
イルキワラキさん!
あれ……?キミは……。
いったいいつまで待たせるつもりですか!もう私は心も体も限界です!今日は思い切ってオートマトンの目を盗んでここまでやってきたのです。

もはや戻れば命の保証はないでしょう!もう、後戻りはできないのです!
そ、そこまで?
さぁ、オートマトンを迎えに来ていただきますよ!

でも……ボクは……。
オートマトンを連れ戻す自信がないのですか?それなら大丈夫です!秘策があります!

えっ?秘策?
まずはナシュモの港まで来ていただきましょう。そこへ来ればすべてわかります。時間がありません。急いでください。
…………。
どんな秘策なんだろう。
しばらくの間エリザベスといたわけだから、効きそうな戦法が思い浮かんだのかな。

来てくれましたね。オートマトンも、そろそろ私を探してここに来るでしょう。
(エリーが……ここに……。)
連れて帰る気合よりも、不安が大きくなっちゃってるなぁ。

見てください。あのキキルンの群れを。
え、うん……なんか集まってるね。

前もって、私が呼び集めておいたのです。これからあそこで、オートマトンが芸をすると言って。
芸?キキルンを相手に?

そうです。貴方のオートマトンといえど、キキルン相手では、何が「ツボ」なのかわからないでしょう。そうして、オートマトンが困っているところに突きつけてやるのです。「お前の芸はその程度だ」と!

そうすれば、自分の無力さを知り、イルキワラキさんのところへ帰る気になるでしょう。
はぁ……。でも、ボクもキキルン相手に何すればいいかなんてわからないよ。
まぁ、そこは構いません。これはあくまでも、オートマトンに1人ではやっていけないことを気づかせるための作戦ですから。
なるほど。
上手くいくかしら。
そこに貴方が現れれば、オートマトンもきっと、迎えを断ることができないでしょう。

はぁ……。そんな都合良くいくかな……。そもそもエリーがキキルンなんて相手にするだろうか……。
大丈夫です。前回、あれだけ大口を叩いたのですから、挑発されれば、たとえ相手がキキルンであろうとやらないわけにはいかないでしょう。
確かに。あの性格だと引っ込みつかないよね。

(それでエリーが帰ってきたとして、本当にそれでいいんだろうか……?)
オートマトンの気持ち優先させてるなぁ。

おっ、さっそく来ました!さぁ、もう後戻りはできませんよ!
オゥ、コノヤロウ!いったいどこをほっつき歩いてやがった!
ますますお口が悪いようで。

ん……。イルキワラキ、何しに来やがった?何度来たって、オレは帰らねぇからな!
ボクは……。
いやはや、今日は貴方の芸を拝見させていただこうと思いましてね、それで皆様にも集まっていただいたんですよ。
アーン?何言ってんだ、テメー?

いやだなぁ、このあいだ言ってたじゃないですか。「客はオレの芸を楽しみにしている」、「オレは1人でもやっていける」って。だから、その芸を見ればイルキワラキさんも納得するかなと思って、呼んできてあげたんじゃないですかぁ。
とりあえずムカツクから殴っていいか?
今まで何度も殴られてるんだろうか…。

ま、まぁまぁまぁ。こんなにお客さんもいるんですし、いいチャンスだと思いませんか?
客?オマエらくらいなもんじゃねーか。
何言ってるんですか。まわりをちゃんと見てくださいよ。

まさか、このチンチクリンどものことか……?
(人のこと言えるか……!)
心の声が聞こえた!
ええ、もちろん。それとも、キキルンだと何か問題でも?

そりゃ、キキルンなんか……。
おやおや!あれだけ大口を叩いておきながら、お客を選ぶんですか?

なるほど!たしかに人のいいお客であれば、どんな芸でも喜んでくれるでしょう!なるほどね!そういう意味でしたか!

いやー、私としたことがお恥ずかしい勘違いを!ま・さ・か!そんな恥ずかしい言い訳だとは思ってもみなかったもので!

嗚呼、恥ずかしい!恥ずかしい!!恥ずかしいこと極まりない!!!
煽りが上手い!!

テメー、命は惜しくないようだな?
死…?

いいだろう。キキルンだろうがなんだろうが、みんなオレの芸の虜にしてやるよ。
乗ったァ!!

みなさーん!聞きましたかー!今から、このオートマトンがここで芸を披露するそうですよー!
テメー、タダで済むと思うなよ……。

エリー……大丈夫かな……。

よーし、オマエら、よく目に焼き付けておけよ!……って、近い! 近い!離れろオマエら!

なんた、こいつ?
からた、かたーい?
おくち、どこ?どうやて、しゃべてるるの?

ダーーーーッ!邪魔だッ!オマエら見る気あるのか!?
だーーーっ!ツォツォルンも、できるの!
おめめ、どこ?どうやて、みてるるる?
芸を開始させてもらえない…。

……見事にグダグダですね。
エリー……。

ちょっ、触るな!何がしたいんだオマエら!
なんた、このあたま?
あたま、からっぽー?
おてて、これ?どうやて、もてるるの?
…………。

おやおや、やっぱり無理ですかな?所詮、貴方の芸もその程度なのですよ。所詮貴方は、1人では何もできない、ただの思い上がったオートマトンにすぎないのです!
煽るねぇ。

…………。

……違う。エリーは……そんなんじゃない。

イルキワラキさん!?
エリー、キミは……。
やめろ。

確かにオレは何もできなかったかもしれない。だが、オマエに同情されるほど落ちぶれたつもりはない!

オマエに何ができる?オレがどうであろうと、結局オマエが何もできないからくり士であることには変わりないんだよ!

たしかにキミの言うとおり、ボクは何もできないかもしれない。

けど、エリー。キミは違う。キミは立派なオートマトンだ。何もできないなんてことはない!

今までずっと見てきたんだ。キミが何でもできることは、ボクがいちばん知っている。キミはボクの自慢なんだ。キミがどんどん成長するのが嬉しくて、ボクはからくり士を続けてるんだ。

だから、誰にもキミに「何もできない」だなんて言わせない。キミが立派なオートマトンであることは、ボクが保証する……!
イルキワラキ、ペットジョブマスターの鏡だよ。

…………。
イルキワラキさん……。

……だから、どうした。

!!

結局、何もできねーんじゃねーか。
他のからくり士はみんな必死でストリンガーで命令したりいろいろやったりしているのに、オマエは何をやっている?

オマエが一流のからくり士だなんて、笑わせるぜ。

まぁ、待ちなよ。
……どけよ。テメーもオレに何か言いたいことでもあるのか?

何を言う?
イルキワラキが一流な理由
からくり士にとって大切なものは何か
エリザベスが立派になれた理由
師匠さんは、からくり士にとって大切なもののことを話していたから、2番目かな。
何だよ。言いたいことがあるなら、さっさと言え!
からく…

ええ!言わせてもらいますとも!
ぬおお!?
貴方は大切なものが何も見えていない!

イルキワラキさんは今まで貴方のことを見てきたというのに、貴方は今まで、いったいイルキワラキさんの何を見てきたのですか!?貴方がやっている芸も、貴方がしゃべっている言葉も、すべてイルキワラキさんが教えてくれたものじゃありませんか!
イルキワラキが教えたのにどうしてこんなにお口が悪くなったのかしら…。
あ、最初からだったな。持って生まれたものは変えがたい、と。

貴方が今、手にしている力はすべて貴方のマスターが与えてくれたもの。貴方の力は、すべてイルキワラキさんの力なんですよ!それなのに、どうして「何もできない」なんて言えるんですか!イルキワラキさんは、貴方をここまで「育ててきた」んじゃないですか!
…………。

からくり士にとって、オートマトンを使役することだけがすべてではありません。オートマトンと共に歩むものが、からくり士なんです!
ストリンガーを使わないのがなんだっていうんですか。それは、命令しなくとも貴方が動いてくれると信頼していることの証じゃないですか。
ガチ説教の説得力がすごい。
女の子にオートマトンが欲しいと言われて相当勉強したんだな?

エリー、もう一度やってみようよ。
……?
今度はボクにも手伝わせてくれ。もしキキルン達を楽しませることができたら、ボクのことを認めてほしいんだ。
…………。
お願いだよ、エリー。

…………。

……わかったよ。そこまで言うなら、やってやるよ。

よーし、キキルン達!今度こそ、オートマトンのショーを始めるぞー!
おおー!



オートマトンのダンスだ。


漫才みたいのやってる?

パチパチパチパチ!

いやー、なんだか一瞬でしたね。それにしても、さすがはイルキワラキさん達ですね。まさか、今時こんな手法で来るとは、完全に予想外でしたよ。
往年の技だったのかしら。

貴方はどうでした?りぃさん。
どうだった?
おもしろかった
今のはないと思う
ミスラのシーンが良かった
なんだか、普通に「おもしろかった」だとつまんないから…
ミスラのシーンが良かった。
は?そんなシーンはありませんでしたよ?何が見えていたんですか?
やっぱり無かったですよね。
ミスラ好きだからもしかしてと思ったけど、すみませんでした。

ふぅ。久々でちょっと緊張しちゃったよ。
…………。
ん、どうしたんだい?エリー。
あ、いや……。オレもちょっと関節がギシギシしたわ。

なんだよそれ。シャマルハーン師匠じゃあるまいし。
……んー、あー。

?
……まぁ、うん。
なんだか、思ってたのと違ってすごくいい感じだったとか、すごく楽しかったとかだったのかな。

エリー。
え、うん?
アルザビへ帰ろう。
……………………ああ。

ああっ、やったーーー!!ついにこの極悪オートマトンから解放されるッ!今まで陰でポンコツ野郎とか調子こいてるとか言いながら頑張ってきた日々が報われ……


それじゃ、ボクらはそろそろ帰るよ。
!?
なんか今一瞬暗くなったけど…?
またな。
またね。
そうだ。アルザビに来ることがあったら、また立ち寄ってくれないかな。
うん。わかった。
あれ!?
ヤファーブがいなくなってる?

待ってるよ!

船乗り場入り口の所に倒れとる!!
エリザベスにぶっ飛ばされたんだな!?
ヒイイ!

やあ。来てくれたね。
おまたせ。
なんだかエリーがキミに用があるみたいだよ。

オウ、なんだかイルキワラキがいろいろ迷惑かけたって聞いてな。
いえいえ。
で、なんだ。詫びの1つも入れておかないといけないかと思ってな。こいつを受け取ってくれ。

いつのまにか持っていたものなんだが、イルキワラキが言うにはからくり士用の服らしいんで、オマエが持っていたほうがいいかと思ってな。
いつの間にか持ってた?
何故!?
しかし、なんでオートマトンのオレがそんなものを持っていたのか、イマイチ思い出せないんだよな……。
このことに関するお話がまた別にあるのかな。

ま、それじゃ、なんつーか頑張ってくれよ。じゃあな!
りぃ、本当にありがとう。感謝しているよ。また遊びにきてね。
うん。またね。
パペトリタージを手にいれた!

このお姉さんから残りのAFを作ってもらって、っと。
お姉さんの一族は代々、からくり士のルーツである傀儡師のころから人形繰りのための服を作りつづけてるんだって。
「本当は、あといくつか同じシリーズの部位があるんだけど、アタシが先代に作り方を教えてもらう前に先代いなくなっちゃってね。」
「ウチの一族でこの商売をしてるのも、アタシだけになっちゃったんで、もう新しく作ってあげることはできないのよ。」
「先代の技を全部継いだ子もいたんだけど、結局この道には進まなかったらしくてねぇ……。」
なんだって。
名前がDhima Polevhia。
回想で子どものイルキワラキの隣にいた子ミスラの名前がKuh Polevhiaで、同じ苗字なんだよね。
つまりあの子もからくり士の関係者だったんだね。
今は大人になって……もしかして、「先代の技を全部継いだ子」なのかしら。
あっ、もしかしてエリザベスがいつの間にか持ってた装備って、Kuh Polevhiaが作って持たせたとか!?
うーむ、真実はいかに。
というわけで。


からくりAF揃った~!
……帽子が微妙に似合いません。
前髪の形のせいだろうなぁ。
( ノД`)シクシク…