ここに同士がいるの?
何だろうこのマーク。
…ん?
??? : ほぅ……、お前が新しい……。
えっ、いつの間に!?
私は「不滅隊」のヤスフル。
ええっ!?
お母さんは!?
えっ、消えた!!!
生憎だが、お前が持ってきたそのセイレーンの涙。さして意味はない。
ぎええ!!!
後ろに現れた!
我らが試したかったのは、お前の内なる奥底に潜む、力への「渇望」。
……そう、お前の「適性」を知りたかっただけだ……。
つまり、最初に思うがままテスト受けて不合格だったから、本当は適正なしなのですね。
理不尽な要求だったにも関わらず、お前はそれを受け、やり遂げた。賞賛に値するといえよう……。
拍手してくれた。
だが、それもすべてはお前の力への渇望がゆえ……。そして私は今、そのお前の飽くなき力への望みを叶えてやれる、ただひとつの方法を知る者としてここにいる……。
ただひとつの?
無論、「代償」はいただく。お前は、大切ななにかを失うことになる。……失ったことすら、気づかぬかもしれんがな。
えっ、やだ。
しかし、それでも。我ら「青魔道士」の力を望むというなら……。
……この手を取るがいい。
青魔道士にはなりたいから、手を取っちゃうよ。
……お前のその命。……我らが「聖皇」と皇国のために……
??? : …………。ご慧眼、恐れ入ります。
私、気を失っとるがな!!!
コバルト値が低いので無理かと思いましたが、こやつは死の淵より戻ること適うたようです。
えっ、何されたの!?
??? : ふん、白々しい。心にもないことを言いおって。
貴様が移植したのだろうが?
この忌まわしき、「アーリマンの水晶体」をなっ!
眼が光った!
えっ、アーリマンの水晶体を移植?
それで「ご慧眼」の力を手に入れて、適性がある人を見抜けるようになったってこと?
ひいええええ!!
シッ、お静かに。意識が戻ったようでございます………
ううーん…。
鼓動の音が、激しい…。
ええー!?
何しとんのやー!!!
おめでとう、りぃ。これで今日から貴様も「青魔道士」だ。
ん?
名前がラウバーン。
さっきの「ご慧眼」の人は名前が???だったけど、同じ顔だよね。この場にいるし。
つまり、このラウバーンって人が「ご慧眼」の持ち主。
……だが、今のままでは、貴様は「空の器」。並の人間にさえ劣る、卑しき存在に過ぎん。
卑しき存在。
一体どんな改造されたの…。
なぜなら、青魔道士の力「青魔法」とは、敵を喰らい、奪い取って己が血肉としていくしか道はないからだ。
敵の技を覚えられるよう改造されたって事か!
貴様の飽くなき力への「渇望」を見せてみろ!
私から贈れる言葉は以上だ。
もし、貴様が本物ならば、いつの日か我が「不滅隊」への入隊を認めてやろう。
この人たちも不滅隊。研究員って感じか。
ザッハークの呪印を、施された。
青魔道士にジョブチェンジできるようになった!
ザッハークの呪印って何だよ~!
やだよー!!
ジョブは取得したけど、お話の続きがあるらしい。
占いでもいかがですか?冒険者の方ですから、お安くしますよ。ふふ。
やる。
ん?
あれ…?
ここどこ!!
貴様はもう、ここには用はないはずだが……?
ラウバーン?
めっちゃモヤモヤしてるのなんで!?
なにゆえ私の前に立つ?貴様は代償を払い、我らと同じ、青魔道士の力「青魔法」をその手にしたのだ。
ラウバーンの前に立ってな………ああ!あの占いの人と同じ顔っぽい!!
偽名使ってあそこで青魔道士候補探してたのか!
それ以上なにを望む?……「器」もない、貴様が……。
器がない?
まだ青魔法覚えてないから?
まぁ、いい。「器」など作り替えればいいことだからな。
作り変える?
素質のある他の人を青魔道士にするってことかいな。
青魔法は、熟練するにつれ、肉体を蝕みながら、馴染んでいくだろう。だが、貴様が己の器を越えた力を得ようとしたとき、自身が破滅に導かれることを覚えておくがいい……。
えっ、嫌だ…。
「過ぎたる力は身を滅ぼす」……ということだ。
どうすればいいか、だと?
くくっ……簡単なことだ。それに耐えうる肉体と力を身に付けるだけ……。器を作り替えるとは、そういうことだ。
他の人がなるんじゃなくて、己を鍛えて肉体改造するってことなんですか!筋トレ必須なの!?
貴様に言ったはずだ。「敵を喰らい、奪い取って己が血肉としていくしか道はないからだ」……とな。
貴様の飽くなき力への「渇望」をみせてみろ……。
青魔道士がそんな体育会系だったなんて。
……我が「慧眼」に適うほどの力を、貴様の内に見出せば…………いや、少し喋りすぎたな。
りぃ。敵の血肉の中で、せいぜいもがくがいい。
青魔道士……業が深そうだ。