同窓の輪 其の参

白タルの散歩道

サンニパボンニ おーうい、冒険者~!
りぃ あっ、こんにゃろ!

サンニパボンニ 助けてくれてありがと、ボクちょっと動揺しちゃった。

ちょっとどころじゃなかったよな…?

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サンニパボンニ 学生のときから、ああいう突発的な事件に弱くてさぁ。どうしていいのかわかんなくなっちゃうんだよね。

シャントット様にはまだまだまだまだほど遠いわね。

りぃ あ、そうだ。
サンニパボンニ ……え?その魔法学校のときの、ウランマフラン……?

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サンニパボンニ もちろん、覚えてるよ!そっかぁ、校長先生があの代の生徒に、アイツがまた現れたことを知らせとけって言ったんだ?
りぃ うん。

サンニパボンニ それはあれかい、警告かい?たしかに、ウランマフランのことを記憶してるボクらは、アイツにとっては邪魔だろうなぁ。

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サンニパボンニ ……でも、今さらボクらをどうこうするつもりはないと思うけどね。だって、アイツがボクらを消そうとするなら、とっくにやってるよ。

実力がちょっと抜けてるってことか。

サンニパボンニ ほら、魔法塔の地下にある闇牢でおきた事故の話、きいたことない?

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サンニパボンニ 卒業研究のペアだったウランマフランが闇の札をなくして、イルディゴルディと闇牢に閉じ込められたって事故……。

札を無くしたから扉が開かなくなって出られなくなったってこと?
だから、フエペペが「罪の意識から逃れるため~」って言ってたのか。

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サンニパボンニ 闇牢に魔力を吸い取られたイルディゴルディは……、魔法がいっさいがっさい使えない体になっちゃってさ。

あれ!?2人倒れてるじゃない!

サンニパボンニ でも、同じくらい長く閉じ込められてたウランマフランの方は、魔力を失わずに済んだんだ。
りぃ えっ…?

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サンニパボンニ みんなあんまり言わないけど、闇牢で魔力を失わなかったなんて、大天才クラスのものすごい潜在能力だってことさ!そうだろ?

ひとりが魔力枯渇するまで一緒に閉じ込められてたのに、魔力が残ってた?
それって、長い間闇牢に入れられてたのに平気で神々の書を開いたアジドマルジドと同等かそれ以上の魔力の持ち主ってこと?

サンニパボンニ だから、ウランマフランがどんな目的をもってようが、誰もアイツを止めることはできないと思うんだよね……。

確かに…。

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サンニパボンニ ……おっと、まてよ。もしそんなことになって、ウランマフランがウィンダスにやってきたら……。

みんなを倒しに?

サンニパボンニ ボクは、シャントット博士に頼りにされるかも!ウィンダスにもどらないと!
りぃ 呪いの装備つけられて強化されるのがオチだからやめときなー!!

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コルモル よし。皆に知らせてくれたな。あの頃の卒業生は、みなウランマフランのことを忘れておらんかっただろ?
りぃ うん。どうして同期だけ覚えてるの?

コルモル ウランマフランは、ウィンダスを去るときに、街の人々に自分を忘れるように暗示をかけた。が、ワシらには無駄だったのだ。

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ルクスス あのとき、校長先生が盾になってかばってくれなかったら、あたしたちもきっと、ウランマフランのことを忘れてました。
イルディゴルディ ありがとう、校長先生。
コルモル いや、ワシはもともと忘れっぽいから、忘却の魔法がかかってもかかってなくても、忘れると思ってな。ガハハ!

えっ…そういう訳だったの!?

さすが生徒想いのコルモル校長!

コルモル それで、なにかわかったか?ルクススとイルディゴルディ。

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ルクスス それが……。あの当時、手の院に勤めていた者に尋ねてみましたが、ウランマフランのことを覚えている人はいませんでした。

本当に全員に術をかけたんだねぇ。すごい。

ルクスス もちろん、アプルルたち、今の手の院の者達も何も知らないようでした。

イルディゴルディ 巨大なクリスタルの中にいる「大いなるもの」たちだけど、どうやら彼らの挑戦に勝てば、「大いなるもの」たちの力の一部が手に入るようなんだ。

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イルディゴルディ ウランマフランは、挑戦に勝った冒険者に褒美をちらつかせ、冒険者が得たその力を吸い取っているみたいだ。
コルモル ふむふむ。「大いなるもの」たちの力か!ウランマフランは、その力を何のために使う気なのか……。

ルクスス 不安です。ウランマフランは、カラハバルハさまがしたような……召喚……をしようと……?
コルモル いや、ウランマフランの力は繊細なものだからなぁ、「大いなるもの」たちを組み伏せることができるとは思えんなぁ……。

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コルモル となると、ウランマフランが手の院院長を突然しりぞいた理由と、なにか関係があるのだろうかのう?
イルディゴルディ ……校長先生、やっぱり、ウランマフランと話さないと。オレ、ウランマフランを捜しに行くよ。
ルクスス あたしは、手の院以外でもなにか手がかりがないか捜してみます。

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ん?結局、ウランマフランが手の院院長に選ばれてたのね。
ということは、アプルルちゃんの前の院長はお父さんのゾンパジッパじゃなくて、ウランマフランだった、と。

あれ?でも、前院長はゾンパジッパって言ってたよなぁ。
あ、そっか。みんなの記憶から消えてるから、無かったことになってるのね。

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コルモル ううむ。こんなことはあまり言いたくはなかったが、ウランマフランは危険な魔道士になる素質があってなぁ……。
りぃ なんと。

コルモル もしかしたら、生徒たちの身に記憶を失う以上の危険がおよぶかもしれん。そのために、おまえさんにこれを渡しとこう。
りぃ ありがと。

エボカースパッツを手にいれた!

コルモル 「大いなるもの」たちが挑戦に勝ったものへ与えた力。ウランマフランはその力を集め、何のために使う気なのか……。ウランマフランが手の院院長を突然しりぞいた理由と、なにか関係があるのだろうか?

召喚獣の力の一部だけど、集めたら計り知れないエネルギーになるよね。
一体どうなるのか…。