変容 其の壱

ワーウード 占いでもいかがですか?冒険者の方ですから、お安くしますよ。ふふ。

また目がキラーンで異空間なんかな。

りぃ お願いします。
ワーウード 試練の暗示……。其は気高き門の先にて果たされん。

えっ、いつもと違う!
そこに行けってこと?

占い料として、1000ギルを払った。

ちゃっかり金取られた!!!
なんなの!!

気高き門ってことは、皇宮白門のことよね。きっと。

??? : ……あり得ぬ。最近、あの被験体の高濃度のコバルト値を計測したばかりなのだ。

??? : アレのコバルト変数が当初の計画をはるかに上まわる可能性は、かねてより予測されていたことではないか。

ラウバーン …………。

あれ?
ラウバーン、今占いしてくれたのにもう着替えてここにいる。

いや、考えてみれば忙しいだろうに一日中変装してあそこに立ってられないよね。
両方ともラウバーンだけどあっちの方はコピーロボット的な…ってこと?

それともご都合主義的な感じで私が見てる時だけあそこに立ってていつもは不滅隊の仕事してる。とかなのかしら。

うーん、どうなんだろう。

??? : しかし、あれほど順調に成長していたモノが、ここまで急激な変容を示すなどと……。

被験体って誰のことだろう。

ラウバーン 「人」の心は移ろいやすきもの。驚くには値しない。
??? : しかし、アレが明るみに出れば、貴公とて皇国軍の追及を免れまい?

??? : 左様。貴公ら不滅隊は、ただでさえ軍に目の敵にされているのだ。

軍と不滅隊、協力してるのかと思ったら仲悪いんだ?

ラウバーン 軍とて無能ではない。皇国のため、聖皇様の御ため、黙するべきことぐらい理解しよう。

ラウバーン それに……
??? : ……?

ラウバーン アレは、人の手に負えるようなモノではない。たとえ、師団規模の兵でもな……。

被験体ひとりに一個師団が敵わない?
それって、とんでもない…。

??? : なれば、なおのこと……

ラウバーン 失敬。適任のモノが到着したそうだ。後の処理は我々に任せていただこう。
  

適任のモノって、私かい。

モノがカタカナな辺り、そうか、なるほどね。

ラウバーン 皇国軍管轄の海底遺跡群に、人型幼体期のソウルフレアが侵入した。りぃ。貴様の晩餐にくれてやろう……。

ラウバーン ただし……幼魔とはいえ、ヤツを侮るな。おそらく、貴様より知能が高く、魔力も豊富だろうからな。

ん?
被験体を私ひとりで倒せと!?

つまり、青魔道士ひとりで普通の人間の一個師団以上の力がある、と。

……んん?被験体…幼体期のソウルフレア??

ラウバーン 話は以上だ。行け!

色々不可解なことが…。

Luqrabah あのモノはまだ入隊したてではないのか?
Harjeel 左様。真実に耐えられるか……

ラウバーン いずれ知ること。これで終わるというなら、そこまでの存在。弱きモノは遅かれ早かれ同じ運命をたどるのだ。

Luqrabah ……そうはいってもだね。

Wathdeeh 最悪、第三種変体も想定せねばなるまい……。
ラウバーン 第三種変体?

ラウバーン ……くくく。聞くが、アレを生み出したのはどこの誰だね?
Harjeel …………。

ラウバーン 問題が起きればくだらんことを蒸し返すばかり。机上の空論しかできんのか、貴様らは?

ラウバーン アレが表に出んとするならば、その前に魔として処理すればよいだけのこと。たとえ、我らは変わろうとも、皇国は、聖皇様は変えさせぬ。

ラウバーン 我らの命脈つきるまで、これまでも……そして、これからも……。

眼が光ったァ!

うーん、このエプロンの人たちがヤベー実験やってヤベー生物作り出してヤベー状況になってるのね。
ラウバーンにアーリマンの水晶体埋め込んだのもこの人たちよね。

アトルガン皇国ヤベーな。