ともあろうお方が罪を贖うなどとうかつに口になさいますな!
りぃ えぇ…?

教皇といい、ピエージェ王子の周りにはこんな人しかいないの?
王子が不憫すぎる。

ピエージェ …おまえの考えはわかった。私にも考えがある。兄上に兵を出させることだけはすまい。

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ナルシェラル ええい、歯がゆい限りだ!このままでは、すべてが明るみに出る。そうすればサンドリア、いやヴァナ・ディール全体を巻き込んだ騒動になってしまうぞ…。
りぃ あんたちょっと落ち着きなよ…。

ジェローヌ ナルシェラル様、新しい情報が…。

お?何だろう。

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ジェローヌ アルテドール侯の姿をしたダークストーカーが向かった先は、どうやらフェ・インであったとの報告が…

フェ・インに用事が?
確かにあそこも何かとおばけが集まってくる場所…。

ジェローヌ 彼の地は、タブナジア以外にもさまよえる魂の集う場所です…おそらくはそこで…。
ナルシェラル 亡者どもの挙兵…か!ふん、にわかには信じがたいことだが、ここまで来ると…な。

挙兵しにフェ・インまで?
本当にそうなら、アルテドール候の恨みはものすごいってことだけど…。

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ジェローヌ まだ多くの亡者の軍勢は、エルディーム古墳にとどまっています。また、その者たちが出る時に一様に所持している品が発見されました。まだ、入手に成功していないのですが、タブナジアの呼び鈴と呼ばれるものだそうです。
ナルシェラル ふむ、奴らの合図に使うものかもしれんな。手にいれた上で作戦に使用しよう。

ジェローヌ では…。
ナルシェラル ああ、これ以上討伐隊の号令を待つわけにはいかない。先に資格を認めた冒険者たちを送り込もう。

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ナルシェラル エルディーム古墳にてタブナジアの呼び鈴を入手後、フェ・インに向かうように。
りぃ 私かーい!

ナルシェラル この作戦で功を立てた者にはさらなる褒美をとらせよう。おまえもがんばってくれ。
りぃ わかったよぉ。

少しでも王子の助けになればいいけれど。