そわそわ…。
どうしたの?
あ、ちょっとっ!だめですよ、今日は立ち入り禁止ですっ!これから博士さまたちが、星の木の調査にいらっしゃるんですからっ!
えっ!?
誰にも止められなかったよ!?
おーい、来てやったぞ、ワシがコルモル博士じゃー!
オホホホ、わたくしが来たからには、問題はちゃちゃっと解決ですわ。
この3人…!
嫌な予感しかしない!!!
ええ、ごほん。今日、皆様に集まっていただいたのは他でもない。
こちらのチュミミさんからここ星の木の畑に植えられている木々が発育不良である問題の調査を依頼されたからである。
はい、このままでは、ここ星の木の畑で栽培されている星の木が…
答えは簡単だ!ずばり、土が悪いのだ!ここの土は、栄養が足りてないのだ!
調べてないのに分かるの?
おそらく何百年も前から、土を継ぎ足したりせずに、ずっと同じところで育て続けておるのだろ?
推測かい!
はい、ですが、今までに特に異常は…
こら、コルモル、勝手に決めつけるものではない。
そうやって決めつけてから行き当たりばったりで実験するのではなく、論理的に、式と解の形に落とし込んでから初めて自分の理論を展開するのが学者と…
ああっ、なんとなく博士っぽいこと言ってるぅ。
マァマァ、お見苦しいこと。ヨランオラン博士、そんなにムキにならなくてもコルモル博士の理論が間違っているのは、いつものことじゃありませんこと?
なんだと、シャントット!じゃあ、おぬしは土が悪くないと言うのか?じゃあ、何が原因か言ってみい!
オホホ、よござんす。それはですわね、光ですことよ。
調べてないのに分かるの?
この光をごらんあそばせ。お二方には、この輝きが鈍まっていることがおわかりになりません?
鈍く…なってる?
日々、様々なものの輝きに気を使うわたくしは、すぐにわかりましたわ。
植物というものは、光から力を得て、育つものですのよ。その光の力が弱まるということは、「死ね」と言われているようなものですわ。
それは、確かに。
ですから、チュミミ、この光を強めれば解決ですことよ。
しかし、光の強さを毎日確認していますが、べつだん変化は…
光の強さ変わってないんかい!!
黙って話を聞いていたが、まったくもって、お二方ともわかっておらん。原因は、水だよ、水!生命の水!
調べてないのに分かるの?
いいかね?私の下によく若いのが相談に来るが、このごろサルタバルタの水に異常が起こっているそうだ。
星の木は、星の大樹の子。それはつまり、はるか昔からウィンダスに生きてきた種ということ。
ふむふむ。
現在よりもはるかに魔力が溢れていた、古代の時代に生まれた古き種なのだ。これすなわち、この種が他の種よりも、魔力の減少に耐えられぬ種だということ。
…お言葉ですが、ここの水には、冒険者の皆様から集められたクリスタルを使って、毎日、十分な魔力を…
まったく別件の問題やないかい!!!
いいや、土だ!ワシが土と言ったら土なのだ!
おだまりなさい。原因は光ですわよ、光。わたくしが言うのですから間違いはないですわ。
ちょっと待ちたまえ。君ら、私の話を聞いていなかったのかね?「水に何らかの原因がある」と私が筋道立てて説明したではないか!
スターマイトが大樹の根っこ食べてるから、星の大樹が弱って魔力が少なくなってるんじゃないのかなぁ…。
でも、土ったら土なの!
光に決まってますわ!
水が悪いにきまっとる!
調査に来たはずなのに全然調査してない!
それどころか、ただ言い合ってるだけー!!
…あわわっ、どうしましょう、冒険者さんっ。どうにかしてください、冒険者さんっ。
ええっ、こんなのどうにもならな…
えっ、選択肢!?
どうする?
コルモルに味方する
シャントットに味方する
ヨランオランに味方する
こ、こんなの、シャントット様に味方しないと呪われるじゃないですか!!
あ、あのー。
いいか!?あまりワシを怒らせんほうがいい!おまえたちの、誰にも知られたくない恥ずかしい~ヒミツをばらしちゃうぞ!
恥ずかしい~ヒミツって何だ!?
私はシャントット様の意見が合ってるんじゃないかなーって。
なんですってぇ!?わたくしをまた、ぶち切らせたいんですの!?今度は、石像にするくらいじゃ済みませんわよ!
え、この2人を石化させたの!?
思ったりなんたり…。
2人とも黙れ!すぐ黙らんと、私が立て替えているもろもろの借用書の期限、今日の今にしてやるぞ!
ヨランオランの名言キター!!
…。
りぃは無視されてしまった……。
無理でした…。
…ちょっとっ、あの…ちょっとっ! 聞いてくださいっ!
あっ、すごいチュミミ!頑張れチュミミ!!
わかりましたっ。博士さまそれぞれ、土と光と水を良くするために力を貸してくださいっ。
全部良くなって、星の木が元気になれば、それでいいのですからっ。
…。なるほど、その通りだ。
圧倒的正論でこの3人をおとなしくさせた!!!
とんでもない逸材だ!チュミミ!!
では、私は鼻の院へ行き、ギデアスの名水を、たくさん届けさせることにしよう。では失礼。
もしかして鼻の院のギデアスの名水が残りわずかになったのって、ヨランオランのせい…?
土のことは、ワシに任せておくがいいぞ!ワシには隕石という不思議な力を持った石があるのだからな!
隕石って、モジジちゃんと仲良くなるための願い事するのに使ったんじゃなかったんだ!?
…。
ん、なんか悪寒が。
そういえば、りぃ、あなた、なんでこんなところにいるんですの?
ピッ!た、たまたま居合わせただけですぅ。
ちょうど良かったですわ。あなたにお使いのお仕事をお願いいたしましょ。ザルカバードの地へと赴いて、煌く奇石を取っていらっしゃい。
ヒィー!
煌く奇石は、ザルカバードにあるオーロラのクレバスに変色クリスタルを放り込むとできるものですわ。
ハイッ!
って言わなきゃ呪われるぅ!
素直で結構。さぁ、さっさと行っていらっしゃい!
3人とも帰って行った…。
…。
…。
こういうことになりそうな気がしていたので、立ち入り禁止にしてたんですよっ。あなたも運が悪いお人ですねっ。
(ノД`)・゜・。
まずはテレポイントにクリスタルをトレードして変色クリスタルを作って…と。
ズヴァール城外郭に本ワープで来て、外に出て。
ここだな。
ここらへん。
どーん!
煌く奇石取ってきたよ。
ありがとうございますっ。これを使って、光を与える装置を改良してもらいますねっ。
魔改造されないことを祈る…。
あ、それと…っ。これですが、シャントット博士さまが、「あなたに」と。
ん?なんだろう。
これを純粋な好意ととらえるかどうかはあなたの自由ですけど、私が思うに、何か裏があるような気が…。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
キャストワンドを手にいれた!