
ジュノに着いたぞー。
ドドーーン!
ん?

あれは……





わぁ…。
ずっと睨み合ってるのか。
なんて数なの……

今は、こう着状態みたいだけど……このまま、降伏を待ってなだれ込むつもりかしら……?でも、これじゃあもう、あまり保ちそうにないわ……。

りぃ、急いで大公に会わなくちゃ!
うん。

この先はカムラナート大公殿下の治めるジュノ大公国である。……この状況下で何用か。

……わたくしサンドリア王国のボーレル卿、そして鉄鷹騎士団団長のラジュリーズ・B・バルマの代理で参りました。名をリリゼットと申します。こちらは従者のりぃ……。

これを……ボーレル卿の書状です。

我々は貴国の降伏をなんとか回避せんと奔走しております。どうか、ナグモラーダさまにお会いさせていただきたく……
……。

……わかりました。御助力、感謝します。どうぞ、こちらへ……。
やった。入れた。




ひどい……。
ジュノもこんなにボロボロなのか。
今頃コルモルは食料の研究してるのかな。
いや、ラススちゃんにうつつを抜かしているのか…?




……お待たせして申し訳ない。ナグモラーダ殿は、所用で出ておられる。わたくしが代理で、要件を承ろう。ジュノ親衛隊隊長の、ブランドルフだ。
はい。
ブランドルフ、ウォルフガングのお父さんだって。

ジュノの周辺はご覧になっただろう。醜態をさらすようで忍びないが……これが、現状だ。

ブランドルフさま、どうぞ、ご安心ください。わたくし、さきほどボーレル卿とともに他国を回り、援軍の要請を取り付けてきたところです。

各国とも、早急にこちらへ軍を向かわせる手筈を進めております。そのことを、ナグモラーダさまに……大公にお伝えいただき、どうか、降伏のお取り下げを!

……お心遣い、感謝する。が……
……ブランドルフさま?
要らぬ世話だ。いずれ既に決定したこと、大公のご意思は変わらん。
えぇ?

……?
まもなく、ジュノは陥落する。他国の者を巻き込むのは、本意ではない。

どうして……?
悪いことは言わぬ、早々に立ち去られよ。
こちらの話を聞きもせずですか。

なんでよ!?そんなんでいいわけ!?最後まで、がんばってみたらいいじゃない!なに諦めてんのよ、あんたたち、バカじゃないの!?
怒ったー!!



まだ今のところは穏便にいこうか…!

……我々とて!
!?
この剣折れるまで、戦い続ける所存であった。たとえ、味方が己一人となろうとも!

最後の時まで立ちあがり続けるのが、ジュノ親衛隊の誇り、そして正義である、と。そう思っていた。
なら、一緒に……

戦いましょうよ!サンドリア、それからバストゥーク、ウィンダスも、同じ気持ちなのよ?

……。
上からの命令だしねぇ…。

……リリゼット殿。それからりぃ殿。命をかけることだけが、正義ではないのだ。
?

ここで抵抗を続ければ続けるほど、兵に長きにわたる過酷な戦いを強いることになる。さすれば、我が国のみならず連合軍は日に日に疲弊し、兵、市民問わず、全世界に大変な犠牲を払うことは必至……。それこそが、実質上、ジュノの……そして、人間の未来の終焉である、と……ナグモラーダ殿は、そうおっしゃった。
……。
うーーーーん?

しかし、仮にひとたび、降伏を受け入れようとも、人々が生きていれば……それは、負けでは……終焉ではない。国などなくとも、何度でも、やり直すことができる。機を待ち、再び一矢報いることもできるやもしれん。
いやぁ~~~???

ナグモラーダ殿は、我々を集め、大公の前でそう演説なされた。そして、大公も、ご決断なさったのだ。
なんか別の理由があるなぁ、これは。
我々は、ジュノ親衛隊。カムラナート様の進退に従い、命運を共にするのが使命である。

……で、でも!いま、各国の援軍がこちらへ向かってるはずなの。せめて彼らが着くまで、降伏の調印式は待って……

……できぬ。大公のご意思は変わらぬ。
……。
……わかってくれ。我々も、苦渋の決断なのだ。

カムラナート様とナグモラーダ殿、そして側近の間で、検討がなされているのは知っていたが……。どういうわけか……こんなにも早く、上層部が降伏の空気に染まってしまうとは……
ふむ…。


……おや、客人か。
……!?
あっ、この野郎。

……ナ、ナグモラーダ殿……。他国へ、降伏の報せを届けに行かれていたのでは……?
……あ、あのナグモラーダ、さま……?お聞きいただけたでしょうか?どうか、もう暫くお待ち……

今から、降伏の調印式が、執り行われる。場所は、地下。このヘブンズブリッジの真下……

ふん、わざわざ穴倉の中に我々を呼びつけるとはな。屈辱を味わわせようという腹積もりだろう。下品な豚が考えそうなことだ。

居住区からの、人員の退避は済んでおります。
娘、徒労であったな。

……。

せめて、ジュノという国の有終を、ともに見届けようではないか。

ここでナグモラーダを捕まえた所で、調印式が止まるわけじゃないしなぁ。


……どうしよう。止められなかった……。これじゃあ、本当に、ジュノが降伏しちゃう……。

どうしたらいいの?りぃ……。
時間稼ぎしてみよっか。

……そうね。諦めちゃダメよね!各国の援軍が来るまで、なんとか、時間を稼ぐしかないわ……!調印式は地下で行われるって言ってたわよね。入口はどこかしら……?

……お嬢さん。わざわざ御足労いただいたのに、こんな結果になって、申し訳ない……。
いえっ!わたしたち、地下へ行ってみます。どうなるかわからないけど、何かできるかもしれないし……。

そうですか……。
ブランドルフかと思ったら別人だ。
テーブルの向こう側に並んでた人のひとりね。

ジュノ地下への入口はバタリア丘陵の、防壁の上にある開き戸です。
おっ。

それから、これがその扉をあけるカギ。
ウインクしたぁ!

あ、ありがとう……!
替えが必要になった時は、ここにいる、イルウィンが予備を持っています。

貴女方の熱意に、なんだか……喝を入れられた気分でした。……我々も、諦めきれん……の、です。最後の望みにかけてみたい。
おおお!
リリゼット、心動かしたよ!

ジュノの兵は、昔から頭がカタくて、意固地で、諦めが悪いのです。はははは。
ふふふ。

地下の作戦決行にあわせて、我々もこちらで、最後の攻撃を開始しましょう。ブランドルフ隊長は、なんとか我々が説得します。
わかったわ。まかせてください!
リリゼット殿、りぃ殿…………お願い申しあげます。どうかジュノに、力を貸してください。

まかせて!

よーし、りぃ。地下に乗り込んで、ひと暴れしてやりましょう。

おもしろくなってきたわ!フフ……フフフフフ………
悪い顔してるぅぅぅ!!!
だいじなもの:ハッチのカギを手にいれた!