私や兄上の浅はかな命令にふりまわされさぞかし苦労したことだろう、りぃ。
否定はしない。
だが、このサンドリアにとって君はかけがえのない冒険者だ。そしてそれはこれからもきっと変わらない、君がまだこの国を愛していてくれればな……。
うん。大丈夫よ。
次のミッションのためにすぐ移籍するけどね…。
私たちエルヴァーンは他人の意見に耳を貸さずにいつも自分が正しいと思い込むくせがある。私はそれがいやというほど分かった。
妹の言うこと聞いておけばよかった。ってことですね。
だからこれからはさまざまな者たちの意見を聞かねばならない。君も私たちが間違った方向へ行っていると思ったら、ぜひ忠告してくれ。
うん。わかった。
君にもし子供ができたなら必ずやその子に自慢できるような国になっていることを約束しよう。……本当に君には感謝している。
父上のおっしゃる通り、私などよりもお前の方が国をよりよく導いていけるのかもしれんな……。
いやそれは絶対にないから、王子頑張って。あんたしかいないよ。
だが、私もこのたびのことで多くを学んだつもりだ。今、国王にふさわしくなくとも、必ずや1人の誇り高き人になりたいと思う。たとえ私が将来国王になれなくとも、な。
王様にはまだまだかなわなかったものね。
24歳だし、これからよ。
いつも私の無理難題を聞いてくれて本当に助かった。特にク・ビアの闘技場での死闘は生涯忘れえぬぞ。
サンドリアに寄った際には是非ここにくるがいい。1人の友として歓迎させてくれ。……では、気をつけてな。
ここは教会の教皇の部屋の前。
りぃ……。やはり君も考えることは同じか。
すまんが、教皇と2人で話がしたい。
しかし、王族会議の決定では教皇には常に神殿騎士団が1名以上監視をするということに……。
分かっている、私もその場にいたのだからな。だが、今は特別だ。大目に見てくれ。責任は私が取るゆえ、安心しろ。
……ハッ。
王子にそこまで言われたら、なかなか反論できないよね。
教皇……、様。
ピエージェ様……。
あえて「様」をつけたなぁ。
咎人として罰を受けているけど、今までの事を考えると…って感じかな。
あ、でも、教皇って呼んでるから身分は据え置きなのかな。実質上権力は無くしたが。とかかな?
あなたにお聞きしたい。なぜ我々に聖剣を抜かせ、「楽園の扉」を開こうとしたのです?
「楽園の扉」……。わたしは大戦の後、タブナジアの惨状を見て、「楽園の扉」を開かなければこの世は救えまい、と思った……。
自分の欲望のためだけなのかと思ってた!
世を救いたかったんだ?
「楽園の扉」とはいったい……?
文献を調べてもそれが何なのかはまったく分からなかった……。
そんな時、ジュノのエルドナーシュ公がサンドリアを訪問した際、教会にも足をお運びくださり、「聖剣こそが楽園の扉を開く鍵だ」とおっしゃるではないか!
エルドナーシュ公が……!?
なぜあの方はそのようなことをおっしゃったのだろう。その剣があのタブナジアの惨状を招いたものだったとはなんという皮肉……。
ジラート1万年の夢を叶えるための一助にするため。だよねぇ。
んー?
エルドナーシュの言う「神の扉」と、教皇が言う「楽園の扉」は同じものを指してるのかなぁ?
そうなら、「聖剣こそが楽園の扉を開く鍵だ」というのも全くの嘘なわけではない。って感じがするよね。
しかし、「楽園の扉」とはそれぞれの心の中にあるものだということに、ようやく気づきました。そしてわたしはずっとその扉を自ら閉ざしていました。
闇に閉ざされし心……。
教皇が…改心した…だと!?
マジで甘言に踊らされてただけの小物だったのか!!
あんたはもっと悪役を突っ張ってくれる人だと期待してたのにッ!
残念だよッ!!!
この罪深きわたしに、寛大なる王は恩赦をお与えになりました。いや、きっと国内の混乱を少しでもおさめるためでしょう。
王室がバタついているのは国民にバレてるから、ここで教皇解任ってなると大変な騒ぎになるのは必至だものね。
わたしはここで悔い改め、1つでもこの地上に希望が生まれるよう祈るとします。この身が朽ち果てるその日まで……。
……その言葉、信じましょう。だけど私は、自分のやり方でこの地によき光を灯したい、と考えています。今はお互いの希望がいつかかなうことを願いましょう……。
教皇が口出ししなくなると、ピエージェ王子の邪魔する人がいなくなって、トリオン王子と上手く協力していけそうね。
よかったよかった。
ロシュフォーニュ!ロシュフォーニュ、どこへ行ったの?サンドリアにはあなたが必要なのよ!
怪我が治ったらいなくなったのかな?
あなた、ロシュフォーニュを見なかった?
いえ、自分は見かけませんでした。
いったいどこへ行ったのかしら……。まだ傷も完治していないというのに病室のベッドから消えてしまって……。
治ってないんかい。
うっ、うわああああ!
向こうにボチュルスがいる!!丁度イベント中だったんだな…。
あっ、いた。
ローテ姉上、あなたの子たちはみな立派に育っているよ。安心してここで眠っていてくれ。
甥っ子と姪っ子に心配かけたら駄目だよ。
挨拶くらいしていかないと。
残念だけど、俺にはここにいる権利はない。だから去ることにするよ。
君か。お互いこれで終わったわけじゃない。いや、これからが本当の始まりなんだ。まだまだ俺にはやらねばならぬことがある。……君だってそうだろ?
やることありすぎて回ってません。
でも、君ともまたいつか、どこかで会えそうな気がする。その時はこのサンドリアがより一層輝きを増していることを、お互いに祈ろうじゃないか。
結局、ロシュフォーニュは聖剣によってサンドリアが滅んでしまうことを阻止するために、血眼になって聖剣を探してたのよね。
最初からドラギーユ家にそれを伝えて一緒に探して封印したら、今回の騒ぎは起きなかったし誰も傷つかず丸く収まったじゃない。
って思うけど。
タブナジアを囮にしたドラギーユ家を信頼することが出来なくて、こういうことになったんだろうな。
ヴォーダラムと一緒に行っちゃった。
やらねばならぬことって…ヴォーダラムが望んでいる、タブナジアの復興なのかなぁ?
プロマシアの呪縛で続きのお話でてくるのかな?
後世のサンドリア研究家は、歴史書を書く上で
この日をある章の最後に記すことだろう。
その章には、歴史書の中でも
ひときわ波乱に満ちた内容が記されているに違いない。
だがそこに、ある冒険者の活躍があったことなど
研究家は知るよしもない。歴史の裏には常にそうした
名もなき英雄たちが存在しているものだ。
しかし、新たな章に名前を残すのは
りぃなのかもしれない。
その物語はまたいつか語られるのであろうか。
……そのことを知る者はいない。
だが、このことだけは確実にいえよう。
このサンドリアという国に
りぃという冒険者がいて、
泣き、怒り、傷つき、そして笑った……。
その日々だけはいつまでも残リ続けていく。
朽ち果てることなく、それぞれの心の中に……。
そしてその想いは、たとえいつか
ヴァナ・ディールが消えさる日が来ようとも
いつまでも、みんなの中で、
輝き続けることだろう……。
いつまでも、いつまでも……。
永遠に……。
サンドリアミッション ー完ー。
サンドリアミッション全クリアだー!
王国制式礼服もゲットしたよ。
よーし、次はバストゥークミッションだ~!