やった!お姉さん。みてみて、これ!
早速見つけとる!
もしかして才能アリなのか!?
僕も、コルセアになったらまた兄ちゃんがいなくなっても1人で捜しに行って助けるんだ!
これは、コルセアの銃?
あれ、ちょっとまって……。
むこうから話し声が聞こえるけど……。
声が?
耳もすごく良いのか!?
だいじなもの:古びたヘキサガンを手にいれた!
えっ、このでっかい岩で入り口を偽装してるっぽい中から声が聞こえた…?
あ、入る前だったのかしら。
いたわ。
全然隠れてない!!!!!
どうして!
既に見つかってるだろうこれ!!
ねえ……。あの大きな人、さっき会った「海猫党」のガルカとそっくりだね。
本当だ。
待って……一緒にいるのは……白門にいた軍の人だ!
あれ?
そういえばあのガルカ、白門でもあの軍の人と一緒にいたよね。
二重スパイ?
ねぇ、内通者って……。
あのガルカだろうね。
よし、お姉さん、2人を捕まえて、クルタダに……。
足!足ー!!
おや、小ネズミが話を聞いていたようだ……。
盛大な驚き。
お友達かね? ゴワム。
ああ……、ガキはコルセアの身内、もう1人は冒険者らしい。
何されるか分からないからこの子を逃がさねば!
乱撃の音!
あっふ。
やられてしまった。強かったんかこの人…。
ん?乱撃?
コルセアじゃないのか!
坊や、前途有望なアトルガン皇国の少年がコルセアなんかと、関わってはいけないよ。
そうだ、軍の人なんだから罪のない一般市民に害をなすことは無かったのでは?
まあ、どのみち……。
見られた以上、生きて帰すわけにもいかんのだが。
なんてこった!!
子ども相手に!
無駄な抵抗はよせ。すぐ、また兄さんにも会えるんだ。
あの世でってことですね。
今頃、俺の偽情報に踊らされ、マムークの前で一網打尽だろうからな!
き、き、汚いぞ!おまえ、なんで裏切ったりするんだよ!
俺は元々バストア海の海賊だ。コルセアには何の恩も仁義もないんだよ。より得する方に、手のひらを返すだけさ。
ひえ。
おしゃべりはそのくらいにしろ。
あの銃!
めちゃくちゃ震えてるけど、すごい勇気だぞ!
じゃあな、坊主。恨むならコルセアを恨めよ。
トリガー引いてるけど弾が出ないっ!
ああーっ!
銃声!
な、なに!?
デター!!
まったく。命知らずなガキ共だ。
クルタダだ!!
どういうことだ、ゴワム!
な、なぜここに!?不滅隊を追っていったはずでは……!?
裏の裏をかくのはゲームの基本だぜ?
私たちをタラッカ入江に寄こしたのも、作戦のうちだった!?
ゴワム、幾らで買われたか知らねえが金ごときで動くなんざ、バストアの海賊は安いもんだなあ、おい。
くっ……!
おっと、下手に動かない方がいい。お前達が得意気に高説をたれてる間に、周囲にトラップを仕掛けさせてもらった。俺があと数発、弾を撃てば、引火して、お前らの周りだけ……ドカンだ。
えっ、ほんとに!?
いつのまにそんな……インビジかけてやってたのかしら。
なっ、いつの間に……。
さあ、どうする?
と、ともかく助かった。
ひぃぃ。
くそっ……。
……コルセアども!決着はまた今度だ!
逃げるわけじゃないからな!
見事な捨て台詞!!
えっ。
結局撃つんかーい!
デジョンで逃げた。
めちゃくちゃ爆発しとる。
派手好きなんだな!?
……逃がすのか?
いいじゃないか。別に連中の首を取りにきた訳じゃない。
まったく、甘いな。ガキ連れてると、これだから嫌なんだ。
子どもがいるから戦闘シーン見せないように手加減したってこと?
あ……。えっと、あの、これ。見つけました!
ムティーブの弟のワスード……だったか?それから冒険者のお前……。
ふたりとも、なかなかいい働きだったぜ。
撹乱要因ですね…。
それじゃあ、あ、あの。ぼく。コ、コルセアにしてもらえますか?
もちろんだとも。
やった!
えっ、本当に!?
危なすぎない!!?
……よし、ワスード。これより極秘司令を伝える!
イ、イエッサーッ!
お前はアルザビに潜入、命令あるまで待機だ。
なんと。そうきたか。
えーーーー!つまんないですーー!僕も煙幕とか投げたいですーー!
まぁ、そりゃそうだよね。
ちっちっ。わかってねえなあ。これほど重要な任務はないんだぜ?
えぇっ!?
俺達はなんていってもお尋ね者、日の下を堂々と歩けやしない。まして街中に滞在するなんて、命がいくつあっても足りないほどだ。
そんなに悪いことしてるの?
滅亡前のコルセアがすごいことやってたとか、目を付けられてるとかかしら。
でも、お前がアルザビにいていつも街の様子を見ててくれたらどうだ?いざって時に、いつでも我が海猫党は、皇都の情報を得ることができるだろう?この任務はとても重要だ。お前にしかできないな。
説得の仕方がスマートすぎる!!
わ、わかりました!
よし!それからコルセアはなんといっても日ごろの訓練が大事だ。
ちゃんと親父さんの手伝いをして足腰を鍛えておくんだぞ。
はい!
子どもの扱いが上手すぎる!
7人兄弟の長男とかなの!?
大人相手でも扱い上手いんだろうな。
なるほどこれがコルセアのリーダー…。
さて、後はお前さんだ……。中の国の冒険者で、いまは皇国の傭兵……。
うん。
だが……。ふむ、他の連中とはちょっと違うようだな。
うん?
クルタダ、私は反対だよ。余所者はもうコリゴリだ。
まあそう言うなよ。勝負師のカンってやつだ。おもしろいことになりそうな気がするぜ?
平穏に暮らしたいです。
そうだな、これを……。受け取れよ。それがお前がコルセアである証だ。
ありがとっ。
ただのダイスじゃねぇぜ。俺達コルセアは、時に運を天に任せ、こいつにすべてを託すんだ。そのコルセアのダイスってのは基本的に、てめえにしか意味のねえものだ。
だが、他のダイスは違う。がんばって、手に入れるんだな。そうすりゃ、コルセアにとってもっとも大切なことが何か、お前にもわかるだろう。
ふむ。
よく分からんけど分かった。
登りつめてこい、高みまでな。楽しみにしてるぜ。
さて、吉と出るか凶と出るか。ふふ、久々に熱くなれそうな賭けだ……。
コルセアのダイスを手にいれた!
コルセアにジョブチェンジできるようになった!
やあ、あんたか。ずいぶんとワスードが世話になったようだな。ありがとう。どういう訳か、あいつ、あれからワガママを言わなくなったんだ。
おおっ。
店の手伝いもよくするようになったし……。
はは、何かいいことでもあったんだろうなあ。
すごい。
少年にはヒーローの言葉は絶大ね。
この調子なら、そのうち本当にコルセアになれるかも。
がんばれ。