渇望 其の弐

ここに同士がいるの?

何だろうこのマーク。

りぃ …ん?

??? : ほぅ……、お前が新しい……。

えっ、いつの間に!?

ヤスフル 私は「不滅隊」のヤスフル。
りぃ ええっ!?

お母さんは!?

えっ、消えた!!!

ヤスフル 生憎だが、お前が持ってきたそのセイレーンの涙。さして意味はない。

ぎええ!!!
後ろに現れた!

ヤスフル 我らが試したかったのは、お前の内なる奥底に潜む、力への「渇望」。

ヤスフル ……そう、お前の「適性」を知りたかっただけだ……。

つまり、最初に思うがままテスト受けて不合格だったから、本当は適正なしなのですね。

ヤスフル 理不尽な要求だったにも関わらず、お前はそれを受け、やり遂げた。賞賛に値するといえよう……。

拍手してくれた。

ヤスフル だが、それもすべてはお前の力への渇望がゆえ……。そして私は今、そのお前の飽くなき力への望みを叶えてやれる、ただひとつの方法を知る者としてここにいる……。

ただひとつの?

ヤスフル 無論、「代償」はいただく。お前は、大切ななにかを失うことになる。……失ったことすら、気づかぬかもしれんがな。

えっ、やだ。

ヤスフル しかし、それでも。我ら「青魔道士」の力を望むというなら……。

ヤスフル ……この手を取るがいい。

青魔道士にはなりたいから、手を取っちゃうよ。

  
ヤスフル ……お前のその命。……我らが「聖皇」と皇国のために……

??? : …………。ご慧眼、恐れ入ります。

私、気を失っとるがな!!!

??? コバルト値が低いので無理かと思いましたが、こやつは死の淵より戻ること適うたようです。

えっ、何されたの!?

??? : ふん、白々しい。心にもないことを言いおって。

??? 貴様が移植したのだろうが?

??? この忌まわしき、「アーリマンの水晶体」をなっ!

眼が光った!

えっ、アーリマンの水晶体を移植?
それで「ご慧眼」の力を手に入れて、適性がある人を見抜けるようになったってこと?

ひいええええ!!

Wathdeeh シッ、お静かに。意識が戻ったようでございます………

ううーん…。

鼓動の音が、激しい…。

ええー!?
何しとんのやー!!!

ラウバーン おめでとう、りぃ。これで今日から貴様も「青魔道士」だ。

ん?
名前がラウバーン。

さっきの「ご慧眼」の人は名前が???だったけど、同じ顔だよね。この場にいるし。
つまり、このラウバーンって人が「ご慧眼」の持ち主。

ラウバーン ……だが、今のままでは、貴様は「空の器」。並の人間にさえ劣る、卑しき存在に過ぎん。

卑しき存在。
一体どんな改造されたの…。

ラウバーン なぜなら、青魔道士の力「青魔法」とは、敵を喰らい、奪い取って己が血肉としていくしか道はないからだ。

敵の技を覚えられるよう改造されたって事か!

ラウバーン 貴様の飽くなき力への「渇望」を見せてみろ!

ラウバーン 私から贈れる言葉は以上だ。

Wathdeeh もし、貴様が本物ならば、いつの日か我が「不滅隊」への入隊を認めてやろう。

この人たちも不滅隊。研究員って感じか。

ザッハークの呪印を、施された。
青魔道士にジョブチェンジできるようになった!

ザッハークの呪印って何だよ~!
やだよー!!

ジョブは取得したけど、お話の続きがあるらしい。

ワーウード 占いでもいかがですか?冒険者の方ですから、お安くしますよ。ふふ。
りぃ やる。

ん?
あれ…?

ここどこ!!

ラウバーン 貴様はもう、ここには用はないはずだが……?

ラウバーン?
めっちゃモヤモヤしてるのなんで!?

ラウバーン なにゆえ私の前に立つ?貴様は代償を払い、我らと同じ、青魔道士の力「青魔法」をその手にしたのだ。

ラウバーンの前に立ってな………ああ!あの占いの人と同じ顔っぽい!!
偽名使ってあそこで青魔道士候補探してたのか!

ラウバーン それ以上なにを望む?……「器」もない、貴様が……。

器がない?
まだ青魔法覚えてないから?

ラウバーン まぁ、いい。「器」など作り替えればいいことだからな。

作り変える?
素質のある他の人を青魔道士にするってことかいな。

ラウバーン 青魔法は、熟練するにつれ、肉体を蝕みながら、馴染んでいくだろう。だが、貴様が己の器を越えた力を得ようとしたとき、自身が破滅に導かれることを覚えておくがいい……。

えっ、嫌だ…。

ラウバーン 「過ぎたる力は身を滅ぼす」……ということだ。

ラウバーン どうすればいいか、だと?

ラウバーン くくっ……簡単なことだ。それに耐えうる肉体と力を身に付けるだけ……。器を作り替えるとは、そういうことだ。

他の人がなるんじゃなくて、己を鍛えて肉体改造するってことなんですか!筋トレ必須なの!?

ラウバーン 貴様に言ったはずだ。「敵を喰らい、奪い取って己が血肉としていくしか道はないからだ」……とな。

ラウバーン 貴様の飽くなき力への「渇望」をみせてみろ……。

青魔道士がそんな体育会系だったなんて。

ラウバーン ……我が「慧眼」に適うほどの力を、貴様の内に見出せば…………いや、少し喋りすぎたな。

ラウバーン りぃ。敵の血肉の中で、せいぜいもがくがいい。

青魔道士……業が深そうだ。