それぞれの行方 其の弐

白タルの散歩道

ヒルダ ハニ様……ですか?ええ、そういえばいらっしゃって、ガルカの方から手紙を受け取ったようなお話をなさってました。

手紙を渡しにバストゥークに来たのかな?
あれ?でもウェライからの手紙を受け取ったって話誰もしてないよね。

まさか、ここまで来て手紙を渡さずに行ってしまった…!?

ヒルダ ただ、なんだか心は次の冒険に向かってらしたようで、私にパルブロ鉱山のことをお聞きになっていました。

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ヒルダ 私の亡くなった主人がパルブロ鉱山に詳しかったため、そのことをお話ししたら、すぐにでもそちらに向かわれるご様子でした。
りぃ それはいつ頃…?戻ってきた?

ヒルダ その後……ですか?ハニ様はパルブロ鉱山に行ったきり、帰ってきたというお話を伺っていませんね……。何かひどい目にあっていなければ良いのですが……。

絶対まだパルブロにいて、酷い目に合ってるやん!!

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まったくもうー。

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ハニ 助けてー!!

どこからか助けを呼ぶような声が聞こえた……。

りぃ マジかよ!!どこよ!

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どりゃー!

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ハニ いやー、助かりました!あなた、強いですねえ……あれ?どこかでお会いしたことありますか?
りぃ めちゃくちゃ元気やないかい!!

ハニ まあいいや、とにかく助かりました。大変だったんですよ。鉱山の奥にはクゥダフの神殿があるから、お宝があるだろうと思ってやってきたら、逆につかまってしまって……。

捕まってたのか…。

ハニ ところでどうしてこんなとこまで?え?僕を捜してた?手紙の……こと?ああ、すっかり忘れてました。あなたに渡しておきます。また届けるの忘れてしまいそうですから……。

ウェライ…もっと人を選んで手紙を託して頂戴。

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ハニ では。プレジデントにもよろしくお伝えください。僕も一度だけお会いしたことがあるんですが、どうもああいった神経質な方は苦手で……。

でしょうね。

ハニ それでは、どうもありがとうございましたー。

いい性格だと思う…。

だいじなもの:ウェライからの手紙を手にいれた!

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あれ、この手紙グンパ宛だ。

プレジデントに報告に行く前に、グンパに見せた方が良いのでは?

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グンパ これは……ウェライからの手紙?冒険者が受け取ってた……って!?
りぃ うん。

グンパ どうしてわざわざ……それに、話していってくれてもよかったのに。

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ウェライ 何も言わずに出ていったこと、すまないと思っている。けれど、おまえのことだ。私の転生の時期が近づいていたのも気づいていたことだろう。

ウェライ この手紙を書いている今でも、果たしておまえにこの手紙を出すべきか迷っている。これが、おまえのためになるのかどうか……。

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ウェライ 昔から、おまえは何よりも自由を愛する男だった。責任なんてものに興味なんてなかった。種族意識が強過ぎるガルカたちの中にあって、おまえは異色の存在だった。

グンパの転生前からの付き合いだったのね。

ウェライ だから……おまえの気持ちは、私には理解できる。自分自身が転生した後の驚き、そしてとまどいを……。

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ウェライ どうして、そんな自分が語り部に……と。
グンパ ……ウェライ!!気づいて……いたの、か……。

ウェライ バカにするな。200年近くも付き合った親友のことを、わからないと思っているのか?

手紙なのかおばけなのか分からなくなってきた。

ウェライ しかし、私はおまえの意志を尊重する。ガルカの憎しみ、悲しみをおまえが背負わなければいけないという理由などどこにもない。

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ウェライ それに、ラオグリムだけでなく、記憶を持って転生した語り部はその後例外なく、非業の死を遂げている。再び転生を果たした、という報告は一度もない。

ということは、語り部といえど、前の200年くらいの知識しかないのね。

ウェライ それがどういう宿命によるものかはわからない。その恐怖は、いかばかりであろうかと思う。

若死に&嫌な死に方するってのがほぼ確定してるみたいな感じだものね。
嫌すぎる。

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ウェライ けれどこれだけは言わせてくれ。おまえは、迷っているはずだ。自分にしかできないことがあるのではないか、と。

ウェライ 語り部が、ではなく、おまえ自身が為すべきことを為してくれ。おまえ自身が信じる道を進んでくれ。

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ウェライ その後に、おまえに授けられた200年の記憶の意味がきっとわかるはずだ。

ウェライ 最後になるが……再び転生しておまえと冒険に出られる日を楽しみに待っている。記憶を失っても、私たちは、永遠に親友だ。

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グンパ ウェライ……!!

ウェライ、もっと早くに気づいてることを伝えて、グンパとたくさん話をしていたら、グンパの苦しみが少しは軽くなってたのかもしれないなぁ。

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グンパ コーネリアのねえちゃん、そこにいるんだろ?いっつもそうやって人の話盗み聞きに来るんだから……。

コーネリアもグンパが語り部って知ってしまったのか!

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コーネリア ねえ……これから、どうするつもり?
グンパ へ、わかるもんか、そんなこと。

コーネリア でも、私にはわかるよ。あなたは絶対に逃げない。私は自分の立場から……プレジデントの娘だってことから逃げてばっかりだった……。

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コーネリア あなたは違う。どういう決断であれ、もう逃げることはしない。だって、そう教えてくれたの、あなたでしょ?

グンパ 頼む、これ以上は……今日は……1人にしてくれ。
コーネリア わかった……。

2人は良い相談相手になるのかもしれないな。

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カルスト大統領 何?ハニとやらはクゥダフにつかまっていたのか……?しかし話を聞くと冒険者とはのんきな者だな。
りぃ いや、あの人が特にそうなのかと…。

カルスト大統領 まあいい、自分の意志でそのガルカが旅に出たことは間違いなさそうだ。おまえには報酬を与え昇進を認めよう。それと……。

そうだね。
もうどこかで転生してるのかな。

しかし、ラオグリムがいない。ウェライもいない。となると、ガルカの心の拠り所って…ザイドになるの…?
えぇ…。

ガルカはこの機会に語り部とか1人のリーダーに頼らない方にシフトした方が良いのでは。

カルスト大統領 その手紙はあて先の本人に渡したのだったな。まあいいだろう。下手にここで検閲などしてさらに騒ぎを大きくするつもりはない。奴らが現実を見つめるしかないのだろう。

先にこっちに来ても、手紙をチェックせずに渡してくれた感じね。
言動がアレだからアレだけど、その手腕は確かなものっぽいよね。

シドの目は確かだったってことか…!

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やった!
ランク8だー!