あなたは、確か…。ウィンダスの族長ペリィ・ヴァシャイ様の使いの方?
うん。もう一度用事が…。
罪狩りのミスラ様なら、「光の弓」の情報を集めに、他国まで足を伸ばしていらっしゃるようですよ。
他国まで?
さすがです。
りぃ、何故、おまえがここにいる?これは私の問題、邪魔はしないで欲しいわ。
た、たまたまだよ。うん、たまたま。
あなたは…?
それは…。では、あなたが、天の塔に預けられた…。
ペリィ・ヴァシャイ族長に言われてここに来ました。あなたが私の過去について御存知だと。
…。
この双子石のピアスは誰のものなのです? 族長から預かったものの、私の双子石のピアスとは合わない…。
それは、あなたが小さいときにつけかえられたもの。…そう、あなたの、本当の双子石のピアスです。
…!やはり、つけかえられた…?
付け替えたピアス、ペリィ・ヴァシャイはずっと持ってたのね。
ええ、あなたのお母さんの願いで…。罪人の娘を逃がすために、あなたのお母さんは、罪人に自分のピアスを渡しました。
…!!!何故、私の母は、罪人にピアスを…?
今、セミ・ラフィーナの本当の双子石のピアスは、罪人の娘とペアになってるのね。
20年前のオズトロヤ城に捕虜になった一行。その中に、罪人と罪人の娘がいたという話は、あなたもご存知ですね?
その、残された娘さんを本国へ送り返すべきか否か、ペリィ・ヴァシャイ様は、随分と悩まれたようです。
送り返したら、罪の償いをさせられるのは必須で。罪のない幼い子にそれはとても酷なこと…だものね。
しかし、残された娘…ということは、娘が死んだというのは嘘だけれど、お母さんは本当に亡くなってるのか。
ん?ということは、要塞で王の涙虫が反応したものは娘の骨じゃないよね。
実はお母さんの骨ってこと?
オズトロヤ城で亡くなったけど遺体を引き上げることができていたのか、
実は脱出後に亡くなったのか。
あれ、そうなるとオズトロヤ城で見つけた双子石のピアスは?
落としてきてたのか…罪人の娘のピアスを付け替えた時に辻褄を合わせるために置きに行ったのかな。
ある晩、族長様は、私の元を訪れました。「罪人も罪人の娘も、オズトロヤ城でヤグードどもに殺された」と、本国へ報告すると伺いました。
そのために、彼女の身元を証明するもの…双子石のピアスを変えておく必要があったというわけね。
はい、あの頃の私たちは、罪人に決して消えない匂いがつけられていることを知りませんでした。そうすれば、すべて済むと思ったのです。
…私の母のピアスを使って罪人を逃すなんて、許し難い行為だわ。
確かに、罪人の娘を逃がすためにあなたのピアスを渡しなさい。と一般市民ミスラに強制したのなら酷い話だけれど、セミ・ラフィーナのお母さんの願いで交換したってことだし、そのお母さんって…。
それもすべて、その罪人が持っていたという「光の弓」のためなのね?
今となっては、私があなたに何を言っても、信じてもらうことはできないでしょう。ただ、言えるのは…
そっか、ただ罪人の娘に情けをかけただけではなくて、光の弓が絡んでるから難しいことになってるのか。
あなたがお持ちになった、あなたの本当の双子石のピアス…。その片割れは、北の地にあるということ。
北の地…?そこで、私の親は死んだということ?
ん?ピアスを罪人の娘にあげたのだから、セミ・ラフィーナのお母さんが北の地で死んだことにはならないのでは?
その持ち主が、生きているか死んでいるか、それはわかりません。ただ彼女は、20年前に護衛たちと共に、北の地へ旅立ちました。
幼いのに護衛と北の地…。
本国に送られるよりましだろうけど、過酷だわ。
私を残して北の地へ旅立った親になんて、会いたくはないけれどここまで来たからには、行ってみるわ。族長もあなたも、それを望んでいるようね。
あ、なるほど。
お母さんが罪人の娘に付いて行ったと思ってるのね。
早速行ってしまった。
セミ・ラフィーナなら北の地でもひとりで余裕なんだろうな。
りぃ。あなたには、1つ頼みたいことがあります。
ん?
どうか、ゴールドピアスという物を、手に入れてくださいませんか?それは、とても良いものだと聞きます。
ゴールドピアスを?
それがあれば、あなたには、もう少し詳しくお話しましょう。
うん。わかった。
さっきので全てじゃないのか…!
セミ・ラフィーナには言えない話なのかな。
うーん、奥が深すぎるクエストだわっ。