仮面同盟 其の弐

白タルの散歩道

イルディゴルディ 前族長ロマー・ミーゴ様。私は、鼻の院の冒険者イルディゴルディ。こちらはりぃ。
りぃ こんにちは。

イルディゴルディ 私たちは、ウィンダスを訪れた罪狩りのミスラ様を探すために参りました。罪狩りのミスラ様は鼻の院が作り出した未完成の音叉を持って北の地へ消えたまま帰りません。

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イルディゴルディ その音叉は、大いなるものが眠るクリスタルへの、同調を目的としたもの。しかし、今あるほかの音叉とは違い、その力はより強力。安全性はいまだ実証されてはおらず、私たちは不安にかられています。

タルタルなのに…すごくしっかりした人だ!!!

イルディゴルディ 罪狩りのミスラ様が戻られぬのは、闇のクリスタルより出ることできなくなったのではないかと……。
ロマー・ミーゴ ……。罪狩りのミスラ様に、心配はいらん。

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ロマー・ミーゴ おまえたちタルタルに心配されることは、彼女にとっては死、それ以上の屈辱だろう。

そんなに!?

ロマー・ミーゴ 確かに北の地では鼻は効かないが、だからといって道に迷うような方ではないはずだ。
イルディゴルディ けれどももしも、罪狩りのミスラ様が帰らねば、またも鼻の院が罪を問われるのではありませんか?

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イルディゴルディ 30年前の時も、そうでした。鼻の院のイルクイル氏が、ヨー・ラブンタを連れていったがために悲劇が起きたのだと、鼻の院をなじったはず。

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イルディゴルディ そしてあなたがたは、鼻の院の者たちをカザムから排除し、カザムの門を閉ざした。
ロマー・ミーゴ ……。

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イルディゴルディ ……すいません。オレは、喧嘩を売りに来たわけではありません。オレたちは、争いたくない。せっかく、カザムと鼻の院の交流が再開した今、この良い関係を続けていきたいのです。

ウィンダスの外交、シャントット様じゃなくてイルディゴルディに任せた方がいいのでは。

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イルディゴルディ あなたは、それを望んではいないかもしれませんが……。
ロマー・ミーゴ ……。争いが必要なときもある……。

イルディゴルディ
ロマー・ミーゴ 答えの出ない問いを永久に繰り返し、道を迷うよりは……勝ち負けで答えを出すことが必要なときもな。

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ロマー・ミーゴ ……あれから30年も経ち、私の時代は終わった……。

ロマー・ミーゴは50代以上の年齢なのかな。

ロマー・ミーゴ 鼻の院もそうだろう……。おまえたち新しい者が時代を担い、新しい関係が拓かれる……。

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ロマー・ミーゴ しかし……私は、古い時代のミスラだ……。

分かっていても頷けないものがあるんだろうな。

ロマー・ミーゴ ……この迷い、勝ち負けで答えを出してもらおう。おまえたちの力で勝利したならば、おまえたちの答えに従おう。

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イルディゴルディ わかりました。それが、強きものに従うミスラの掟。オレの力で示します。

頼もしすぎる!

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ロマー・ミーゴ では……、おまえは、ユタンガ大森林の東にある滝へ行くといい……。そして……、滝へ小石を放り込めば、モンスターが現れるだろう……。それを倒してくるのだ……。

イルディゴルディにはうってつけだね。

ロマー・ミーゴ りぃとやらは……滝の見える丘の上から、その様子をその目でしかと見届けよ……。

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ロマー・ミーゴ この男が……他の冒険者の手を借りるなど、小ずるい手をつかわんようにな……。
イルディゴルディ そんなことはしません。どんなモンスターが出ようと、オレはひとりで勝利してみせます!

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イルディゴルディ りぃ、さぁ、行こう。ユタンガ大森林の東、滝の見える丘を目指してくれ。
りぃ うん。

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絶景だ~!!

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イルディゴルディ おーい!聞こえるかー!?
りぃ 聞こえるよー!

イルディゴルディ これから滝に小石を放り投げてくる。そこでよーく見てろよ!
りぃ うん。

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あっ、蜂が出てきた。

イルディゴルディ !?

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りぃ なんでこっちに来るん!?
イルディゴルディ しまった!そういうカラクリになっているのか!?

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大人気わっしょい!

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本当にもう。

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イルディゴルディ ……すまない、助けに来るのに手間取ってしまった!

いや、ずいぶん早いよ。

イルディゴルディ しかし……すでに、戦いは終わったあとみたいだな。おまえの手で倒したのか?
りぃ うん。

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イルディゴルディ ふぅ。まったく、ひやひやさせるぜ。おまえが腕のたつ冒険者で助かった。

いやいや。えっへん。

イルディゴルディ さぁ、ロマー・ミーゴのところへ行こう!こんなセコイ仕掛けをしやがって、文句のひとつも言ってやろうぜ!

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イルディゴルディ ロマー・ミーゴ前族長!オレたちは、あのモンスターに勝利したぜ!りぃの強さをなめてたようだな。あいつの勝利は、あんたに答えを示したはずだ。
ロマー・ミーゴ ……そうか、私の狩りで見事、生き残ったか。

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ロマー・ミーゴ おまえの方は、友人を助けるために間に合わなかったのは良い結果だとは言えないが……その冒険者に免じて、おまえたちの勝利を認めよう。

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イルディゴルディ やった!やったな、りぃ!
りぃ よかったねぇ。

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ロマー・ミーゴ それで……、罪狩りのミスラ……スカリーYの居場所を知りたいと言っていたな?
イルディゴルディ ああ! ここエルシモに巨大な「炎のクリスタル」があるように、北の地には、巨大な「闇のクリスタル」があるというじゃないか。

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イルディゴルディ 彼女はきっと、そこを目指したんだろうとオレたちは思ってる。
ロマー・ミーゴ その通りだ……。伝説が確かならば、あの闇のクリスタルの中で眠れる神は、もっとも目覚めに近い……。

目覚めに近い?

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ロマー・ミーゴ ……なぜなら闇の閨(ねや)で眠れる神は、はるか過去に一度、目覚めたとされるからだ……。

えっ!?

イルディゴルディ !? 眠れる神々……「大いなるもの」が目覚めたことがある……!?

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ロマー・ミーゴ そうだ……。しかしその神は、光を放つ「箱」によって再び眠りについたという。

光を浴びて…起きたんじゃなくて寝たんかーい!

ロマー・ミーゴ そして、その眠りは浅く……語るものが現れれば、その問いに答えるとか……。
イルディゴルディ そうか。だから罪狩りのミスラは、その神と語り合いに行ったというわけか?

ロマー・ミーゴ ……おそらく、そうだろう……。しかし、その神がどこに眠っているのか……、私にもわからない。

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ロマー・ミーゴ ただ……、ノーグにいる海賊たちの間に、「箱」についての興味深い昔話が残っているとか……。

光を放つ箱。

箱…。

まさか、フォミュナ水道にあった、あの白い正方形の箱?

ロマー・ミーゴ ……そういった昔話を知るは、おそらくギルガメッシュの近くにいる、老参謀カムイだろう。

いつもギルガメッシュの横にいて、全部の話聞いてるあの人か。

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ロマー・ミーゴ ハバネロ、ブラックカレー、マトントルティーヤを見張りに渡せば、話を聞くだけのことはしてくれるはずだ。

やたらと具体的だな!?

イルディゴルディ わかった。そうしてみよう。

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ロマー・ミーゴ しかし……罪狩りのミスラを、あまり深く追うことはないぞ……。罪狩りのミスラは追うは好むが、追われるは好かん。無事さえ確かめたら、すみやかに帰るがいい……。