ラグナロク

アレキサンダー 私を……崇めよ……私を……畏れよ……

アレキサンダー 私を……私……を……お……畏れ……おそ……れ……。

眼の光が消えた。

ナシュメラ と、止まったの……?

アレキサンダー ……おそレルニ、タラ~ズ!

えっ!?

ナシュメラ アヴゼン!?

アレキサンダー …………。

アヴゼン消えてなかった!!

ナシュメラ ……ありがとう。アヴゼン、メネジン。

よかったねぇ。アフマウ。

ナシュメラ りぃ!わたし……わたし、やったわ!!巨人を操作して機関を停止させたの。
りぃ うん。すごいよ。

ナシュメラ あなたが、巨人の注意を引きつけてくれた、おかげよ!ありがとう、りぃ♪

もうめっちゃルンルン。

ナシュメラ あとは、兄さまをあの中から助けないと……。
りぃ はやくガッサドに開けてもらおう。

ん?

ルザフ アフマウ!

ナシュメラ ルザフ!?無事だったのね!よかった……。

えぇ!?
どうしてここに来たし!!

ナジャ社長が救出に成功したからいるんだろうけど、あれだけラグナロクを起こしてはならないって言ってたのに、どうしてアレキサンダーがいるこの場所にやってくるの!?

はやくこの建物から脱出して向こう行っててー!!

ナシュメラ 聞いて!機関巨人は止めたわ。アレキサンダーは還っていったのよ!もう、倒す相手はいない……。オーディンになる必要もない……。

ナシュメラ ルザフ……あなたは自由なのよ!

ルザフ 気をつけろ、アフマウ!俺の中のオーディンは消えては……

眼が光っ……青?
ラズファード!?

あっ!!!

りぃ アフマ……

りぃ ガフウッ。

???

どうして私まで倒れるの!?
何も攻撃当たってないよ?

ちょっとはやくそこの機械小突いて壊さなきゃなのに!

…ってやられるのがストーリー的に邪魔だから気絶させたんじゃないでしょうね?
それなら爆風で吹っ飛ばされて頭打ったとかの方がまだマシよ???

ルザフ アフマウ!!

アレキサンダー ……崇めぬ……者に…………天罰……を……。

眼が青いけど、アレキサンダーが喋ってる。
まさか、巨人の機関が停止したからラズファードに憑依したの!?

ルザフ …………。

あっ、オーディンが。

止めたのにまた起動しちゃった!

ルザフ ァアレキィサンダァァァアッ!!!

皇国への怒りじゃなくて、アフマウが攻撃された事への怒りからオーディン出てきちゃった!!

オーディン ハハハハハハハハッ。我が騎士よ、見事だ!実に心地よい怒り……。

   ふたつのかたまりが出会うとき。

冥闇の鏡のお話!

アレキサンダー ……オーディン……再び、裁きの時、満ちれり……汝に、審判を、くださん……。
オーディン 笑止!アレキサンダー、汝が鉄屑の骸、再び現象の世にさらすがよい。

そもそもどうしてこの2人は仲悪いんだろう?

ガッサド まさか、ラグナロクが始まるというのか……!?

ひとり意識保ったまま特等席じゃないですかッ!!

アレキサンダー XIII……

アレキサンダー XII……

アレキサンダー XI……。

オーディン 懐かしや、審判の光なれば、我も魔槍を馳走せん……。

グングニル!

投げた!

ガッサド ぅわあぁああああッ!

グングニルが勝った。

   ひとつのかたまりは黒きを感じ。

アレキサンダー VI……

アレキサンダー V……。

   ひとつのかたまりは白きを思い。

斬鉄剣出した!

アレキサンダー II……

聖なる審判が溜まる…!

   大きな嵐が生まれる。

これはやばいいいいいいいい!!

てか、アフマウと私、確実に死…!

   嵐は天にのぼりはじめ。
   ぶつかり砕け散るだろう。

あっ、ラウバーン気が付いた!
早くアフマウを避難させて!!

アレキサンダー I……。

ナシュメラ ……ダメ、よ。

ナシュメラ やめてぇえええーーーーっ!

ナシュメラ ここは……?

ラズファード (ナシュメラ……。)
ナシュメラ ……兄さま……?

ラズファード ……安心しろ……。……愛する…………アトルガン…………神々の……好きにはさせん……。

ナシュメラ ……ねぇ、兄さま、なんて言ってるの?よく聞こえないわ……。

ラズファード もう……一度…………お前の……笑顔……が、見たかった……。
ナシュメラ ……ま、待って!

ラズファード ……さらば……だ……

ナシュメラ ……マウを……マウを独りにしないで……

ナシュメラ 兄さま……兄さまぁ!!!

ラズファード…。

ん?斬鉄剣が消えた。

審判の光も消えた…。

ナシュメラ ……にいさ、ま……

ラズファード …………ナ……シュ……。

キラキラが登っていって消えた…。

止まった…。

ラズファード、アレキサンダーを連れて行ったの?

オーディン ……何故、剣を納めた?

オーディン勝手に動くかと思ったら、制御できたのね。

ルザフ …………。
オーディン ……余の騎士よ……我が神意に……背く…………とは……

オーディン ……血迷うた……か。

オーディン消えた。

ルザフ ……くっ、アフマウッ。

やっと起きれたよぉ。

ルザフ ……君にはまだ、なすべきことが山ほど残されている……死なせはしない…………死なせは…………。

ルザフ 冥界の主オーディンよ!俺は、貴方の意に背いた!だが、俺は生きている……。

ルザフ 何故だ?俺は神意を知りたい……。

ルザフ だから、この娘アフマウに、この仮初の命を譲り……貴方に会いにふたたびヴァルハラに行こう。

ルザフの命ってめっちゃ短くない?大丈夫?

もう冥路の騎士ではなくなったっぽいから、本来の寿命が適用されるのかしら。
ということは後何十年かある?

おおっ、魔笛が光ったら周りの輪っかの中も光った。

ってか、なんだこれ?

おおお?

光が消えた。

ナシュメラ ……う……んっ……。
ルザフ アフマウ……。

ナシュメラ ……ん、ルザフ……?マウは……いったい……
ルザフ よかった……

ルザフはこの装置で死にかけか…もしかしたら死んでた人を回復できるって知ってたの?
自分の命と引き換えにしないと使えないのかな。

ルザフ 君とはもっと話をしたかった……。だが、もう俺には時間が残されていない……。

ナシュメラ ルザフ……。

ルザフ 君には、未来がある。いや、君だけじゃない……皇国の民、イフラマドの民……君は、みんなの未来を背負わなければ……。

ナシュメラ 行かないで……!だったら、あなたもいっしょに……。
ルザフ 君はひとりじゃない。愛すべき将兵や民がいる。頼りになるりぃも……。

ナシュメラ うん、そうね……マウに、すべて……

アフマウ泣いてる…。

ナシュメラ まかせるがよい!
ルザフ ははは……その意気だ、アフマウ。

あっ、倒れるっ。

ルザフ ……おお、海が見える!おもしろい、今度の戦場は冥界の海のようだ。

ナシュメラ …………。

ああ…。

ナシュメラ ……りぃ。

りぃ ここにいるよ。

ナシュメラ わらわは長らく、皇宮を空けてしまった……。

ナシュメラ 帰りましょう、アトルガンへ!

アフマウ…。

アヴゼンもメネジンも、ラズファードもルザフもリシュフィーもアミナフも失って、辛くて仕方ないはずなのに聖皇の責務を果たそうとして。
まだ15歳なのに。

強くなった。
けれど、大丈夫なんだろうか…。