
…………。
わかってるよ。エリーを迎えに行かなきゃね……。

でも、やっぱりダメだよ。今のまま迎えに行っても、また同じ結果になるだけさ。エリーの言うとおりだ。ボクはエリーのように芸ができるわけじゃない、それどころか、1人では何もできやしない……。

ボクは、からくり士失格なのかもしれないな……。だって、オートマトンに認められないからくり士なんて聞いたことがないもの。師匠はどうしてこんなボクをからくり士と認めたりしたんだろう。

ボクはどうすればエリーに認められるんだろう。師匠なら何か言ってくれるだろうか……。
悩みが深くなってしまった。
師匠に相談しよう。

ヤァ、元気カイ?
おお、これはまた立派なからくり士になったものだな。ワシも負けてられんのう。
もうだまされないぞ!
このオートマトンは、この師匠が動かしてるんだ!

さて、ワシに何か聞きたいことでもあるのかね?
うん。どうして分かったの?
ははは、いやいや。いかにも何か聞きたそうな顔をしておったからな。客の表情から考えていることを読むのも仕事のうちじゃて。今回は同じからくり士のよしみじゃ。ワシが教えられることは何でも教えよう。

……ほう。なんと、イルキワラキの奴が……。しかし、からくり士がオートマトンに捨てられるとは傑作じゃのう。これは次のネタに使えそうじゃい。ははは。
ネタにするんかい!!
でもやっぱり、相当珍しいパターンなんだな?

おっと、どうすればオートマトンがイルキワラキを認めるのかを知りたいのじゃったな?
弟子の危機なんだから頼むよ。
それは簡単なことじゃ。イルキワラキはからくり士にとっていちばん大切なものを持っておる。それを教えてやればよい。
一番大切なもの?

イルキワラキの性格上、それを持っていることがオートマトンに伝わっておらんのじゃろう。それどころか、イルキワラキ自身も、自分がそれを持っていることに気づいておるまい。
大切ナモノッテ、ナァニ?
うむ。肝心の、からくり士にとっていちばん大切なものとは何か……じゃが、残念ながら誰にでも教えてやれるものではない。まずはそれを知る資格があるかどうかを判断せねばならん。本来であれば、からくり士として成長した者が自分で気づかねばならぬものじゃからな。
これがひとり芝居なのかと思うと、もやるぜ…。
バルキーンも、エリザベス程じゃないけど自分の意志で多少は動いてるのかしら?

資格を得たくば、このバルキーンの記憶板を持って、アラパゴ諸島にある「タラッカ入江」へ行くとよいだろう。
わかった。
おっと、その前にトグルスイッチも必要になるな。トロールが以前、建造物に使っておったと思うが……「ゼオルム火山」にならあるじゃろうか。
めんどぉい。

結構大変ダネ!
……ふむ。オートマトンにイルキワラキを認めさせることは簡単じゃが、そこまでの過程にえらい手間がかかりそうじゃのう……。

そこまでしてワシの弟子を手助けしたいのかね?
うん。
おじさんの人生もかかってるし…。

そうか。イルキワラキもいい弟子を持ったな。
弟子…なのかしら。
む、弟子ではないのか?まぁ、なんにせよ良いことじゃ。応援しとるぞ。
頑張レヨ!
だいじなもの:バルキーンの記憶板を手にいれた!

部品が外れている……。
だいじなもの:トグルスイッチを手にいれた!
見っけた。

次はタラッカ入江、っと。
ん?なんかいる。

古いオートマトンのようだ。
背部のスロットの蓋が開いたままになっている。
さっきの取り付けるのかな。
りぃはオートマトンにバルキーンの記憶板とトグルスイッチを取り付けた。
『……起動チェック開始……。』
おっ。
『各部接続状況確認。第3胸椎に許容値内のインピーダンスの変化を確認。続行します。』
『自律システム稼働状況、95…97…99…100%。』
『システム精査完了。起動します。』

動いたー!

本あさるとニオケル作戦内容ヲ確認。
あれ?名前がバルキーンだ。
師匠のオートマトンと同じ名前?

『作戦名称未設定』作戦目標:りぃの破壊
えっ?

標的ヲ発見。コレヨリ、作戦ヲ実行シマス。
えっ??

仕方ない倒す!
被害状況確認。白兵ニヨル損傷率……55%。対近接兵装ニ換装シマス。
…あれ?結構強いな。
被害状況確認。白兵ニヨル損傷率……51%。対近接まにゅーばヲ実行シマス。
この何%とか言ってるのは一体?

Valkengは、ストリングクリッパーを実行。→Trionに、905ダメージ。
俺はどこも悪くなどないぞ!
えっ?
Valkengは、Trionを倒した。
おっ、王子ー!!

からくりLv67で来たのにまさか負けるとは思わず無計画だったわ…。

レベルを上げて物理で倒す!!
シーフLv99で再挑戦だッ。

ふっ、チョロかったぜ。

作戦……失敗……。命令ニ従イ、記憶装置内ノ音声ヲ再生シマス。
音声?

あー、オホン。どうも、こんにちは。シャマルハーンです。
師匠さん?
見事、ワシのオートマトンに打ち勝ったようじゃな。なかなかやりおるわい。

さて、このオートマトンじゃが、これは過去に皇国軍と死者の軍団との戦いで用いられた戦闘用のオートマトン、その中でも隊長機と呼ばれておった代物じゃ。
隊長機?超高性能なのでは?
死者の軍団との戦闘ってことは、ラミアに制御乗っ取られてオートマトンを大量に失ったっていうアラパゴであったアレかな。
見た目は通常のオートマトンと同じじゃが、内部にはオルドゥーム文明の遺物を用いるなど、現在でも一般に公開されておらん技術で作られておる。今では旧式扱いになるとはいえ、戦闘能力は通常のオートマトンとは比べ物にならん。特別なことでもない限り、このオートマトンに勝利するなど考えられぬことじゃ。
えっ、ものすごい代物なのでは!?
持って帰って人形師のガッサドさんに見せてあげたい。

では、なぜこのオートマトンに勝利できたと思う?
選択肢だ。
なぜ勝利できたと思う?
2対1だったから
シャマルハーンがいなかったから
自分のオートマトンの方が強かったから
Lv99のシーフで来たからです…。
とは言えないから、
シャマルハーンがいなかったから。

うむ。正解じゃ。
やった!
と、言ってもなんと答えたのかワシには伝わってないがの。
えぇ!?
再生専用で受信してないんかい!!

じゃが、このオートマトンに勝利したということは、たとえ自分では気づいていなくとも、既にからくり士にとって一番大切なものを持っておるということじゃ。
ふむ?
続きはワシの口から伝えよう。ここまでよく頑張ったな。

話は以上じゃ。
じゃあ、持って帰…
……なおこのオートマトンは、音声再生終了後、10秒で自動的に爆発します。
え?
ピー……再生ヲ終了シマシタ。
え??

ちょ…!

うおおおお!
スパイじゃないんよー!!
ってか、貴重な遺物爆発しやがったー!!!