終わったの…?
いや、憎悪が四散しただけに過ぎない。
なにより、俺が存在する限り奴は死なない…。いや、魂というものに死という概念はないのかもしれん。
フランマージュが「死は存在しない。魂の牢獄。」って言ってた。
デュナミスに肉体を持ったものがいない?全員魂なの?
りぃ…。完全な統合を果たす前によくぞ、よくぞここまで辿り着いてくれた…。心から礼をいう…ありがとう。
どういたしましてっ。
石の力は消え失せたが、もう俺が憎悪に取り込まれることはない。この世界を統べるモノの声を聞いたのだから…。
石の力…クリスタルのことかな。
…世界を統べるモノ?
そう。深き闇の奥底。どこともわからぬ場所に俺はいた。そして、声が聞こえた…。
??? : …石の力ニ 触レ 人の身デ 在りなガラ 人を超エシ モノヨ。 おまえノ 内よリ 生まレ 出デタ 憎悪ハ 私の世界ヲ 侵食スル。
??? : これハ おまえヲ 引き入レタ 我が過チ…。 おまえノ 憎悪ノ たメニ 私の世界ノ 秩序ハ 乱レテ しまっテ いル。
??? : おまえニ 役割ヲ 与えヨウ。 憎悪ノ 終わリガ 訪レル 刻マデ 監視せヨ。
??? : どれホド 強大ナ 力ヲ 宿そウガ 魂の欠ケタ 存在ニ デュナミスの獄カラ 抜け出ス 術ハ なイ。 …そウ 母なる光ノ 下ヘ 帰ル こトモ…
声の主がいったい何者なのか。声は応えず、そして、聞こえなくなった。
だが、俺は確信した。声の主こそ、この世界デュナミスを統べるモノだと。
デュナミスを統べるモノとかいたんだ!?
ううーん、ますます謎。
俺たちが生を受けたヴァナ・ディールという世界には人智の及びつかない力の流れが存在する。
しかも数が多い気がするのですが…。
そして、30年前。石の力に俺が触れたことで世界の流れは急速に変化している…。そう、なにかへ向かって走り出したように。
誰かが母なるクリスタルに触れることがトリガーだったのか、それとも語り部だったからなのか。
その行き着く先の未来になにが待っているのか、誰にもわからない。それがヴァナ・ディールの望む真の姿なのかどうかも。
その答えを見ることができるのは、りぃ、お前たちなのかもしれない。
生きてる人間が…ってことね。
煌く砂時計の宿す力も間もなく切れるだろう。俺は監視者としてこの世界に残らねばならない。
りぃ、己を見失わず。どんなに苦しい現実にも決して屈さぬ強さを持つ冒険者よ、さらばだ。
じゃあね。また困ったことがあったら呼んでね。
ラオグリム、いつ終わるとも知れない時間をずっとこの鬱々とした世界でひとり…?
相当きついな…。
お前たち…?
消えてなかったっ。
1人では荷が重過ぎるだろう?私でよければ、憎悪の終わりの刻とやらまで付き合ってやる。それに、闇に堕ちた祖国の光景は気持ちいいものではないしな。
理由はそれだけだ。なに、おまえが気にすることではない。
特に理由はない。ラオグリムが心配なだけなのね。
母なる光、世界を統べるモノ。その言葉をきいてから、久しく忘れていた私の探究心に火がついたようだよ。
元鼻の院の研究員…!
ラオグリム、いくら君でも1度火のついた私の探求心は消すことはできないよ。そうそう研究の片手間でよければ君の仕事にも付き合ってあげるよ、ふふふ。
ああーっ、めちゃくちゃ楽しそう!
研究員として有り余る時間は嬉しすぎるのではなかろうかっ。
そんな辛気臭い顔しなさんなって!調査隊のメンツが30年振りに揃ったんだ。
ま、今度は北の地じゃないけどさ。あたしらはもう時間には縛られないんだ。長くなりそうなあんたの仕事、手伝うにはもってこいの人材だろ?
魂が消えない世界で、魂の存在はつまり世界が存在する限り永遠だから、生身の人間より適任だね。
あんたが迷惑だっていったって引き下がる気はないから、あきらめとくれ。
さすがの貴様も今回ばかりはダメかと思ったんだがな…。ふ、しぶとさは相変わらずだな。
憎まれ口からじゃないと話しかけられないんだもんなぁ。
どうした、言葉もないか?魂とやらに死がないか、いまここで試してみるか?
貴様を裏切り!仲間であるコーネリアの命を奪い!そして、すべての事件の引き金となった男が目の前にいるんだぞ!?
自分でどうしていいか分からないから、ラオグリムに罪を裁いてほしいのか…。
すべては30年前にはじまった。そして、30年前にすでに終わったこと…。憎悪に囚われたとはいえ、俺は仲間であった全員を自ら手にかけ、その命を奪った。
ん?
北方調査から帰ってきた4人を殺したのは、ラオグリム?
フランマージュが死の間際に「お、お前は…!?なんだと!?ラオグリムの…!?」って言ってたのは、ラオグリムが…もしかして闇の王の姿で現れたから?
フランマージュを殺したのは、テュロム伯爵が雇ったアタルフォーネ盗賊団ではなかった?
ぬおお。どういうことよ。
だが、再び憎悪に囚われ闇へ堕ちようとした俺を救い出してくれたのはかつて仲間であったお前たちだ。
5人の力がなかったら、ハイドラ戦隊の証を集められなくて、ここにも来れなかったものね。
礼をいうことはあれど、非難することなど俺にはできない…。たとえそれが誰であろうとな。
結果、おたがいさま。ってことかなー。
…ラオグリム。
…本当にいいのか?声の主は「憎悪の終わりが訪れる刻まで」といった。だが、わかれた魂である俺が存在する限り憎悪が消えることがないかもしれない…。
ラオグリム。もう貴方1人で苦しむのはやめて…。私たちがここにいることが、もう答えなのよ。
犯した罪は償わなければならない。死してなお、それがこの世界の監視というのなら共に行動した私たちも一緒に償うわ。
償いで永遠に死なずにデュナミスに閉じ込められるかもしれない。って、過酷すぎるよなぁ。
戦争を巻き起こし、人間も獣人もおそらく巻き添えを食った他の生き物たちの多くの命を失わせて、世界を危機に陥れた…ついでにジラートの王子を目覚めさせて更なる危機を呼び寄せた…。
って考えると、妥当なのかしら。
憎悪の終わりが訪れる刻まで…いえ、この世界が在り続ける限り、私は貴方に。
コーネリア…。
旧裏、これで終了ー。
デュナミスが存在する理由のため、話はここまでなのかな。
新裏とかあるけど、他のストーリーらしい?
他の裏や、クエストとかで多少は補完されていくのかな。
ディアボロスが関係するらしいって教えてもらったから、そういう意味でもプロマシアが楽しみだわ!