天駆ける剣 其の肆

ファリワリ あ、付き人君、いいところに!さっき、連絡がありましてね。これから、ビヤーダさんがいらして前回の話の続きをしてくれるそうなんですよ!
りぃ やったぁ。

ビヤーダ 待たせたね。
ファリワリ ええ、もう!一日千秋の思いで首がダルメルのようになるところでしたよ!

ビヤーダ ……う、うん。ええと……どこまで話してたんだっけ?
ファリワリ んもう、いけずだなぁ。皇宮に赴き、諸侯が固唾を飲んで見守る中、いよいよ、聖皇さまのおな~り~!……って、とこまでです!

ビヤーダ えっ、そうだったっけ?まあ、いいや。それで、聖皇さまがね……

聖皇ナシュメラ ……ルガジーン。先の戦における、そなたの活躍わらわの耳にも入っておる……。
ルガジーン 恐悦に存じます。

ラズファード しばらく謹慎していたと聞いたが……?
ルガジーン ははっ……。

聖皇ナシュメラ ……すまぬことをした。
ルガジーン 勿体無きお言葉……。

ラズファード ルガジーン殿。貴公の活躍、なぜ陛下の御耳に入ったか分かるか?
ルガジーン 恐れながら……。

ラズファード 貴公は兵に愛されているな。嘆願書が山のように届いたのだ。

おお、すごい。

聖皇ナシュメラ ……わらわも同感ぞ。そなたは皇都を……そして、ひいてはわらわを護った最大の……

ラズファード 陛下……。
聖皇ナシュメラ ………………。

それ以上は言うなと?

ラズファード ルガジーン殿よ。勅命により、貴公を天蛇将軍に任命する。

ルガジーン !?

ラズファード その名がなにを意味しているか、貴公なら、分かるな……?
ルガジーン ……はっ。

ラズファード 皇祖ウルタラムにより、我が国存亡の危機に際してのみ設置を許された国防の全権を担う、名誉ある役目である。

国防の全権。
なるほど、だから敵地には行かずずっとアルザビ守ってるのね。

聖皇ナシュメラ ……皇国のため、そなたの命、捧げてほしい……。

ルガジーン 身に余る光栄。我が身、朽ちるまで、全身全霊、御仕え致しまする。
ラズファード たのもしい限りだ。

ラズファード そこにある大剣は陛下からの贈り物。

ラズファード 勇者バルラーンが帯びていたと伝えられる国宝の霊剣である。……そなたこそ、その所有者に相応しかろう……。
ルガジーン 私にアルゴルを?……ありがたき幸せ。

どうして大剣を立ててオートマトンが支えてんの!?

アヴゼンだ。
サムズアップした。

ルガジーン ………!!

ああ、なるほど。
そしてあの幕の向こうには、アフマウが。

前世でちょっとやってて知ってたけど、ここで初めて示唆されるのね。

…ん?
ミッションで、幕の向こうで聖皇が喋ってる時、アフマウは無手の傀儡子としてこちら側にいたけど、誰が喋ってたんだろう。影武者?

ラズファード さて、天蛇将よ。最初の任務を与える。

ラズファード 貴公も知っていよう。現在、我が国は東西に憂いを抱え古今未曾有の危機にある……。これからは、門閥や序列によらぬ、有能な将が必要となろう。

ラズファード 来るべき決戦に備え、貴公が人材を集めよ。
ルガジーン 御意。……この足で探し、この目で見、アトルガン屈指の猛者、必ず揃えて御覧にいれまする。

天さんが他の五蛇将揃えたのかぁ。
元々将軍だった人たちじゃないのね。

聖皇ナシュメラ そなたの働きに、期待しておるぞ……勇壮なる天蛇の騎士よ……。

ビヤーダ こうして、ルガジーンさまは、我が国の守護神天蛇将となられた、というわけだ。
ファリワリ なるほど~。あの若さで重職についておられるのには、そんな物語があったんですね~。

ファリワリ それで?それで?他の五蛇将の方々とは、いつ出会われたんです?
ビヤーダ うん。ルガジーンさまは、トロールとマムージャが、しばらくは戦力を回復できないことを確認すると、すぐに、東方の視察に赴かれた……。

ビヤーダ 長い間、皇国軍は西方の蛮族を見くびり、兵力のほとんどを膠着している東部戦線に張りつけていたからね。

ビヤーダ そこで、ルガジーンさまは、あの御方と出会われたのだ……。

ガダラル はは~ッ!死ねッ!死ねッ!死ねッ!

でっ、デター!!!
ガダラル!!!

ビヤーダ ……ガダラル将軍の旅団は、敵の謀略により潰走。兵を1人でも敵地から逃がそうと、将軍は敵を一手に引き受け、孤軍奮闘しておられた……。

敵が増えた!

ガダラル はァ……はァ……畜生ッ!次から次へと、烏どもめッ!

そういえば、ヤグードだ。
昔ひんがしに移住したヤグードの子孫ね。

ということは、ここはひんがしとの戦の最前線。

ガダラル クックックッ……いいだろう……まとめて、消し炭にしてやるッ!

ガダラル ファ・イ・ガ~ッ!!!!!

デター!!!

ガダラル はァ…はァ…はァ……雑魚がァ……はァ…はァ……てこずらせやがって……。

雑魚でも数が多いとそのうち押し負けてしまいそう。
MPが尽きたらやばいのでは。

ガダラル ……?

天さんだー!

ガダラル ……貴様ァ、なにもんだ?

一度も振り返らずに、気配だけでどんな人か察した?

ルガジーン 味方だっ!報せを聞いて、助けにきた。私は西の皇都から……。

ガダラル …………。

ガダラル クククククッ……ハ~ハハハッハッ~!
ルガジーン ……なんだ?

ガダラル 敵はなァ……。みんな、そう言うんだよッ!!

斬りかかったー!!

??? : ビヤーダ!!

ビヤーダ はっ、はい!

ルガジーン こんなところで、油を売っている場合ではないぞ。マムージャの偵察兵が皇都に潜入したらしいのだ。
ビヤーダ なんですって!

一大事じゃないですか!

ファリワリ ああ!!あなたが、あなたが、そのルガジーンさまっ!!想像していたよりも、ずっと凛々しく、それでいて気品も備えている!まったくもって、英雄と呼ぶに相応しい御方!

ファリワリ あなたの叙事詩、是非、わたくしに書かせてください。タイトルは、そう『天駆ける剣』!
ルガジーン な、なんだ、この者は?

いきなりこんなこと言われたら、そりゃびっくりするわ。

ルガジーン ビヤーダ。まさか、私の話を?
ビヤーダ ……も、申し訳ありません!

ビヤーダ でも、この者の付き人が、ルガジーンさまの大切なものを……。
ルガジーン おお、君たちだったのか。これは失礼をした。お許し願いたい……。

りぃ いえい……
ファリワリ そんな、いいんですよ!敵の牙城ハルブーンの険しい断崖をよじ登ったり、小山のようなトロール兵を倒したり……些細なことです。ええ、ええ、礼には及びませんとも。

なんであんたが言うんじゃ!

ルガジーン ……あの日、あの場所で教えられた、勇気と、そして慈愛の心……。このリボンは、殺伐とした戦いの日々の中、それを私に思い出させてくれる、大切なものなのだ……。

ルガジーン 君、名を聞かせてもらえないか?
りぃ りぃでっす。

ルガジーン ……よい名だ。

でへへ。

ルガジーン りぃ。感謝する……。

ファリワリ コホン……。
ルガジーン ああ、詩人どのにもな……。

まぁ、ファリワリが依頼しないと見つからなかったわけだからね。

ルガジーン 単身、敵の都に乗り込むような勇敢な傭兵と、くつわを並べて戦えること、私は誇りに思うぞ。

アトルガン黄金貨を手にいれた!
皇国軍戦績が上がった!

天さんの話終わり!
続けて他の五蛇将もいくぞ~。