この池らしいけど…。
あっ、いた!
…こうして見ると草でっかいな!?
あれ、ビルバートさん、どこへ行ったの?
あ、こんなところにいたの、ビルバートさん。突然いなくなっちゃうんだもん。…ビルバートさん!?
わあああ!偶然だねぇ!2人もここに釣りに来たのかなー!!?
それ以上、こっちに来るな!この子が2つに分かれるのを見たくはないだろう?
やっぱりばれてたなっ。
ビルバートさん、何を言ってるの?
フッ、子供は知らなくていい大人の事情があってね…。
もう隠してないな。
こうなると何をするか分からない…。
げっ!
オーク呼んでる!
さぁ、その手紙をこちらに渡してもらおうか。そうすれば子供は助けてやろう。
この位置じゃ助けようもないから従うしかない…。
フッ、利口だな。あいつが弱気になって、すべてを話すと言いはじめたもんだから、いろいろと面倒だったよ。こんなものが残っていたとはね。死んでからも手を焼かせるよ…。
えっ、じゃあその手紙に書いてあることは?
残念ながらすべて本当さ。どうせ、今日・明日にでもサンドリアが滅びかねないなんていうようなでかい情報じゃないしな。ちょっとした小遣い稼ぎのつもりさ。
そ、そんな…。信じられないよ…。
信じてもらわなくて結構。どうせ君にも眠ってもらうことになるんだ。もう少し遊びたかったよ、アイルベーシュ。君は隊長の息子だからいろいろと話が聞けたしね。
だから仲良くしてたのか。
子供は助けるって言ったでしょう。
おっと…。約束が違うって?フッ、君も案外甘いな。
ウゥッ。
アイルベーシュ!!
ん?
!!!
なるほど…。そういうことだったのか。
お父さん!
あなたが気づいてしまったのは予想外だった…。あなたにはずっとボンクラのままでいてもらった方がこちらにとっては都合がよかったんだが。
知らせておいてよかった!!
誇りをなくした騎士に剣を握る資格はない。今なら禁固刑ですむだろう、罪を償う気がお前にあるのならば。
フン、僕にその気がなければどうするっていうんだ?あんたの腕で僕が斬れるのか、隊長?そんななまくらで、僕のこの鎧が斬れるとでも?
確かに親父のよりもビルバートの装備の方が遥かに立派に見える…。
う…!
怯むんかい!!
お前にはこの剣で十分だとかかっこよく決めてよ!
お父さん、これ!
これは…!
うん、お父さんの、昔の剣だよ。
オルデール砥石で頑張って磨いたあの剣?
釣りしに来たのにこんなところまで持ってきたんかい!!
明らかに邪魔ダロウ!
お父さんは、お前みたいな悪者なんかに負けるもんか、絶対!
ハハハ!こいつはいい。チビ、戦いっていうのはな、より強い武器を身につけた、より腕の立つ方が勝つんだよ、必ずな。
ちがう!
ちがう?じゃあ、どんな人間が勝つというんだ?
正しい者が勝つんだ!
……。
アイルベーシュ、君がこの中で一番立派なナイトだよ。
ククク…、ハハハハ!なるほど、な。じゃあ、今から証明してやるから、その目でしっかり確かめろ。誰が正しくて、誰が悪者なのか、な。
さがっていなさい、アイルベーシュ。
一騎打ち…!
これで終わったと思うな。すでに計画は完了…して…、いる。
計画が完了…?
何の…?
お父さん…!!
さぁ、帰ろう。もうこんな危険なところに絶対に1人で来るんじゃないぞ。
ひとりで来たわけじゃなくて、その時までいい人演じてたビルバートと来たんだよぉ。
株は上がったけど、まだちょっとずれてるぞ。親父。
すまない、うちの部隊の不祥事に君まで巻き込んでしまった。このことはすべてトリオン様に報告せねばな…。
いや、アイルベーシュが無事でよかったよ。本当に…。
しかし、エグゾロッシュ、本当は本当に強かったのね。