ミザレオ海岸にいた。
……そうか。とうとう、白帝江も「虚ろなる闇」に飲まれたか。
??? : 白帝江が干上がり、蛮族どもが国境を越えること容易に。国の守りが揺らいでおります。
あっ、テンゼンお付きのくノ一。
テンゼン様の剣さえあればすべてが変わりましょう。一刻も早く、合流なさってください。
しかしな、我が炎は、すでにない……。
存じております。けれども、帝はお許しになるそうでございます。
今は集まりし蛮族を倒し、その血肉にて再び、鳳凰丸を鍛えればよいと。
それでも足りなければどうする?
いくら鍛えてももう炎は戻らないよね。
そのときは、ようやく我らの悲願果たされしとき。あなた様の情報に基づいて、中の国のジュノへと攻め入ることとなりましょう。
やっぱりそういうこと考えてたのね。
虚ろなる闇を滅するためには、母なるクリスタルを解放する他ないのでござりましょう。
……いかにもそうだ。しかし我輩はいまだ、帰るわけにはいかぬ。霊獣フェニックスより授かった最後の使命を果たすまでは。
それは……?
鳳凰丸が我らが命を救うためにその力を解き放ったとき、我輩には、皆の声も聞こえたのだ。
我輩の弱さのために助けることかなわなかった子らの声がな。
ここで彼らを裏切っては信義にもとる。彼らに託されたこの命。燃やし尽くさねばならん。
いや、尽くしたら駄目よ。
これは、差し違える覚悟を決めてしまったのか。
ヴァナ・ディールの存亡をかけて母なるクリスタルを救うがために……。
承知いたしました。そう、お伝えいたしましょう。
上に跳んで帰った!
この何もない空間で…!?
とんでもない忍術の使い手なのかっ。
……りぃ殿で、ござるか。おひとりでござるな?
うん。
2人とも私がいることに気づいててなお話を続けてたのかしら。
我輩もひとりになってしまったでござる。まこと、別れとはにわかに訪れ、ことのほか寂しいものでござるな。
うん…。守ってくれてありがとね。
霊獣フェニックスは我輩に、第5の母なるクリスタルにそなたを連れていけと命じたでござる。
私を?
そして……
そして?
そして何なの!?
……霊獣フェニックスがその身を投じて作り出してくれた時、あまり残されてはいないでござる。さぁ、飛空艇にていまいちどジュノを目指そうでござる。
さてと、プリッシュが港に来いって言ってたから…。
一足遅かったな!先ほど、ジュノからの飛空艇が到着してな。プリッシュたちを乗せていったよ。
なんでーーー!?
ウルミアはおまえを待とうと言っていたが、あのプリッシュはおまえはひとりでも来れるはずだと言い張ってな。
ぷ、プリッシュめ…。
ウルミアは良心。ウルミアは良心。
次の飛空艇でもすぐによこすつもりなのだろうか。もしもそうならば、マッキーたち3人もしばらくここで待っていれば良かったものを。密航者まがいな真似をして、タルにつまって飛空艇に乗っていったよ。
タルタルだけにってかーっ!?
ちっくしょー!!