クピピどのから少しばかり噂を仕入れましたよ。どうやらあなたは、とても恐ろしい目にあわされたようですね。
そうなのよ。大変だったのよ。
そんなあなたに、目の院から少々気楽なミッションが出ています。書庫掃除ということですから、まず大事にはいたらないことでしょう。
えっ、本当?やったあ!
ただ、ランク7の冒険者を募ったということは、それ相応の覚悟が必要…という可能性もなくはないですが。
うっ…。
まさか、ハリガオリガが言ってた、ウワサの血を吸う書物が出てきてそれをどうにかしろとか、そういう話!?
イヤー!!
目の院の院長はトスカポリカね。
頻繁にムムムッ。って言うから、前に依頼を受けた時の受け答えを全部ムでやったことがあるのよね。うん。
ムゥ。ムムムムゥ。ムムムムムムムム…ムゥ!
今日も絶好調ね!?
これ誇張してないからね。本当に言ってるからね!
…ム!?キミは、以前に私が出したあのミッションを解決した冒険者だな?
はいそうです。
ムムム…。実はな、今回キミを呼ぶためにゲートハウスへ出したミッションの内容は、真っ赤な偽りなのだ。
えっ、ウワサの血を吸う書物の討伐ですらないの!?
アジドマルジドのこともあり守護戦士がミッションの内容に目を光らせているようなのでな、こうするほかなかった…。
なるほど…。
…さて、ところでキミは、前回、私が出したミッションを覚えているかね?戦後20年もの間、所在がつかめなかった「神々の書」…。それを泥棒ミスラの手から取り戻してもらった件だ。
もちろん。
あの時、アジドマルジドに奪われた「神々の書」は、あの後、ヤツ自身の手によって神子さまのもとへ届けられたそうだ。
そして先日…。神子さまは、私を天の塔へとお呼びになり、「神々の書」を私に手渡された。
ふむふむ。
神子さまはこれを封印図書として二度と日の目に当たらぬように…と命じられた。
…ムムムムゥ…。そう命じられたからには、そうせねばならん!しかし、しかし、やはり、それだけはできん!
えっ、どうして?
我が元に返ってきた神々の書は、やはり白紙だったのだ!この事実から目をそらすことはできぬ!目の院は、その名の通りウィンダスの目!
真実に目をむけねば、目の院院長として皆に顔向けできぬ…。
立派だよトスカポリカ。
そこでだ。冒険者よ、ここから先は、他言無用で願いたい。決して、誰にももらしてはならぬことだ。
ひえ。
私がまだ書士だったころ、その当時の院長……カラハバルハ院長から「神々の書」について話を聞いたことがある。
「神々の書」とはな、初代の神子さまが残した「真実の歴史書」のこと。初代の神子さまの後に続く、代々の神子さまのために書かれたもの…。
真実の歴史書…。
ということは、今語られている歴史は偽りの部分がある。ってことなのね。
そして、その書に書かれた内容は「真実であるがゆえに危険なもの」であると、代々の院長に伝えられてきたのだという。
一体何が書かれてるんだろう?
だから、「神々の書」は強力な魔力によって封印されており、その書を開くためには、多大なる魔力と、神子さまの胸にある「まがつみの星」を必要とするそうだ。
あの大きな玉、そんなに重要なものだったんだ!?
…カラハバルハ院長は神子さまをどう説得したのかわからぬが、「神々の書」を開く許しを得た。
あっ、このカラハバルハ半透明だよ!?
院長は、書の封印を解くためにホルトト遺跡の魔法塔の魔力を使い…
…そして、「神々の書」から、なんらかの真実を知った。「真実であるがゆえに危険なもの」を。
なんだろう?
完全召喚のやり方?
いや、それすらも「真実であるがゆえに危険なもの」に付随して分かっただけの可能性も?
そして、彼が研究を行ったのが、トライマライ水路の奥にある研究室…。
いわゆる、ウィンダス第6の院。…「心の院」だ…。
トスカポリカは心の院の存在を知ってたのね。
冒険者よ、その院へ向かってくれ。心の院へ行けば、カラハバルハ院長が研究していた何かが残っていることだろう。
アジドマルジドを連れて行ったら、いろんなことが分かっていろいろ解決するのでは?
余計に大変なことになるだけかしら。
なぜに、この書の文字が消えたかその理由を掴まねばならぬ。そしてなぜにそれがウィンダスが滅ぶという言い伝えになったのか…。
うん。わかった。
そうだ、これを渡さねば。心の院は、おそらくこの指輪で開くだろう。目の院の指輪だ、なくすでないぞ。
だいじなもの:目の院の指輪を手にいれた!
あれ?これ、前にどこかで見たことあるような?
気のせいだったかな。
…ムムム!そうだ、その目の院の指輪、くれぐれもなくすでないぞ!信頼して預けたのだからな!
は、はいっ。首からさげたがまぐちにいれておきますっ!これで無くさない!