フェイス・ゲッショー

りぃ どうしたー!?
ゲッショー ……。

ゲッショー ……み、水……。
りぃ 水?水ね!

りぃ お水くださいー!!

ゲッショー か、かたじけない。

ゲッショー あいや、これは浅ましきところをお見せ申した。
りぃ 大変なことにならなくてよかったよ。

ゲッショー 達者でござったか。りぃ殿。
りぃ うん。

ゲッショー 拙者、常は「やぐうどちえりぃ」の焼き菓子を茶屋にて嗜んでござるが……働けど働けど、一向に上がらぬ給金は路銀へと消え、節約せんとばかり安い揚げ魚に手を伸ばしたが運の尽き……。

まだサラヒム・センチネルで働いてるのね…。

ゲッショー 拙者の苦手な「あつぷるびねがぁ」にあたり、思わぬ失態を晒すに至った訳でござる。

脱水症状とかじゃなくて、苦手なもの食べてぶっ倒れてたんかい!

ゲッショー 社長殿の知ることとなれば、社の品格を地に貶めたとして減俸必至やもしれぬ。どうか、御同僚のよしみにて内密にしていただきたい。
りぃ 言わないよ。

ゲッショー 感謝してござる。御礼に、新しき情報をお知らせ致す。

ゲッショー つい先刻、故あって中の国へ出向いたときのことでござる。其の折、「じゅの」魔法学会にて、「ふえいす」なる新しき魔法が披露され申した。

ゲッショー 聞くに、ふえいすは東方が秘術、空蝉に似て非なるもの。此は捨て置けぬと思い、「だめもと」で馳せ参じ申したところ……「やぐうど」の身なる拙者にも、ふえいすの被験者たる資格を与え賜うたのでござる。

カラババ様みたいに問答無用で攻撃する人がいなくて良かったよ。

ゲッショー いやはや、じゅの魔法学会とはまこと分け隔てなき組合にござった。

獣人の被験体とは、むしろ大喜びだったのでは?

ゲッショー 其はさておき、りぃ殿はふえいすの使い手と聞き申した。拙者のふえいす試してみてはいかがか?
りぃ 試すでござる。

ゲッショー 拙者らの「信頼・親愛・友情」を以てすれば、分身と相見えるは必定でござろう。りぃ殿と拙者は、同じ山猫の足軽でござる。喩えるならば、同じ釜の飯を食うが如く、好を結びし同志。相違ござるまい?

ゲッショー 何より、拙者の気魂は、未だ現世にあり。りぃ殿を欺いた上、大見得を切って敗れた拙者にも、「生きよ」と示していただき申した。与え賜うた恩情は、拙者にとって、やんごとなきものでござる。この月照、生涯忘れ得ぬ……。

ゲッショー そして、やはりりぃ殿は、お強い。なしめら様……否、皇国を救いし立ち居振る舞いには、感服の極みにござった。

ゲッショー かく所縁あらば十分。りぃ殿、いざ!

りぃ うおおおおおお!

楽勝だね!

ゲッショー 分身の腕前は拙者と互角でござる。此にて、「さらひん・せんちなる」の兵力もより強まるでござろう。

ゲッショー 社長殿に次の「ぼうなす」を頼んでも善しと思わずや?
りぃ いや、なんだかんだと理由がついて借金に変わるだろうからやめておいた方がいいと思うよ…。

フェイス:ゲッショーを習得した!