戴冠の儀

アブクーバ あ!
りぃ ん?

アブクーバ ……ななななっ!んナナナナナっ……

な、なんだ!?

アブクーバ ナジャ社長っ!!りぃさんがっ!!!

そんなおばけ見たみたいに…。

ナジャ・サラヒム ……うるさいネェあたいは今、それどころじゃないよ。シッ、シッ……!

アブクーバ そっ、そんな!(ナジャ社長ってば、あんまりですー。)

ナジャ・サラヒム だって、そうだろう?我が社創立以来、最大の大仕事が迫ってるんだ。それなりの装備を整えなきゃあ生き残れないよ!
アブクーバ は、はぁー。

ナジャ・サラヒム それからっ、りぃ!あんた、戦いは終わった……そう、思ってないかい!?
りぃ 終わったよー。

アレキサンダーもオーディンもいなくなったし。
アフマウはこれから大変すぎるだろうけど…。

ナジャ・サラヒム そこが甘っちょろいってのさ!

ダンッ!

ナジャ・サラヒム これから始まるのは、我が社の浮沈をかけた、ビジネス戦争なんだ!

ええー!?

ナジャ・サラヒム なにせ、ここに本物の勅使が来られて……あたいは聖皇さまの戴冠式に列席者として正式にご招待されたんだからネェ♪

戴冠式?
もう戴冠してるのにまた?

一度宰相に実権剥奪されたから?

ナジャ・サラヒム し・か・も!皇族貴族や軍高官のお歴々、それに諸外国の賓客と肩を並べて、ときたもんさ。

アブクーバ拍手してる。

ナジャ・サラヒム ああ!夢が広がるじゃないか。そこでは、どんなビジネスチャンスがあたいの手に転がり込んでくるんだろう♪

確かにものすごいチャンスだ!

ナジャ・サラヒム 傭兵はぁ、行~くぅ~♪いくさ場ぁへ~♪っと……

ナジャ・サラヒム そうそう……りぃ。その勅使さまが従者を1人同行するようにって、おっしゃったのさ。

ナジャ・サラヒム さて、誰にしようかネェ。ロンジェルツ教官はアレで忙しいしアブクーバは……。

アブクーバ !!!!

ガッツポーズした。

ナジャ・サラヒム 留守番係だし……。

落ち込んだ。

ナジャ・サラヒム なんてね、冗談さ。

冗談でもてあそばれちゃったアブクーバ…。

ナジャ・サラヒム あたいはね、りぃ……勅旨の真意ぐらいちゃああんと、理解してるつもりさ。なにせ、聖皇さまはウブだからネェ。

ナジャ・サラヒム あんた、ナイズル島でナシュメラさまのために傭兵のつとめを果たしたんだろう?

うっ、アフマウ死にかけてしまったからつとめは……いや、守る役目は護衛か。
傭兵は戦ってなんぼだろうから、それはできた、はず。

りぃ は、ハタシタヨ。
ナジャ・サラヒム フフン!そうだと信じてたよ……。

ナジャ・サラヒム あんたも、ただちに参内の準備をしな!戴冠式に遅刻しただなんてあとあとまでの皇都っ子の語り草だよ!!