アトルガンの守護者 其の壱

ダンッ!

ナジャ・サラヒム アブクーバ!

ナジャ・サラヒム まだ見つからないのかい!ウチの傭兵の管理はいったいどうなってんだ!
アブクーバ は、はいー。ファルズンさんが捜索中ですー。

ダンッ!

ナジャ・サラヒム これじゃウチの信用問題だよ。
アブクーバ は、はいぃぃ!すみません。(僕に八つ当たりしないでくださいー。)

ナジャ・サラヒム いっそのこと、りぃの首に賞金でも懸けて……。

えぇ!?

アブクーバ しゃ、社長……。(めっ、目が本気です~。)

ほいほい。

アブクーバ あっーーー!りぃさん!!!
りぃ ん?

ダンッ!

ナジャ・サラヒム りぃ!今までどこほっつき歩いてた!

ダンッ!

ナジャ・サラヒム このスットコドッコイ!

ダンッ!

ナジャ・サラヒム 恩知らず!!

ダンッ!

ナジャ・サラヒム アホ面!!!

ひ、ひどいっ!

アブクーバ (そっそこまで言わなくても……。)

ナジャ・サラヒム 皇宮からあんたのご指名が来ているんだ!ただちに皇宮に行ってきな!

えっ、なんで?

ナジャ・サラヒム そ・れ・と・も……あたいの相棒をどたまに食らいたいのかい!?わかったら、駆け足で行ってきな!!
りぃ ひぃえ~。

あっ。
Tシャツで来ちゃってごめんなさい…。

ナシュメラ りぃ。よく来てくださいました。……あなたを再びお呼び立てしたのには訳があるのです。少しばかり、お話の時間をいただけますか?
りぃ うん。

ナシュメラ ガッサド。お願いします。

ガッサド 「機関巨人」を覚えているか?いまはナイズル島に厳重保管されている。
りぃ もちろん。

ガッサド ならば話が早い。……もっともアレを忘れることなどできまい。

ガッサド 厳重保管とはいっても、アレは「当時の状態のまま置かれている」が正しい。他には、調査用の計器が置かれた程度だ。

触らない方が良さそうよねぇ。

ガッサド 時空の歪。ウィンダス連邦の特使がいっていた言葉では……「アストラルゲート」か。

ガッサド 数値上、安定化していたのだが最近になり異常値が観測されはじめたのだ。定期的に伸縮を繰り返しつつ僅かずつではあるが、歪は広がっている……。

あら。

ガッサド 分析からわかったことは時空の歪の「向こう側」から「こちら側」へ正体不明のエネルギーが干渉をしている。……おおよそ察しはつくだろうが、この正体不明のエネルギーはあの日、機関巨人に降臨した、神……アレキサンダー。

こっちに来ようとしてるってこと?

ガッサド とみて、まず間違いないだろう。機関巨人は動かずとも、いまだ「寄り代」である。ということだな。

憶測かい。

ガッサド 皇国領土内にて観測されている時空の歪は2つある。1つはいま話したナイズル島。そして、ハザルム試験場……知っているな?
りぃ うん。

ガッサド ハザルムの現状からもわかるだろうが、時空の歪を塞ぐ手立てはいまの我らにはない。……悔しいがね。

ヴァナ・ディールと大いなるものの世界の狭間かぁ。

あ、6属性の召喚獣の所みたいにプロトクリスタルでキュッとできないかな?
プロトクリスタルがどうやってできたのか全然知らないけど。

あれ?そういえば、オーディンのプロトクリスタルは割れてたけど、アレキサンダーのは?どこにあるんだろう。

ガッサド だが、このまま放っておけば歪はさらに広がり続け、最終的に何が起こるか現状では予測がつかない。
ナシュメラ 最悪、あの日起こったことをわらわたちは、再び目にすることになるでしょう。……それだけは避けねばなりません。

審判の光連発?

空に打ち上がりたがってたから、皇国が望まなくても空からヴァナ・ディールを壊したいのかなぁ。

ナシュメラ 危険な方法ではありますが機関巨人を修復し、再起動させます。
ガッサド そのままの意味で取らないでくれ。寄り代として不完全な状態であることが前提だ。

どういうこと?

ガッサド こちら側から干渉し、向こう側からの干渉を相殺する……いや、この場合は押し返すが正しいだろうか。簡単にいえば、あの日の再現に近い。

モグラたたきみたいにボコっと殴って穴の向こうに飛んでいけ。ってするってことね。

ガッサド そこで、りぃ。お前には再起動後の機関巨人停止の任についてほしいのだ。最初にも言ったとおり歪を完全に塞ぐことはできない。だが、蓋をすることくらいならできる。

ガッサド 力ずくではあるがね。修復作業は中の国の特使ら立ち会いの元に行う。もちろん再起動もだ。

おお、中の国に声をかけるんだ?

ナシュメラ そのためには中の国である四国の承諾を得る必要があるのです。ナイズル島の機関巨人の脅威を各国の要人に伝えてもらえますか……?
りぃ うん。行ってくるよ。

ナシュメラ りぃ。ありがとう……。

機関巨人については戴冠式の時に色々話したから、約束を守るのね。

ナシュメラ ガッサド。

ガッサド これが書状だ。現在、皇国が置かれている状況とナイズル島の機関巨人に関する詳細なデータも認めてある。

ナシュメラ それを持ち、まずはジュノへ。りぃ、苦労をかけますがどうかよろしくお願いします……。
りぃ うん。