聖なる印 其の弐

白タルの散歩道

シャクラミで竜の卵を取ったから、戻ってきたよ。

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Morjean あぁ、君か。残念ながらこのところワオーレーズ先生の姿を見かけないんだ。お体の調子でも崩されたんだろうか?毎晩遅くまで研究されてるようだし…。
りぃ 様子を見に行った方がいいんじゃない?

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ヤシェミド 先生に用事かい?残念だけど、留守にしてていないよ。
Morjean 誰だ、お前は?見ない顔だが…。

ヤシェミド 僕はヤシェミド。ワオーレーズ先生の門下生さ。先生は今ちょっと都合が悪くてね。

白タルの散歩道

ヤシェミド 君、竜の卵を持ってきたって?そいつはすごい!

むっ、聞いてたのね。

ヤシェミド 君さ、その竜の卵を孵化させてみたくないか?先生は危険だとおっしゃってたけど、僕は竜の誕生に立ち会ってみたい。学者なら誰だってそう思ってるに決まってるさ。

好奇心旺盛だね。

ヤシェミド 実は、その卵を孵化させる方法を知ってるんだ。協力してくれないか?君だって、興味があるだろう?

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りぃ 興味が無いと言えば嘘になるなー。
ヤシェミド そうこないとな!じゃあ、その卵をメリファト山地のドロガロガの背骨の東端においてみるがいい。

りぃ そこに置けば卵がかえるの??
ヤシェミド もしその竜が聖なる印を持っていれば、竜騎士になることだって夢じゃない…。楽しみだな!

聖なる印?
学者先生が竜には聖と悪があるって言ってたの、じゃあ、悪の印を持つ竜もいるってこと?

しかしヤシェミド、テンション高いけど、学者の卵ならもっと冷静さが無いと…大丈夫なのかなぁ。

Morjean ヤシェミドなんてやつは聞いたことがないな。しかもメリファト山地のドロガロガの背骨の東端で卵を孵すだなんて、初耳だ。
りぃ えぇ?そうなの!?

今のところ一番信用できそうなこの人がこんなこと言うなんて。

りぃ 嫌な予感しかしない!!

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でも仕方がないので行くよー。東端って、オズトロヤ城の方だね。

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着いた。ここだ。
…本当にここで卵が孵るのぉ?

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ヤシェミド りぃ、すごいじゃないか!

あ、来た。

ヤシェミド おお、見るがいい!これが、竜だ!今まさに…

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りぃ 本当に生まれたし!?しかも一瞬で!!?
ヤシェミド りぃ、よくやってくれた。君は下がっていたまえ。

りぃ うん?え、なんで?

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剣!?

ヤシェミド そしてきさまは、いまここで真の竜騎士の復活を目にするのだ!!
りぃ は!?

ズシャッ!

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りぃ あーっ!!何してんのよ!!
ヤシェミド そこを動くな!一歩でも動けば、この竜にとどめを刺す…。

なっ、なにこいつ!?竜の研究したい学者見習いじゃなかったの!?

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ラーアル シラヌスッ!遅かったか…!

ラーアル!?
えっ、シラヌス??

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シラヌス フハハハ…!待っていたぞ、この時を!ラーアル、ドラゴンスレイヤーの貴様に施されし封印を、今破る時が来た。

りぃ 突然のマスクマン!?

ラーアル やはり生きていたのか、シラヌス!

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シラヌス ふん、牢で潰されてくたばったのは、間抜けなあの獣使いの方さ。

ぺちゃんこになって誰だか判別不能だったのはシラヌスだと思われてたけど、一緒に牢に入っていた獣使いの方だったのね。そして逃げたのはシラヌスだった、と。

シラヌス 赤子の竜の血を浴び、ついに我が肉体は完全な竜となる!フハハハ…!

もう、これは正気ではない?

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りぃ 逃げちゃった。

ラーアル シラヌス…。そうじゃない、お前が竜になるんじゃない。竜がお前になるんだ…!
りぃ えぇ!?

取り込まれちゃうの?
シラヌスは勘違いしてるの?

ラーアルはそれを教えたいけど、逃げられるか、信じてもらえないか…なのかな。

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りぃ あっ、ちょっと、ラーアルまで何しようとしてるの!
ラーアル 来るなッ!こいつは、きっと我らに仇をなす竜に成長するに違いない…。

そんな、憶測で!

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ラーアル たとえ今は罪なき竜だとしても、悪しき印を持つならば退治せねばならないのが、ドラゴンスレイヤーとしての私の使命。

白タルの散歩道

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ラーアル この竜は珍しいことにどちらの印もない。…だが、あの時もそうだった。

めちゃくちゃ躊躇ってるじゃない。
ドラゴンスレイヤーって、容赦なく竜の赤子を狩るって噂だったけど。

ラーアル 私はかつて、ある竜の誕生に遭遇した。そいつは不思議なことにどちらの印も持たなかった。そして、その竜と契約を結んだのがシラヌス、…私の友人だ。

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ラーアル だが成長するに従い、竜には悪しき印が徐々に浮かびあがった。だから私はシラヌスに封印を施し、無理矢理地下牢に閉じ込めたのだ。竜に乗っ取られるのを少しでも遅くするために。

ラーアルがシラヌスを牢に入れたって、本当だったんだ。
そしてドラゴンスレイヤーって、封印もできるのかぁ。

ラーアル だが、それも無駄だった…。あのとき、私があの竜を斬っておけば!シラヌスの悲劇をニ度と起こさないためにもこいつは始末しておかねばならないのだ!

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ラーアル …シラヌスを探すにはこいつの力が必要か。

剣収めたし!
めちゃくちゃめちゃくちゃ躊躇ってるじゃない!

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ラーアル とりあえず、こいつは私の仲間に預けておく。命は助かるだろう。だが、シラヌスの追跡が終われば容赦なく、斬る!いいな。
りぃ う…ん…。

斬るって言うけど、ラーアル斬れないのでは…?

ラーアル シラヌス、俺はお前を信じている…。お前も俺を信じていてくれ。

よほどの仲の2人なのね。

シラヌスどこに行ったのかなあ。

そしてラーアル、子竜助けるのね。容赦なく殺すんじゃなくて。
ドラゴンスレイヤーとは…?
世の中の認識間違ってるのでは。