オートマトン 其の弐

人形のことは、人形を扱ってる人に聞きましょう。

ガッサド 何だ?「からくり人形」が欲しいだと?
りぃ うん。

ガッサド 今ここにある人形は、すべて私の研究用のものだ。無償で譲るなどできない話……
りぃ タダでとは言わないよ。

ガッサド だが、そうだな……私の研究の手伝いをする気があるなら、1体だけ、人形を譲ってやらんでもないぞ。
りぃ やったぁ。

ガッサド 私は今、人形の基礎的な技術の見直しを進めている。そのために、かつて、私が開発した人形を、集めているのだ。

ほほう。

ガッサド 人形は、出来上がったら「人形師」のもとを離れ、「からくり士」のもとへ手渡される。だから私のもとには、古い人形はひとつも残っていない……。

なるほど。
サンプル保管もしてなかったのね。

ガッサド ……この国にいると、いろいろあってな……。その頃の設計図は、今、私の手にないのだ。

え…?
国に取られたとか、そんなの?

ガッサド もし、お前が、古い人形を持ってきて、私がその調査を済ませたら……人形を改造して、最新式のものに作り変え、お前にくれてやろう。どうだ?悪くない話だと思わんか?
りぃ 乗った。

ガッサド 私が開発した人形は、おそらく「アラパゴ暗礁域」に眠っているだろう。
りぃ アラパゴに?

ガッサド かつてラミア討伐のため、アラパゴ暗礁域に武装した人形を兵士として実戦投入した作戦が展開されたことがあった。人形兵はラミアどもに操作を乗っ取られてしまい、その作戦は失敗したがな……。

人形を?
魅了の応用で操作系統をぶんどるみたいなことかしら。

ガッサド おそらくそこには今でも、その時の人形の残骸がゴロゴロしているだろう。そこでなら、古い人形が見つけられるかもしれん。この話にのる気があるのなら、そこで古い人形を探してくるといいだろう。
りぃ わかった。

すぐに見つけたぞーい。

だいじなもの:古びたからくり人形を手にいれた!

ガッサド ほほう。これはまた、ずいぶんと古い人形を拾ってきたな……そのほうが、私の研究に都合がよい。

ガッサド わかった。これを、引き取ることにしよう。調査と改造には、しばらく時間がかかる……

どのくらいだろう。

ガッサド だが、お前は人形を持つのを心待ちにしているようだ。なるべく早く仕上げよう。楽しみにしてるとよいだろう。

~ ヴァナ・ディール翌日 ~

ガッサド ……待たせたな。ほら、こいつが約束の人形だ。最新式に改造しておいた。
りぃ やったー!ありがとう。

ガッサド これは、初期型の人形だった。調べているうちに、いろいろと思い出すことができた。おかげで、私の研究も次のステップへ進めそうだ。

よかった。

ガッサド 捨てられていたとはいえ、これからは、お前の「からくり人形」だ。丁寧に、扱ってほしいものだな。

最近作ったやつじゃなくて、拾って来たやつの改良型なのね。

オートマトン …………

イルキワラキ ……またキミかい。今度は何の用だい?
りぃ じゃじゃーん。

イルキワラキ ……これは?まさか本当に人形を連れてきたのかい!?
りぃ うん。

イルキワラキ これをボクに……?
りぃ うん。

イルキワラキ …………

イルキワラキ …………。

イルキワラキ ……いや、ボクにはこいつを受け取ることはできないよ。
りぃ どうして?

イルキワラキ これでもちょっと前まで一流のからくり士と呼ばれていたんだ。この人形はキミのもの以外にはなりえない、見れば分かる……。
りぃ え?

イルキワラキ そう、ボクの人形もアイツ以外にはありえないんだ……。

失った人形って、今どこにあるんだろう。
壊れた状態でも手元にすらないって、消滅してしまったのかしら。

イルキワラキ ……え?それじゃ困るって?ああ、そういえば人形がいないとからくり士の話はできないとか言ったっけね。
りぃ うん。

イルキワラキ あれは適当にあしらっただけだよ。
りぃ ええー。

イルキワラキ あ、でも耳と尻尾を抜きにミスラの良さは語れないと言ったのは本気さ!

承知しております。

イルキワラキ そもそもキミはからくり士の何について聞きたかったんだい?それとも、ゴブリンのマスクの下の素顔について聞きたかったのかい?

!!
両方!!

イルキワラキ あれはね……あれ?違うの?
りぃ 違うけど違うくない!

両方教えて!!

イルキワラキ ……からくり士になるにはどうすればいいか?何を言っとるのかね、キミは?キミはすでに立派なからくり士じゃないか。
りぃ え?

イルキワラキ 思いのこもった自分だけの人形を持っている。それが、からくり士の証さ!
りぃ でも動かし方分かんないよ。

イルキワラキ え、シャマルハーン師匠に「からくり士じゃないと人形は操作できない」って言われたって?あの人もボクに負けず劣らず適当なことを言う人だからな……。

くっ…似た者師弟か!

イルキワラキ まあ、でも、そうだね。からくり士の思いが人形に伝わらないと人形は動かないよ。

イルキワラキ えーと……あ、あったあった。これこれ。この操作棒を持って……ほら、そこを押してみ?

りぃ ぽちっとな。

イルキワラキ ほら!思いが伝わった!
りぃ オートマトンが立ったー!!

イルキワラキ その調子で人形とコミュニケーションをとっていけば、人形もそれに応えて成長してくれるよ!

そうなんだ。

イルキワラキ とりあえず、この操作棒、「ストリンガー」っていうんだけど、こいつで命令することから始めるといいよ!

イルキワラキ あ、そうだ!名前をつけてやらないとね。キミの人形なんだから、キミがつけるんだよ!

名前かぁ。
飛竜もあの頃の一般的な名前のみかんたんにしたから、オートマトンも多かった気がするつくしちゃんにしよう。

イルキワラキ それじゃ、がんばってね!応援してるよ!
りぃ うん。ありがとう。

よろしくね。つくし。

オートマトンに名前をつけた!
からくり士にジョブチェンジできるようになった!
ストリンガーを手にいれた!

あれ?
結局イルキワラキのオートマトンの問題は解決してないけど……それはまた別のお話なのかな?