威風凛凛

ジュノに着いたぞー。

ドドーーン!

ん?

リリゼット あれは……

わぁ…。
ずっと睨み合ってるのか。

リリゼット なんて数なの……

リリゼット 今は、こう着状態みたいだけど……このまま、降伏を待ってなだれ込むつもりかしら……?でも、これじゃあもう、あまり保ちそうにないわ……。

リリゼット りぃ、急いで大公に会わなくちゃ!
りぃ うん。

イルウィン Irwyn この先はカムラナート大公殿下の治めるジュノ大公国である。……この状況下で何用か。

リリゼット ……わたくしサンドリア王国のボーレル卿、そして鉄鷹騎士団団長のラジュリーズ・B・バルマの代理で参りました。名をリリゼットと申します。こちらは従者のりぃ……。

リリゼット これを……ボーレル卿の書状です。

リリゼット 我々は貴国の降伏をなんとか回避せんと奔走しております。どうか、ナグモラーダさまにお会いさせていただきたく……
イルウィン ……。

イルウィン ……わかりました。御助力、感謝します。どうぞ、こちらへ……。

やった。入れた。

リリゼット ひどい……。

ジュノもこんなにボロボロなのか。

今頃コルモルは食料の研究してるのかな。
いや、ラススちゃんにうつつを抜かしているのか…?

ブランドルフ ……お待たせして申し訳ない。ナグモラーダ殿は、所用で出ておられる。わたくしが代理で、要件を承ろう。ジュノ親衛隊隊長の、ブランドルフだ。
リリゼット はい。

ブランドルフ、ウォルフガングのお父さんだって。

ブランドルフ ジュノの周辺はご覧になっただろう。醜態をさらすようで忍びないが……これが、現状だ。

リリゼット ブランドルフさま、どうぞ、ご安心ください。わたくし、さきほどボーレル卿とともに他国を回り、援軍の要請を取り付けてきたところです。

リリゼット 各国とも、早急にこちらへ軍を向かわせる手筈を進めております。そのことを、ナグモラーダさまに……大公にお伝えいただき、どうか、降伏のお取り下げを!

ブランドルフ ……お心遣い、感謝する。が……
リリゼット ……ブランドルフさま?

ブランドルフ 要らぬ世話だ。いずれ既に決定したこと、大公のご意思は変わらん。

えぇ?

リリゼット ……?
ブランドルフ まもなく、ジュノは陥落する。他国の者を巻き込むのは、本意ではない。

リリゼット どうして……?
ブランドルフ 悪いことは言わぬ、早々に立ち去られよ。

こちらの話を聞きもせずですか。

リリゼット なんでよ!?そんなんでいいわけ!?最後まで、がんばってみたらいいじゃない!なに諦めてんのよ、あんたたち、バカじゃないの!?

怒ったー!!

まだ今のところは穏便にいこうか…!

ブランドルフ ……我々とて!
リリゼット !?

ブランドルフ この剣折れるまで、戦い続ける所存であった。たとえ、味方が己一人となろうとも!

ブランドルフ 最後の時まで立ちあがり続けるのが、ジュノ親衛隊の誇り、そして正義である、と。そう思っていた。

リリゼット なら、一緒に……

リリゼット 戦いましょうよ!サンドリア、それからバストゥーク、ウィンダスも、同じ気持ちなのよ?

ブランドルフ ……。

上からの命令だしねぇ…。

ブランドルフ ……リリゼット殿。それからりぃ殿。命をかけることだけが、正義ではないのだ。
リリゼット ?

ブランドルフ ここで抵抗を続ければ続けるほど、兵に長きにわたる過酷な戦いを強いることになる。さすれば、我が国のみならず連合軍は日に日に疲弊し、兵、市民問わず、全世界に大変な犠牲を払うことは必至……。それこそが、実質上、ジュノの……そして、人間の未来の終焉である、と……ナグモラーダ殿は、そうおっしゃった。
リリゼット ……。

うーーーーん?

ブランドルフ しかし、仮にひとたび、降伏を受け入れようとも、人々が生きていれば……それは、負けでは……終焉ではない。国などなくとも、何度でも、やり直すことができる。機を待ち、再び一矢報いることもできるやもしれん。

いやぁ~~~???

ブランドルフ ナグモラーダ殿は、我々を集め、大公の前でそう演説なされた。そして、大公も、ご決断なさったのだ。

なんか別の理由があるなぁ、これは。

ブランドルフ 我々は、ジュノ親衛隊。カムラナート様の進退に従い、命運を共にするのが使命である。

リリゼット ……で、でも!いま、各国の援軍がこちらへ向かってるはずなの。せめて彼らが着くまで、降伏の調印式は待って……

ブランドルフ ……できぬ。大公のご意思は変わらぬ。
リリゼット ……。

ブランドルフ ……わかってくれ。我々も、苦渋の決断なのだ。

ブランドルフ カムラナート様とナグモラーダ殿、そして側近の間で、検討がなされているのは知っていたが……。どういうわけか……こんなにも早く、上層部が降伏の空気に染まってしまうとは……

ふむ…。

ナグモラーダ ……おや、客人か。
リリゼット ……!?

あっ、この野郎。

ブランドルフ ……ナ、ナグモラーダ殿……。他国へ、降伏の報せを届けに行かれていたのでは……?

リリゼット ……あ、あのナグモラーダ、さま……?お聞きいただけたでしょうか?どうか、もう暫くお待ち……

ナグモラーダ 今から、降伏の調印式が、執り行われる。場所は、地下。このヘブンズブリッジの真下……

ナグモラーダ ふん、わざわざ穴倉の中に我々を呼びつけるとはな。屈辱を味わわせようという腹積もりだろう。下品な豚が考えそうなことだ。

ブランドルフ 居住区からの、人員の退避は済んでおります。
ナグモラーダ 娘、徒労であったな。

リリゼット ……。

ナグモラーダ せめて、ジュノという国の有終を、ともに見届けようではないか。

ここでナグモラーダを捕まえた所で、調印式が止まるわけじゃないしなぁ。

リリゼット ……どうしよう。止められなかった……。これじゃあ、本当に、ジュノが降伏しちゃう……。

リリゼット どうしたらいいの?りぃ……。
りぃ 時間稼ぎしてみよっか。

リリゼット ……そうね。諦めちゃダメよね!各国の援軍が来るまで、なんとか、時間を稼ぐしかないわ……!調印式は地下で行われるって言ってたわよね。入口はどこかしら……?

Barnabas ……お嬢さん。わざわざ御足労いただいたのに、こんな結果になって、申し訳ない……。
リリゼット いえっ!わたしたち、地下へ行ってみます。どうなるかわからないけど、何かできるかもしれないし……。

Barnabas そうですか……。

ブランドルフかと思ったら別人だ。
テーブルの向こう側に並んでた人のひとりね。

Barnabas ジュノ地下への入口はバタリア丘陵の、防壁の上にある開き戸です。

おっ。

Barnabas それから、これがその扉をあけるカギ。

ウインクしたぁ!

リリゼット あ、ありがとう……!
Barnabas 替えが必要になった時は、ここにいる、イルウィンが予備を持っています。

Barnabas 貴女方の熱意に、なんだか……喝を入れられた気分でした。……我々も、諦めきれん……の、です。最後の望みにかけてみたい。

おおお!
リリゼット、心動かしたよ!

Barnabas ジュノの兵は、昔から頭がカタくて、意固地で、諦めが悪いのです。はははは。
リリゼット ふふふ。

Lysander 地下の作戦決行にあわせて、我々もこちらで、最後の攻撃を開始しましょう。ブランドルフ隊長は、なんとか我々が説得します。
リリゼット わかったわ。まかせてください!

Barnabas リリゼット殿、りぃ殿…………お願い申しあげます。どうかジュノに、力を貸してください。

リリゼット まかせて!

リリゼット よーし、りぃ。地下に乗り込んで、ひと暴れしてやりましょう。

リリゼット おもしろくなってきたわ!フフ……フフフフフ………

悪い顔してるぅぅぅ!!!

だいじなもの:ハッチのカギを手にいれた!