
やぁ、みなさん。お待たせしました!

ああ、待ったよ。もう10年もね。
えっ?

バレリアーノ、今日はあんたに私を一座に入れなかったことを後悔させてやるよ!

ライラ、君は……。
一方的な感情になっちゃってるなぁ。

りぃ、お客さんのダンスの好みは覚えたかい?
うん。
若いお客さんには「ワルツ」、年配のお客さんには「サンバ」、子供たちには「決めのジグ」ね。
よし。りぃ、あんたの実力ここで見せてやりな!

えーっと、向こうに子どもが2人いて多いからまずは決めのジグ。
ひとり来た。
んで、何でもいいなぁ。
サンバ。
一人減っちゃった!
ワルツ。
決めのジグ。

いやああ!
どんどん減っていくぅ!!!
ワルツ。
サンバ。
決めのジグ。

増えた!
増えてきたぞ!!
ワルツ。
サンバ。

来た!
全員来た!!!
圧勝でしょう。これ。
決めのジグ。
ワルツ。
2人減ってしまった…。

って、あれ?
どうして終わった瞬間向こう行くの!!?
赤いおじいさんも動いたけど大丈夫なのこれ!?

座長、さっきから踊り子たちがわれわれのお客さんを横取りしていきますよ。
あっ!全員こっちにいる?
どこでどういう判定してるんだ??
いやでも、ミニゲーム1回で終わってよかったぁ。

(ライラ、君はどうしてしまったんだ……)

(これは私が夢見ていたステージではない……。私が……私が求めていたものは……)

あっ、過去ロンフォールの曲!

その笛の音は……!


まさか……

あのとき、メシューム湖のそばで笛を吹いていたのは……あんただったの!?
あんた、座長の笛を聞いたことがあるんすか?
ああ……。


まだ小さいころ……水晶大戦のさなかだった。私は練習漬けの毎日に嫌気がさして、家出をしたんだ。

そのとき、湖のほとりでその笛の音を聴いたんだよ。私の身体は、その音色に導かれるように動きだした……


そして私は、忘れかけていた踊ることの楽しさを思いだしたんだ。今までダンスを続けることができたのは、その笛の音のおかげなんだよ。


君があのとき、私の笛の音に合わせて踊っていたのは知っているよ……。

なんだって……!?

湖畔で踊る君を見たんだ。とても素晴らしいダンスだった……。今日は、またあのときのように私の笛で君が踊ってくれればと思って来たんだ。

…………。

いまの私には無理だよ……。私はあんたに断られた日から、バレリアーノ一座に勝つことだけを目標にしてきたんだ。

いままで、あんたを見返すためだけに踊ってきたようなもんさ……。私に踊る資格なんかないよ……。
そうだったのか。君を苦しめてしまってすまない……。
お客さんに全部見られてしまってるけどいいんかな。

でもあのときは、周囲から期待されていた君を、一座に入れるわけにはいかなかったんだ。
え……?


君は周囲に大切に育てられ、ブリリオート流という名門を継ぐ立場にあった。そして栄えある「輝く星の踊り子」として、すでに大輪の華となる素質を開花させていた……


それを手折って、自分だけのものにする権利は、私にはないと思ったんだ。
やっぱりそういう理由だよね。

サーカスには、サーカスに似合ったダンスというものがある。それは君の持つ資質とは、違う種類のものだ。私は君のダンスが好きだった。だから君の成長を、遠くから見守っていたかったんだ。

……それじゃあ、私に実力がなかったから断ったわけじゃなかったのね……。
もちろんだよ。君は、誰もが認める天才踊り子じゃないか!
言葉足らずの勘違いにすれ違いで10年も。

すまない、私がもう少しきちんと話していれば……。
……ううん、いいの。あのときそう話されても……私、わからなかったと思うわ……。
確かにそうなのかもしれない。
これも必要な成長だったってことかぁ。

私はただ一座に入ることしか考えてなかった。みんなにどんなに大切にされていたかも気づかずに……私、何もわかってなかった……。

恥じいる必要はないよ。現に君は、私の一座なんかより、もっとたくさんのお客さんを楽しませる舞踏団を作りあげたじゃないか!
バレリアーノ……。

ライラ、さぁ、踊ってくれないか。君は本当のダンスの楽しさを知っているはずだ。

……ええ!

お客さんも一安心しとる!



タッタッタターララ

タッタッタッター。

タラタッタッタターララ

タッタッタッター…


本当に、素晴らしいステージだった。またジュノに立ち寄ることがあったら、共演しよう。じゃあ、われわれは行くよ。

……?
どうした?

その石は……。

片割れが近くにないと光を失う石が両方光ってる。

そうか……星くず石の片割れを持っていたのは君だったのか……。
そうだったのね。あなたもあのとき……
もう運命の2人なんだろうけど、どうこうなるわけじゃなくこのままの関係なんだろうな。

私、ここでもういちど、最初から始めるわ。この石を持ち帰った日のように……。

ああ。遠くから見守っているよ。


ライラ、憑き物が落ちたみたいでよかった。

りぃ、初舞台ご苦労だったね。あんたのダンス、なかなかのもんだったよ。
へへっ。
これも日ごろの特訓の成果だねぇ。がんばったご褒美に、これをやるよ。
やったぁ!

……それにしても、ダンスを勝負の道具にするなんて、私はいままで何をやってきたのかね……。恥ずかしい話だけど、ダンスをあんなに心から楽しめたのは久しぶりさ。

またいつか、バレリアーノのそばで踊りたいな……。
本人に言おうよー!!
ダンサーカザクを手にいれた!
他の部位のAFも入手して、と。


踊り子完成!
可愛いんだけど、ヒラヒラ着慣れてないから違和感~~~!