
うん、完璧な作戦だ!

おや、キミかい。また、いいタイミングで来たね。
作戦?

あれからどうやってアイツを連れ戻しにいこうか考えてたんだよ。話し合いで解決すればそれでいいんだけど、向こうはボクのことを当然知っているだろうから、ボクを見た瞬間に逃げちゃうかもしれないんだよね。
戻りたがってる感じも無かったから、そうかも。
せっかく居場所を突き止めたのに、ここで逃げられたら元も子もないから、確実に連れ戻せるように完璧な作戦を練ってたんだ。

……で、だね。その作戦にはキミの協力が必須なんだよ。もちろん、協力してくれるよね?
うん。
よし、決まりだ!じゃあ、まずは準備をしないとね。

さっそくだけどキミには昏睡薬とチャイを用意してほしいんだ。用意ができたら、ボクに渡してね。ボクもその間にいろいろと必要なものを揃えておくよ。
チャイと昏睡薬?
作戦は、用意ができてから説明するよ。それじゃ、よろしくね!

持ってきたよ。
用意してきてくれたんだね。ありがとう!こっちも準備万端だよ!

ところで確認なんだけど……キミは犯人と顔見知りなんだよね?
うん。
だったら、なんとかして犯人をお茶に誘ってほしいんだ。
お茶に?

犯人はおそらく、ボクのオートマトンを常に目の届くところに置いてると思うんだ。そうなると、なかなか奪い返すタイミングがないだろ?そこでこの際、一服盛って眠らせて、その隙にオートマトンを奪い返そうって考えさ!
だから昏睡薬。
上手く行くかしら…。
じゃあ、犯人を連れ出す役目は任せたよ。顔が割れてるボクにはできない役目だからね。

ボクはナシュモの港に茶屋を作っておくよ。わざわざこの作戦のために大道具を準備しておいたんだ。取り寄せるのに一苦労したよ。
茶屋を作る!?
大道具ってことは、出店みたいな?
よし、それじゃあ作戦スタートだ!うまく犯人を誘い出してね!

なんだい、またあんたか。今日も、あのからくり士を探してるのかい?
うん。
そいつならその道を……って、ちょうどおいでなすったみたいだな。

貴方は先日の……私に何かご用でしょうか?
選択肢だ。
何か用?
オートマトンの話が聞きたい
ナシュモを案内してほしい
お茶でも飲みませんか?
いきなりお茶に誘うのもなんだか変だし、オートマトンの話…って言って警戒されたらいけないし。ナシュモに不慣れな感じで案内頼んでみようかな。
ナシュモを案内してほしいの。
ええ、構いませんよ。先日のお礼も兼ねて、ご案内いたしましょう。
やった。

ほほう、港を見たいのですか。はて、ナシュモに来る人は、たいてい港から入ってくるものですが……。
イイからとっとと行こうぜ。暇なんだろ?

ここが港です。ほとんど何もない……って、あれ?

何かありますね。何でしょうか、あれは……。
へい、らっしぇーえい。
あからさまに不自然!!!
……なんだかあやしげな店ですね。

注文はお決まりですかぃ?ウチはチャイが自慢の店!オススメしますぜぃ!
選択肢が。
何を注文する?
チャイ
コーヒー
自分は遠慮しておく
チャイひとつしか用意しなかったから、足りなくなったら大変。
コーヒーください。
あいよっ!今日はいい豆を仕入れてあるよ!お連れさんはお決まりかい?

じゃあ私も同じものを。
何ィ!
いやいやいや。お客さん、ウチはチャイが自慢の店だよ?頼んでったらどうよ?

いや、私はコーヒー党なんで……
計画ミスやんか!
あっ!すみませんねお客さん!どうも豆をきらしてたみたいで!
えっ、さっきは……
しょうがないね!じゃあ、このチャイはサービスだ!まぁ、飲んでいってよ!

ふんふ~ん♪おいし~い~チャイの~作り~方~♪まずは~ミ……はい、できあがり!
ミ?
なんなの。

「まずは」の続きはなんだったんですか?
企業秘密です。
…………。
さて、どうぞごゆっく……あれ?

(……どっちが犯人用だっけ……?)
ええ!?
どうかしましたか?
いえ、冷めないうちにどうぞ!

(……あとはキミの運に任せたぞ!りぃ!)
そんなバカな!!
右のチャイからは怪しげな湯気が立ち込めている。
左のチャイからは怪しげな臭気が立ち込めている。
ひいぃ!どっちも怪しげ!嫌だ!!
せめて臭くない方を選ぼう…。
み、右の方で。
う~ん。チャイも意外といけますね。

ああ、そうだ。先日は沼地の化け物を倒していただいてありがとうございました。
いえいえ。
オイオイ。別にオマエのためにやってくれたわけじゃねぇだろ。ネエちゃん、アンタあんなところで何してたんだい?
そういえば、あんなところに用があるだなんて、珍しいですね。

それに、私を訪ねてくるというのも珍しい。今日は何か特別な用でも?
……フン。おおかた、用があるのはオレの方だろう。

なあ。イルキワラキ。
!!
バレてるやん!
なっ!?うっ………!

むにゃむにゃ……
鮮やかに昏睡した。
だがよく見ると目が開いている。
こわい…。

気づいていたのか……。さすがだね。会いたかったよ……エリザベス!
エリザベスとな。

キモいから名前で呼ぶな。
辛辣!!
…………。

さぁ、迎えに来たよ。一緒に帰ろう。
…………。

イヤだね!
あっ!
走って行っちゃった。

まったく照れちゃってなぁ。エリーかわいいよかわいいよエリー……。
えぇ…。

さて、犯人が起きないうちに、エリザベスを探しにいこうか。
ん、んん~~。

うっ、もう起きたのか!
レジったのか。

あっ!貴方は……っ!イルキワラキさん!ああっ、ついにお会いできた!
?

オートマトンを盗んだことは謝ります!ですから、どうか助けてください!
??
もう、あのオートマトンの横暴には耐えられません!どうか、早く引き取ってください!何度もお返しに行こうとしたのですが、そのたびにオートマトンに力ずくで止められて……うう……。
はぁ……。

しかし、なんだってボクのオートマトンを盗んだりなんかしたんだい?
話すと長くなるのですが……。
半年前のことです。私はアルザビで道具屋を営んでいたのですが、その日は雨が強く、人通りも少なかったためアイテムがあまり売れなかったのです。
そんなとき、小さなミスラの子が私の店に買い物に来たのです。そして、その子はこう言いました。「おーとまとん、売ってますか?」と……。
もちろん、道具屋にオートマトンなどは置いていませんでした。ですが、雨の中わざわざ買い物に来てくれたその子をむげに扱いたくもなかったので、私は……。


……というわけで、ついにドラゴンを倒した私は、その子の元へ急いで帰りました。あの子の、からくり士になりたいという願いを叶える時がきたのです。
しかし、まさかあのような悲劇が待ち受けているとは……。

その悲劇とは……。
本当に長いね。
( ˘ω˘)スヤァ
今、3分の1くらいでしょうか。続けてもよろしいですか?
……ボクらはオートマトンを探しにいきたいんで、このへんでいいかな?

では、とうとうあの非情で凶悪なオートマトンを連れて帰ってくれるのですね!?
もとよりそのつもりで来たしね。でも、どこへ行ったんだろう……。
ここからは船にでも乗らない限りは、カダーバの浮沼にしか行けません。私もお手伝いしましょう!
うん、お願いするよ。キミの無駄話を聞いてたせいで遅れちゃったしね。

無駄話!?
りぃもあと少しだけ付き合ってくれるかな。
ん?おはよう。

さて、それじゃあ行きますか!

こんな所まで来てるんかい。
めっちゃ危険…。

隠れてる。
けど見えてる。
やっと見つけたよ。さぁ、一緒に帰ろう。
イヤだね。

せっかく、なんでも言うことを聞く下僕を手に入れたんだし、こっちで楽に暮らしてた方がイイね。

何を言ってるんだ。また一緒にからくり芸をしよう!オマエの芸を楽しみにしてる人がたくさんいるんだぞ?
ああ、そうだな。けど、それはオレの芸を楽しみにしてるんであって、オマエの芸を楽しみにしてるんじゃない。

オマエはいつも隣に立っているだけだ。最近じゃストリンガーすら触ってないようなオマエに、いったい何の意味がある?
それは……。

オレは1人でもやっていける。だから心配せずにとっとと帰りな。
そういえば、名前はエリザベスだけど一人称はオレなのね。

待って!そう言ってソロ活動を始めて、売れなかった芸人をボクはたくさん見ている!
オレだって、「これ相方いる必要まったくないよな」って芸人をたくさん見てきたぜ。
他にも自分の意志で自由に動くオートマトンがたくさんいるの?
からくり士、よく分からん。
う……。
とにかく、オレに帰る気はない。まだしばらくは、ここでやっかいになるつもりだ。

そ、そんな……。
そ、そんな……。
おっさんもかい。

……わかったよ。
えっ!?
今日は帰る。けど、また迎えに来るからね。
えっ、えっ!?
フン、とっとと帰りな。

イルキワラキさん……。本当に帰ってしまわれるのですか?
今日はしょうがないよ。けど、必ず迎えに来る。

必ずですよ!絶対に、約束ですよ!
あ、あぁ……うん。
今後の人生かかってるもんな…。
そうだ。オートマトンを盗んでしまったお詫びと、必ず来るという約束のために、これを差し上げます。からくり士になりたいと言ったあの子が、最後に私に託したものです……。大事にしてくださいね。
(あの子って誰だ……?)
あの長い話の続きの最後の出来事なんかな。
あ、うん。これは、今回ボクを手助けしてくれたりぃに受け取ってもらうよ。

じゃあ、帰るね……。
…………。

エリザベス!必ず迎えに来るからね!!
キモいから名前で呼ぶな……。
イルキワラキ、無理矢理連れて行くことをせずにエリザベスの意思を尊重しててえらいなぁ。
マスターとオートマトンじゃなくて、信頼する相棒なんだろうね。
しかし、そんなにエリザベスって名前嫌なのかしら。
パペトリチュリダルを手にいれた!