冥闇 其の弐

白タルの散歩道

ここだって。

白タルの散歩道

ヤーガウミガ これが宵のみずかねを持っているスライムだね!

上に出るんかい!

ヤーガウミガ いこう!りぃ!

白タルの散歩道

降りてこんのかい!

ヤーガウミガ なかなか手強いスライムだったね……。

うん、まぁ、一瞬だったけどね。

ヤーガウミガ 宵のみずかねはあるかな……。
りぃ あった。

だいじなもの:宵のみずかねを手にいれた!

白タルの散歩道

ルト おかえりなさい。その様子だと、ちゃんと手に入れてきてくれたみたいね?
りぃ うん。

ルト さっそくだけど見せてもらえるかしら?

白タルの散歩道

ヤーガウミガ これが宵のみずかねで間違いないと思うよ。……ずいぶんと変わった金属だね。
ルト そうね。「鏡の伝承」に書いてあるとおりのものだわ。これを使って修復がうまくいくとよいのだけど……。

白タルの散歩道

ルト もうひとつ、探さなければならないのは、「鏡面の静けさを想起させるような泉に行くこと。澄んだ水を湛えている必要がある。」……よね?澄んだ水……ということは、水源に近い湖とかかしらね……?

なるほど。
どこだ。

ルト 心当たりのある場所を片っ端から試してみるしかないわねぇ。

パロメッタ おねぃさん!

白タルの散歩道

ルト あら?パロメッタちゃん、もう休んでなくてだいじょうぶなの?
パロメッタ うん!いっぱい眠ったからもう平気!元気だよ。

パロメッタ ヤーガウミガさん、無事に戻ってきてくれてよかった!

白タルの散歩道

パロメッタ ルトおねぃさんに聞いたのだけど、強いスライムを倒しに行ってたんでしょ?……すごいねー。
ヤーガウミガ そ、そんなことないよ。

ルト ふふっ。ヤーガウミガったら謙遜してるわね。……照れているのかしら?

私も行ったのに…。
眼中に無い…。
ヤーガウミガにだけ懐いてしまった。

白タルの散歩道

パロメッタ そうそう! あのね、ルトおねぃさんが宿屋に来たときに言っていた「黒き神」のことなんだけど……。私ね、思い出したことがあるの。
ルト まぁ。ちゃんと覚えててくれたのね?

黒き神!

白タルの散歩道

ルト ……どんなことを思い出したのかしら?
パロメッタ お父さんがいつも話してくれてたお話があるの。「黒き」って言葉が出てくるお話は、これしか知らないの。だからきっと、そうなんじゃないかなって思うんだけど……。

ルト ぜひとも聞かせてほしいわ。その、お話。
パロメッタ うん。あのね……。

白タルの散歩道

パロメッタ ふたつのかたまりが出会うとき。

パロメッタ ひとつのかたまりは黒きを感じ。ひとつのかたまりは白きを思い。

パロメッタ 大きな嵐が生まれる。

白タルの散歩道

パロメッタ 嵐は天にのぼりはじめ。ぶつかり砕け散るだろう。

パロメッタ かけらは天にまたたき。かけらは地にかがやく。

パロメッタ われらは願う。ふたつのかけらをこの手に……と。

白タルの散歩道

パロメッタ ……っていうお話なの。
ルト ……ふぅん。なるほどねぇ。
ヤーガウミガ 何かわかったのかい?

さっぱり分からん。

ルト ……気になるわ。「黒き」と「白き」というくだり……。まるで、ふたつの鏡を象徴する言葉のようにも思えるわね……。

白タルの散歩道

パロメッタ ふたつ……?
ルト ふふっ。気にしなくていいのよ。天光の鏡が失われている今となっては、考えてもしようのないことだわ。

ルト それよりも修復について、よ。今、考えなければならないのは。湖なのかしら、泉なのかしら……?わたしにはさっぱり思いつかないわ……。 その場所さえ探し出せば、必要なものはすべて揃うことになるわ。

めっちゃこっち見て言ってるぅ。