ここだって。
これが宵のみずかねを持っているスライムだね!
上に出るんかい!
いこう!りぃ!
降りてこんのかい!
なかなか手強いスライムだったね……。
うん、まぁ、一瞬だったけどね。
宵のみずかねはあるかな……。
あった。
だいじなもの:宵のみずかねを手にいれた!
おかえりなさい。その様子だと、ちゃんと手に入れてきてくれたみたいね?
うん。
さっそくだけど見せてもらえるかしら?
これが宵のみずかねで間違いないと思うよ。……ずいぶんと変わった金属だね。
そうね。「鏡の伝承」に書いてあるとおりのものだわ。これを使って修復がうまくいくとよいのだけど……。
もうひとつ、探さなければならないのは、「鏡面の静けさを想起させるような泉に行くこと。澄んだ水を湛えている必要がある。」……よね?澄んだ水……ということは、水源に近い湖とかかしらね……?
なるほど。
どこだ。
心当たりのある場所を片っ端から試してみるしかないわねぇ。
おねぃさん!
あら?パロメッタちゃん、もう休んでなくてだいじょうぶなの?
うん!いっぱい眠ったからもう平気!元気だよ。
ヤーガウミガさん、無事に戻ってきてくれてよかった!
ルトおねぃさんに聞いたのだけど、強いスライムを倒しに行ってたんでしょ?……すごいねー。
そ、そんなことないよ。
ふふっ。ヤーガウミガったら謙遜してるわね。……照れているのかしら?
私も行ったのに…。
眼中に無い…。
ヤーガウミガにだけ懐いてしまった。
そうそう! あのね、ルトおねぃさんが宿屋に来たときに言っていた「黒き神」のことなんだけど……。私ね、思い出したことがあるの。
まぁ。ちゃんと覚えててくれたのね?
黒き神!
……どんなことを思い出したのかしら?
お父さんがいつも話してくれてたお話があるの。「黒き」って言葉が出てくるお話は、これしか知らないの。だからきっと、そうなんじゃないかなって思うんだけど……。
ぜひとも聞かせてほしいわ。その、お話。
うん。あのね……。
ふたつのかたまりが出会うとき。
ひとつのかたまりは黒きを感じ。ひとつのかたまりは白きを思い。
大きな嵐が生まれる。
嵐は天にのぼりはじめ。ぶつかり砕け散るだろう。
かけらは天にまたたき。かけらは地にかがやく。
われらは願う。ふたつのかけらをこの手に……と。
……っていうお話なの。
……ふぅん。なるほどねぇ。
何かわかったのかい?
さっぱり分からん。
……気になるわ。「黒き」と「白き」というくだり……。まるで、ふたつの鏡を象徴する言葉のようにも思えるわね……。
ふたつ……?
ふふっ。気にしなくていいのよ。天光の鏡が失われている今となっては、考えてもしようのないことだわ。
それよりも修復について、よ。今、考えなければならないのは。湖なのかしら、泉なのかしら……?わたしにはさっぱり思いつかないわ……。 その場所さえ探し出せば、必要なものはすべて揃うことになるわ。
めっちゃこっち見て言ってるぅ。