決別の前 其の弐

白タルの散歩道

タコが出てきたのであった。
あれ、これイカだったっけ?

白タルの散歩道

スカリーZ あの化け物を倒してくれたのか!いらぬ手間をかけさせてしまったようだな、りぃ。
りぃ スカリーZの獲物だったの?

スカリーZ ここで鉱石探しをしていると、どこからともなく、あの化け物が現れてな。手合わせしたものの、逃がしてしまった。

白タルの散歩道

スカリーZ どうもあの化け物には生理的な嫌悪感が先立ってしまう。おまえが倒してくれて助かったよ……

タコ苦手だったんだ。

スカリーZ ……ん?もう鉱石は必要ないのか?そうか、私を呼び戻しにきたのだな?
りぃ うん。

白タルの散歩道

スカリーZ いよいよ、男神の意志を継ぐという「世界の終わりに来る者」と戦うときがきたか。

白タルの散歩道

スカリーZ 男神のことは、私たちミスラの伝説には現れぬ。怖れなきミスラが敵の名を残さぬは、それほどに忌むべき相手だということか?それとも……

それとも…とても敵う相手ではないから、知らない方がいい。ってこと?

白タルの散歩道

スカリーY あらまァ!なんだか弱気な匂いがするわ!
スカリーX 姉さんらしくないよ!ボク、あれから猛特訓したし、ボクたち3人なら男神なんかに負けはしない!
スカリーZ スカリーY、スカリーX。

白タルの散歩道

スカリーZ 駄目だ。おまえたちの同行は許さん。
スカリーX えぇっ!?
スカリーY なんだって!?

スカリーZ 私たちは、それぞれ3つの目的をもってこの地へ渡った。

白タルの散歩道

スカリーZ 世界を滅ぼす真龍討伐、虚ろなる闇を滅する力を持つ眠れる神々、その覚醒手段を知るミルドリオン……しかし、私たちはこの旅を通して知った。

スカリーZ それらはすべて「世界の終わりに来る者」に連なるもの、それは「男神プロマシア」という存在が引き起こした罪なのだと。

男神の罪。

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スカリーZ ……男神プロマシア。人、そして世界に争いの呪いをかけた神。争いというものが、戦うことだというのならば、私たちは誰よりもその意味を知っているはずだ。

白タルの散歩道

スカリーZ 私たちが戦う理由。それは、信頼、正義、勇気、希望……「人が人であるために必要なもの」のため……

人であるために必要なものを得るための、呪い?

白タルの散歩道

スカリーY それは……
スカリーX ……じゃあ、もしかして……

白タルの散歩道

スカリーZ 男神プロマシアの罪は、私たち人が在ることへの罪なのかもしれぬ。もしもそうならば、罪を狩ること自体もまた。

プロマシアの呪いから解放されたら、トンベリみたいになっちゃうから。
人間であるためには、プロマシアの呪いが必要。

ミスラの言うプロマシアの罪は、人間が人間であることを保つための呪いにしてしまったこと?
その罪を狩ったら、人間を否定してしまうことに?

スカリーZ 私は、それを確かめてくる。彼らと共にある間、永く苦悩した私ならば、その罪を突きつけられた後にも耐えられるだろう。

白タルの散歩道

スカリーZ いいか、おまえたちは私の苦悩を引き継ぐことは許さん。おまえたちの役目は、我らが本国を守ること。決して忘れてはならない。

スカリーZ その手立てを探り続けよ。眠れる神々のこと、真龍たちのこと、頼んだぞ。

長女だなぁ。

白タルの散歩道

スカリーX ……。
スカリーY 姉貴は……昔っからそうなんだから……。オイシイとこ取りするのよネエ……。

白タルの散歩道

スカリーX ……姉さん!なにもきかないから、戻ってきてよ……!姉さんを越える罪狩りになるまで、姉さんはボクの目標なんだから……!
スカリーZ ……ああ、わかった。

白タルの散歩道

約束したからね。
絶対に戻ってこないとね。

白タルの散歩道

スカリーZ さて、りぃ。おまえにはひとつ、覚えておいてほしいことがある。
りぃ うん?

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スカリーZ 私の本当の名は、マグ。

えっ!?

スカリーZ 私が罪狩りとしてではなく、ただのミスラとして死んだときのために覚えておいてくれ。

罪狩りのミスラが本名明かすなんて、死を覚悟したとか相当によっぽどの時じゃないの!?

でも、私のことをそこまで信用してくれたって事か…。

白タルの散歩道

スカリーZ 一足先に、シドのところへ戻っているぞ。