こんにちは。なんかますます立派なナイトになってきたね!
上手だなぁ~。
やぁアイルベーシュ、元気にやってるかい?
あ、ビルバートさん! 帰ってきたんだね?またオークをやっつけてきたんでしょ?お話聞かせてよ!
誰だろ?
ごめん、アイルベーシュ。ちょっと疲れてるからまた今度な。この人は?見たところ僕と同じナイトのようだけど…。
うん、このお姉ちゃんにはビルバートさんが騎士団の遠征に行ってる間、いろいろとよくしてもらってたんだ。
騎士団の人かぁ。
そうか…。
申し遅れました、私は王立騎士団エグゾロッシュ分隊隊長代理、ビルバートと申します。アイルベーシュの面倒をみていただいて、私からも礼を言います。
はじめまして。冒険者のりぃです。
ビルバートさんは、お父さんと同じ隊にいるんだよ。
なるほど、だから顔なじみなのね。
現在、エグゾロッシュ隊長は体調が万全ではないため、私が隊長代理として指揮をとっています。
お父さん隊長だったの!?
お父さん、体なんてどこも悪くないのに…。
めっちゃ体曲げるな!!?
あ、そうそうビルバートさんは、この前の剣技大会で準優勝したんだよ!すごい強いんだ。
すごい!
いやいや、まぐれだよ。
おーい!
あ、ザラネイハムネイくん…。何か用?
お友達かな?
お前、釣竿を手に入れたんだってな。それなら、一緒にヌシ釣りに行ってやってもいいぜ。
え、ホント?あれだけ頼んでもだめだって言ってたのに!
あぁ、ホントさ。でも1つだけ条件がある。
条件?
その条件ってのは、大ヨロイ蟲を用意することだ。
え~、そんなの無理だよ!だって大ヨロイ蟲なんて僕らみたいな子供に取れるわけないじゃないか!?
そりゃ、もちろん。でも、お前の父さんに頼めば簡単だろ?なんたって騎士団の隊長なんだからな。
…。
小賢しいタイプの子だぁ!
じゃあ、約束だ。またここへ来る時までに持ってなかったら一緒に行ってやんないんだからな。
違う子と遊びなよ。と言いたけれど、子どもにも付き合いってもんがあるだろうからそうもいかないんだろう…。
ヌシってそんなにすごい魚なのかい?
そりゃもう!なんたってすごい宝物を飲み込んでるっていうんだよ。そいつを僕らで釣りあげてやるんだ!
でもどこで釣れるのかは秘密だよ。僕らが釣りあげるんだから、誰にも教えられないよ!
そういえば伝説にも、勇敢な騎士が大魚と戦い、そいつが飲み込んでいた宝物を手に入れた、ってのがあるな。アイルベーシュ、大ヨロイ蟲のことはお父さんに頼んでみなよ。な?
…う、うん。分かったよ。僕、お父さんに頼んでみるよ。
あのお父さんが魚の餌とか調達してくれるかなぁ…。
あぁ。じゃあ僕は今回の遠征をトリオン様に報告して、休ませてもらうよ。またな、アイルベーシュ。冒険者の方もお気をつけて。
ありがとう。
隊長代理かぁ。しっかりしてるなぁ。
下手したら隊長交代とかなってしまうのでは。
お父さん病気じゃないなら何してんだろう。
ビルバートさん、かっこいいなぁ。僕もあんなナイトになりたいよ…。
憧れるだろうねぇ。
ねぇ、お姉ちゃんもナイトだろ?伝説の騎士みたいにヌシを釣って宝物を手に入れてみたくない?
やってみたいね!
そうこなくっちゃ!でもまずは、大ヨロイ蟲がないと話にならないんだよなぁ。きっとお父さんに頼んでもダメっていうに決まってらぁ…。
だよねぇ。
私が取ってきてやるしかないか~。