罪狩り 其の弐

白タルの散歩道

Alexius なに?ウィンダスの守護戦士を探している?…「しゅごせんし」とは何だ?

守護戦士って、ウィンダス国民以外には認知度低いのね。

りぃ 白い服着て、緑の弓背負ったミスラだよ。
Alexius ああ、なんだと?ミスラの狩人か。そう言わないとわからん。

すまねぇ。

Alexius それらしい狩人となら話をしたぞ。このメシューム湖周辺で、満月の晩に怪しい影を見た話をしたんだ。

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Alexius おまえにも教えてやろう。ちょっと前の満月の晩、俺は湖の南側の方で黒い影がゆらゆらと揺れているのを見たんだ。
りぃ ふむ。

Alexius 皆は笑うが、あれはどう見てもモンスターには見えなかった。獣人とはまた違う。…なんて言ったらいいのか…。

幽霊とも違うしねぇ。

Alexius とにかく、そのミスラの狩人は俺の話を信じてくれたみたいでな、調査しに湖の南側へ行ってみると言ってくれた。

南側って、ここらへんだよね。

Alexius …おまえも俺の話を真剣に聞いてくれたから、詳しく教えてやろう。ちょうど湖に川が流れ込んでいる辺りだぞ。
りぃ ありがと。

ちょっと西の方か。

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ほのかに光る粉がついている…。
どうやら、輝ける砂と同じもののようだ。

りぃ 見つけた。

粉が付いてるって、ぶつかったのかな。

セミ・ラフィーナ 君は…?ここに、何か用事があるのかしら?
りぃ あっ、探したよー。

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セミ・ラフィーナ 輝ける砂…。なるほど、ラングモント峠の騎士から預かったの?私にはよくわからないけれども、何らかの魔力を帯びているように感じるわ…。

アジドマルジドか神子さまに見せたら分かるのかな。

セミ・ラフィーナ 君、これを落とした黒い影の話も聞いたのね?
りぃ うん。

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セミ・ラフィーナ ここまでしてくれた君に礼は言うけれど、詳しく話すわけにはいかない。これは、ウィンダスの国家機密に関わること。

だよね。

セミ・ラフィーナ とにかく、この輝ける砂を持って、一度、帰国しなければ。
りぃ あ、待って。それもだけど、これも預かってるのよ。

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セミ・ラフィーナ …?なに、それは?…双子石のピアス?ペリィ・ヴァシャイ族長が私に…?
りぃ うん。あまり時間が無いって言ってたけど…。

セミ・ラフィーナ …まさか…!?

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セミ・ラフィーナ いや、私の双子石のピアスとは合わない…。

双子石のピアスって、貝合わせみたいなやつだよね。
2つに石を割るから、ピッタリ合うのはひとつしかない。
それを親子で分けて持つ。って。

…あれ?
合わないの?

セミ・ラフィーナ これはどういう意味?何の意味があって、族長は私にこれを…?
スカリーM そのピアスと、自分のピアスを交換しなさいということでは?

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セミ・ラフィーナ …!

何者っ!?

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スカリーM ウィンダスの天の塔へ仕える守護戦士セミ・ラフィーナ。それは、あなたのことで、間違いはありませんね?

スカリーM…!?
罪狩りのミスラ!

セミ・ラフィーナ …そういうおまえは?
スカリーM 私は、罪狩りのミスラ。聞いたことはありませんか?海と海を越えてその向こうにあるミスラの祖国。

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スカリーM 私は、その祖国から来ました。ウィンダスに住む部族の中に、罪人が隠まわれている可能性が高いとわかりまして。
セミ・ラフィーナ 罪人…?

スカリーM 20年前の大戦のときにある地方にいた部族の長が、大罪を犯しました。

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スカリーM その長は、この地まで逃げ延びましたが、ペリィ・ヴァシャイによって討伐されました。

討伐されるほどの大罪って、いったい何を…。

スカリーM その時、長の娘も共に死したという知らせを、私たちは受けました。20年前、この地を訪れた罪狩りのミスラがその死を確認したと…。

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スカリーM しかし、彼女は、命のともし火消える間際に自らの罪を告白したのです。「娘は生きていた」と。

えぇっ、墓までもっていけばいいのに…。
でも、嘘をついたことにずっと苦しんでいて、懺悔したかったんだろうな。

スカリーM …そこで私が来ました。その長の娘を探し出し、償われるべき罪を償わせるために。
セミ・ラフィーナ …。

ん?
罪を犯したのは親だよね。どうして子どもが償うことに?
一緒にやったのかしら。

スカリーM セミ・ラフィーナ。守護戦士とは、不思議なものだと思いませんか?

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スカリーM 戦争の孤児はことごとく本国へと送られたのに、あなたたち数人だけが他種族へと預けられた…。それは、私たち罪狩りから逃れるためではないでしょうか?

他の孤児は本国に帰ってたんだ?
ミスラの孤児はみんな守護戦士になったのかと思ってた。

スカリーM そして、天の塔にいる孤児の中で、親の記録がないのは唯一、あなただけ…。

えっ…。

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スカリーM あなたにその記憶がなくとも、狩られる罪は罪です。罪人が償いを終えない場合、その罪人の子が償わなくてはならない…。

あ、そういうシステム。
うーん、厳しいなぁ。

スカリーM 今更、ピアスを取り替えても無駄です。私たちはそのようなもので、罪人の子かどうか判断したりはしませんよ。

確かにいくらでも誤魔化せてしまうからね。

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スカリーM ひとつ教えてあげましょう。罪人には、罪人の匂いがついているのです。この虫にしかわからない、決して消えない、逃げることができない、永遠の匂いが。

そんな便利なものが!?

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スカリーM さぁ、行きなさい。王の涙虫よ…。

キラキラしたのが飛んできて………何もならなかった。

スカリーM …!?あなたには、罪人の匂いがついていない…?

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スカリーM …。失礼しました。誤ってはならない私がどこかで誤りをおかしたようです。

間違いを素直に認め謝ることができる。潔い。

セミ・ラフィーナ 待ちなさい。私が誰の子かわからないというのは…?
スカリーM それは、もはや私の問題ではありません。では。

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セミ・ラフィーナ …ウィンダスへ戻らなくては。…族長の元へ、出向いてみなければ…。