どうやら本格的にガルカの故郷、アルテパ砂漠の調査に乗り出すようだ。
ほほう。
特に今回は、アルテパ砂漠にある流砂洞の調査に行ってもらう。詳しくは大統領府のアイアンイーター殿にお話を伺うように。
よく来てくれたな。この件に関しては、フォルカー隊長からもお話がある。向こうの会議室へ……。
待っていたぞ。いよいよアルテパ砂漠に点在するガルカの文明の遺跡の中心、流砂洞の調査に向かってもらう。
はーい。
このミッションを遂行してもらうことになったのにはキッカケがあってな……。
ある1通の手紙がアイアンイーターの下に届いた。
「古い歴史を紐解き新しい歴史に踏み出す決意が必要な時に来ている。流砂洞の語り部の像の前にて冒険者を待つ」と……。
フォルカーやアイアンイーターじゃなくて、冒険者を待つの?
差出人の名前は書いていない。けれど……私がこの手紙を書いた男を間違えることはない。ザイドだ……。
この言い回し、そうでしょうね。
できることならば私自らが行きたいところだが、そうすればきっと奴は姿を現さないだろう。
でしょうね…。
君は闇の王と戦った時ザイドに会ったのだったな?おそらく最も適任者だろう。
奴の指定した「語り部の像」を見つけ出しそこで「古い歴史」とやらの真実を見定めてきてくれ。
流砂洞は辺境の中でも謎の多い地域だ。大変かもしれないが詳しく調査してきてくれると助かる。
わかった。
この西アルテパ砂漠の地図の(G-5)にある、流⑪の入り口から入ったらガルカの像があるよ。
しかし、よく考えたら…。
流砂洞って、もともとガルカの都市だったじゃない。
それが砂漠全部の地下に広がってて。
埋まってしまった地下部分もあるだろうし。
相当広大な都市よね。
かなり発展していたのでは?
重量石で扉開いて…と。
あった。
敵出るんかい!
よくぞ、ここまでたどりついたな……。
先に来て敵を倒しておいてよ。
おまえの目の前にあるその像が、数代前の語り部の姿だ。
語り部は、王であり、長老であり、預言者であった……。語り部にガルカの民はすべてを委ねた。永遠の記憶があった訳ではない。たった200年ほどの記憶を持って転生しただけの若いガルカにすべてを……。
前世の時に見てた語り部の真似をしてなんとかやってたのかなぁ。
この地を追われた後のガルカの憎しみ、悲しみをその記憶の中で受け止めたラオグリムの苦悩はいかばかりであったかと私は思う……。
気づいたら、自分は死んだはずなのに生きてて、子どもの姿になってて、あ、これって語り部…?って気づくってことだよね?
うーん、未知。
けれど……そこから逃げる訳にはいかない。そこに立ち止まる訳にはいかない。この語り部の憎しみと悲しみの輪廻の鎖を断ち切るためにも……我々は語り部の真実に目を向けなければならない。
語り部って、選ばれし勇者。って感じなのかと思ってたけど…。
語り部になってその身に降りかかるのがそれほどの苦悩ならば。
これは…。
強烈な、呪い?
(H-8)にこのアルテパの歴史を描いた壁画がある。そこで待つ。おまえにはバストゥークに持ち帰ってほしい言葉と記憶がある。