キラキラと光る石がある。
これが星くず石かな。
ん?
うわぁ、きれい。光る石って、本当にあったのね。ひとつ持って帰ろう!
なぁに?さっきから、じっとこっち見て。サインなら、お断りよ。
サイン?
えっ、わたしのこと、知らないの?
有名人なのかな。
ま、いいけどね。わたし、ダンスはもうやめるつもりだし。今日も練習、サボってきちゃったの。
ダンスやってるの。
くる日もくる日もダンスばかりの毎日……。わたし、本当にダンスが好きなのかどうかわからなくなっちゃった……。
ああ、そっか…。
本当に本気で取り組んでるのね。
最初はイヤじゃなかったのにな。わたしが踊ると、お父さまもお母さまも喜んでくれて……。
わたしにとって、ダンスってなんなのかしら……?
何と声をかけていいか分かんないな…。
……?
過去ロンフォールの音楽が聞こえてきた。
不思議な笛の音……こんな素敵な音色、聴いたことないわ……。なんだろう、この気持ち……。胸が熱くなってくる……。
身体じゅうが笛の音で満たされていくみたい。
おおっ、自然と踊りだした!
ダンスがこんなに楽しいものだったなんてわたし、今まで気づかなかったわ……。
とっても上手だった!
あなたは幸運ね。わたしのダンスなんて、めったに見られないのよ。
そうなんだ。
さっきの笛の人、どこかに行っちゃったのかしら。あの笛の音、もういちど聴かせてほしいな……。
どこで吹いてたんだろうね?
近くにはいただろうけど。
お嬢さま~!!
フェロール!
使用人?
お金持ちのおうちの子なんだ。
ご、ご無事でなによりです。お嬢さまの身にもしものことがあったら、このフェロール……
まったく、どこの世界に主人とはぐれる護衛がいるのよ!
も、申し訳ございません!!フェロール、一生の不覚でございます!!
とんでもねぇ顔しとる!
……まあ、いいわ。あなたには、感謝しなくちゃね。
……と、いいますと?
実はわたし、ダンスが嫌いになりかけてたの。「石が見たい」なんて言いだしたのも練習を抜けだしたかったから。あなたがこっそり連れだしてくれなかったら、わたしとても大切なものを捨ててしまうところだった……。
フェロール、わたし、ダンスをもう一度がんばってみるわ。
お、お嬢さま……!!このフェロール、お嬢さまのダンスを生涯見届けますぞ!
おおお、よかった!
さ、お屋敷に戻りましょう!
あの子はきっと、子ども時代のライラね。
だいじなもの:星くず石を手にいれた!
なんだ、またあんたかい。星くず石を持ってきたって?そんなバカな話が……
!! これはたしかに星くず石!あんた、いったいどうやってこれを……
20年前に行って取ってきましたとは言えない…。
ああ、そんなことよりこいつを持ってこられちまったってことは、あんたを仲間に入れてやらなきゃいけないってことかい!?
そうだよ!
……はぁ。まったく、しょうがないね。私の負けだ。入団を認めてやるよ。
やったぁ!
実は、私は別に星くず石をひとつ、持っているんだ。とっくの昔に光は消えてしまっているけどね。
メシューム湖から持ち出したら消えちゃうのかしら。
この石を見てるとあの日のことを思い出すんだ。私がダンスの楽しさに気づいた日のことをね……。
やっぱりあの子がライラかぁ。
いままでダンスを続けてこれたのはそのときに聴いた笛の音のおかげ……。
……ん?
そういえば、あのときあんたによく似た人が……。
記憶力良すぎぃ!!!
……そんなわけ、ないか。
ナイヨ。
さて、入団の前に教えておくよ。わが舞踏団のダンスはそこらの踊りとはキレが違うだろ?それは「クリークタンツ」と呼ばれる、バストゥーク伝統の実戦的な武踊を基にしているからなのさ。
へぇ~。
もっとも、私たちの舞踏団はその身ごなしだけを応用して「魅せる」ダンスに昇華させているんだけどね。だから、私たちと一緒に踊りたいなら、まずは武踊の基礎を身につけてもらわなきゃ。
クリークタンツを覚えないとブリリオート舞踏団の踊りは踊れないのね。
レア!いまからこの新人をかるく鍛えてやんな!
軽く?
そんなすぐに覚えられるの?
ドカッ!
バキッ!
ドシャッ!
ドゥギャーーン!!
ぎゃぼーーーー!?
さあ、これであんたの身体に武踊の基本動作は叩きこんでやった。
ぜえはあ。
ほら、ぼけっとしてないであとは自分で特訓しておいで!早く私たちに追いついてもらわなきゃ、困るよ!
踊り子にジョブチェンジできるようになった!
だいじなもの:ジョブエモーション:踊り子を手にいれた!