猛き者たちよ 其の参

白タルの散歩道

ジャスティニアス りぃか。ウルミアとテンゼン殿なら先に長老のところへ行ったようだが……

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ウルミア りぃさん、お戻りになったのですね。
りぃ うん。

テンゼン バハムートの言っていたこと、デスパシエール殿に説明したでござるが、どれほどのことが伝わり、どれほどまでを信じていただけたものか……。

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テンゼン 人は恐ろしい事実ほど、受け入れがたきもの。バハムートたち真龍が、我ら人をすべて滅ぼすと宣言したなど、我輩にとっても悪夢であってほしいでござる。
ウルミア 私も信じられません。バハムートの言う契約……

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ウルミア 「世界の終わりに来る者」が生まれ落ちた時、すべての人を滅ぼす……なぜ、そのように恐ろしいことをバハムートは望むのでしょう。バハムートは、人を憎んでいたというのでしょうか?
テンゼン ウルミア殿、それについては霊獣バハムートの歌を聴いたときに霊獣フェニックスが教えてくれたでござる。

おっ、なになに?

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テンゼン 遥か昔、この世界に生きていた古代の民は、5霊獣と戦ったことがあったのだと。特に、霊獣バハムートとは、楽園の扉をめぐって永く激しい戦いが繰り広げられたのだと……。

ジラート人だよね。

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テンゼン そして、その戦いの最中に人は「虚ろなる闇」を目覚めさせてしまったのでござる。

虚ろなる闇ができたのって1万年前だったんだ。

テンゼン 「虚ろなる闇」、それすなわち「男神プロマシアの意志」を……。
ウルミア 男神の、意志!?

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テンゼン ウルミア殿、「男神プロマシア」のことをご存知でござるのか?我輩は知らぬのでござる。「男神プロマシア」とはいったいどのような神なのでござるか?詳しく教えていただきたいでござる。
ウルミア ……それは……

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ジャスティニアス テンゼン殿、それは、俺たちの口からは言えぬことだ。
テンゼン なにゆえでござる?

なにゆえ?

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ナグモラーダ ひんがしの方、それはだね。

タブナジアにおったんかい!

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ナグモラーダ 「男神プロマシア」。その名を口に出すことは禁じられているからだよ。
テンゼン !?

そうだったの?
ちょこちょこ聞くからそんなこととはつゆ知らず。

ナグモラーダ 男神プロマシアはな、女神アルタナと同じく原初の神。混沌の神とも呼ばれ、「楽園への扉」を開いた人間に、争いの呪いをかけたと言われてる。

教えてくれるんだ。

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ナグモラーダ その呪いはとても強く、人はその呪いを忘れることで救われている。そのために、その名を声に出してはならぬとされているのだ。
テンゼン 混沌の神……。

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ナグモラーダ だからこそ東の国では、その名すら伝わらなかった。その名を知らなければ、その存在を知ることもないからな。

確かにね。

ナグモラーダ その判断は正しい。ここヴァナ・ディールは歴史を刻みすぎ、知られざる事実がごまんとある。

ここ数百年の歴史は記録されてて、1万年前に起こったことも分かってきたけど、その間とかサッパリだしね。何が起こっていたのやら。

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ナグモラーダ 知ってはならぬ事実、知るべきでなかった事実、知らなければならない事実。我らはそれらの事実を細心の注意をもって扱わねばならない。そうせねば、知らぬうちに悲劇を生む。
テンゼン 悲劇でござるか?

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ナグモラーダ たとえば、バハムートのことだ。我々は、バハムートが人を滅ぼすために現れたのだという事実を知っていた……。
ウルミア

ナグモラーダ だからこそ、その呼び声に導かれて真龍の一族が集結する前にバハムートを捕殺せんと軍を動かした。だが……

そういうつもりだったんだ。
ナグモラーダがタブナジアに飛ばされたのは予定外で、予定外にバハムートと対話ができる状況になったから…クリュー人の思惑があって軍が来る前に単独行動したのかなぁ。

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ナグモラーダ おまえたちの浅はかなる好奇心で、すべては台なしになった。おまえたちは、あのような悲劇をもう一度引き起こすつもりかね?
デスパシエール ナグモラーダ様、このウルミアはただ、プリッシュなる不届き者を引き止めようとしただけでございます。

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デスパシエール 今回のことも、このテンゼンなる異邦人にたぶらかされたに違いありません。
テンゼン ……確かに、このたびのこと、我輩が頼んだからでござる。

この長老、他を売って孫だけ守ろうとしてやがる!

テンゼン しかし我輩は、ジュノ大公代理エシャンタール殿から、「虚ろなる闇」の調査の許可をいただいているでござる!
ナグモラーダ だがテンゼン殿、我らは「虚ろなる闇」を阻止するという、同じ目的を持つ者同士ではなかったかな?

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ナグモラーダ 確固たる理由なく、先んじてバハムートに会いに行くこと、裏切り行為のなにものでもないと思うのだがいかがかな?
テンゼン うむむ……。返す言葉もない。そういわれれば確かに礼儀に反した行為であったでござるな……。

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ナグモラーダ わかっていただければ、それでいい。バハムートのことは我らにお任せいただきたい。民族による考えの相違から、水面下で動くこともあれ、我らの意志はすべて人々を救うところにある。
テンゼン それでは、再びバハムートを討伐する準備を?バハムートはどこぞへ向かって飛び立ってしまったのでござるが?

ナグモラーダ もちろんだ。しかし、その指揮は残念ながら私の役目ではない。

エシャンタールの係なのかな。

ナグモラーダ 私は、あの少年の目的を阻止する任務を担っている。

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ナグモラーダ ……ん?おまえ、あのアミュレットはどうした?
りぃ プリッシュに渡したよ。

ナグモラーダ なに?人に渡しただと!?あれは重大なものだ、軽々しく人に渡すなど……この愚か者め!!!
りぃ むっ。そんなん知らんし、私が貰ったんだからどうしようといいじゃんよ!

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ウルミア ナグモラーダさま、りぃさんのせいではありません。苦しむプリッシュを救うために私が頼み、この方が私の願いを聞き届けてくださったのです。
ナグモラーダ プリッシュ?そうか、プリッシュとはあの女か。この町にあるのならば問題はない。

ウルミアには優しい態度取るんだよな!
ばーか!ばーか!

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ナグモラーダ りぃ、さっさとあれを取り戻してから、北方へ来い。
りぃ なんでよ。

ナグモラーダ 4つ目のクリスタルはズヴァール城の地下にあり、その入口は北の遺跡ソ・ジヤに隠されている……。

何ィ!!

場所分かってるんじゃんよ!

エシャンタールは「私たちが知るのは、ラングモント峠を越えてなお北、雪の絶えぬ地方にあるということだけ。」って言ってたよね。
場所が分からないから30年前の北方調査隊の元を訪ねるとかいうことやってたのに。

ソ・ジヤはクリュー人が作った。だからナグモラーダは秘密を知ってた。
そして、ジラート人には教えていない。

ってことだよね。

ううむ。

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マッキーチェブキー でんれーい、でんれーい!

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クッキーチェブキー 礼拝堂の兵士どもは撤収したでーす!
チェルキキ 秘密の荷物もつみおわりましたー!

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ウルミア ……え?秘密の……?

そういえばナグモラーダは礼拝堂に行ってるって誰だったかが言ってたな。
礼拝堂から取ってきた秘密の荷物?

…まさか、あの魔晶石の白い箱!?

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ナグモラーダ いいか、ソ・ジヤの最西の塔だ。必ずアミュレットを取り戻してから来るのだぞ。私は現地で待っている。

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さっさと逃げやがったこんにゃろー!!