祖母の心孫知らず 其の弐

白タルの散歩道

ナジ はあ?ばあちゃんからヤシンの形見の剣を届けるように言われた?
りぃ うん。これどうぞ。

ナジ まったく…人を門番門番っていっつもバカにして…。どうせこんな剣、たいしたものじゃないだろうに…。
りぃ うーん、おばあちゃんなりに心配してるんだよ。たぶん。

白タルの散歩道

アイアンイーター どうした、ナジ?
ナジ あ、アイアンイーター先輩。実はですね…。

白タルの散歩道

アイアンイーター ふむ…。おまえの父君…ヤシン殿の形見という訳か。もしかするとあの時の品かもしれんな。
ナジ へ?親父に会ったことあるんすか。

アイアンイーター ああ、あれは30年以上昔、まだ私が子供だったころの話だ…。

白タルの散歩道

アイアンイーター ラオグリム様、お帰りなさい!今回はオークをやっつけたんですよね。
ラオグリム パグダコか。別にオークを征伐に行った訳ではない。奴らの調査が目的だ。

アイアンイーター先輩の本名、パグダコっていうのね。

ヤシン ま、雇われ者の俺にとっちゃどっちでも同じだ。なかなかいい剣の材料も見つかって、いい遠征にはなったがな。

この時手に入れたのが片手剣のグリップ材だったのね。

白タルの散歩道

ヤシン それになんだか変わった連中にも会えたしな。なかなかのかわい子ちゃんだったな、あのモンクのいさましいお嬢ちゃん…。

モンクのいさましいお嬢ちゃん…って、コーネリアかなぁ。
ってか、かわい子ちゃんって!
時代!時代を感じる言い回し!!

白タルの散歩道

ラオグリム …銃士の立場としても、個人としても、盗人のような行為には感心はしないが、おまえの腕前には助けてもらった。冒険者にしておくのは惜しい腕前だ。
ヤシン よせやい、俺なんて銃士様になったところで門番させられるのが関の山だ。

門番!!

ナジ!!お父さんがここで超でっかいフラグ立ててんよ!!!

ラオグリム 変わった男だ…。手に入れたその品を使って、知り合いの鍛冶屋に剣を仕立てさせよう。それが今回の報酬でいいだろう?
ヤシン ああ、よろしく頼むぜ、銃士様。

ん?知り合いの鍛冶屋って、もしかしておばあちゃんのボーイフレンドの?
1日で剣を修理する速さだったのは、自分が仕立てた剣だったから。なのかな。

白タルの散歩道

アイアンイーター 僕も将来ラオグリム様みたいな立派な銃士になるんだ!
ラオグリム 銃士は、ただ外に出て戦うだけが仕事ではないぞ、パグダコ。内なる敵と戦わねばならぬこともある。それでも我慢できるのなら、信じる道を行くが良い。

これから起こる出来事を考えると、深いセリフだ…。

白タルの散歩道

アイアンイーター おそらくその剣は、その時のものだろう。ミスリル銃士であり、ガルカの語り部、ラオグリム様ゆかりの品でもある。大切に使うんだな。
ナジ へえ…あの親父がそんな偉い方と知り合いだったなんてな。それに先輩、そんな名前だったんすね。ハクダク…あれ、何でしたっけ?

りぃ おバカ…。

白タルの散歩道

アイアンイーター …。おまえの呼びやすいように呼べ。私は別に何と呼ばれるかに興味はない。自分自身がどうあるかだけだ。

今はアイアンイーターを名乗ってるわけだしね。
先輩にも色々あるんだろうなぁ。

白タルの散歩道

ナジ ま、もってきてくれた剣は、ありがたく使わせてもらうとするさ。
りぃ お、よかった。おばあちゃん喜ぶよ。

ナジ おまえには代わりにこれをやろう。お下がりではあるが、なかなか使える品だぞ。

くっ…高給取りの大盤振る舞いとはいかなかったかっ!

りぃ ありがとっ。

レイザーアクスを手にいれた!