そわそわ…。
どうしたの?
あっ、きましたねっ。ちょうどよかったですっ。博士たちがそろそろお見えになるところですっ。
えっ!?
前回までは「巻き込まれますよ!」って注意してくれてたのに、メンバーに組み込まれてる!!
ワハハ、魔法人形が直ったぞ~。
まったくもう、毎度毎度、やれやれですわ…。
ぎゃあ!来た!!
まず、報告しよう。星の木の生育が不振なのは、あの魔法人形の呪いなどではなかった。
でしょうね。
もちろん、コルモル博士の言う、星の大樹の怒りといったものでもない。
やっぱり、そうですか…。
そこで我々は、全知能を傾けて、この問題に取り組んだ!
んなぁ!まだ、全知能を傾けてなかったんですかっ!
まぁまぁ、チュミミさん。それで、我々が自明の理を見逃していたことに気づいたのだから、よしとしようではないですか。
結果オーライなのだ。
どこまでもポジティブなタルタル。
…。それで、自明の理とはなんですかっ?
星の大樹だ。星の木の親は、星の大樹。星の木の問題は、星の大樹の責任なのだ。
それじゃよくわからんぞ、コルモル博士。チュミミさんにもわかりやすく説明せねば…。
やっぱり、スターマイトが大樹の根っこ食べてるから、星の大樹が弱って魔力が少なくなってるんじゃないのかなぁ…。
星の木は、星の大樹の実から成る木…。我々は、この星の大樹の実自体に、魔法力が足りなくなってきているのではないかと考えているのです。
ふむ。
星の大樹は、一見、昔と変化ないように見えますが、実はゆっくりと何かに蝕まれているようだという報告が、うちの若い研究員から上がってきています。
このゆゆしき問題については、今まで若いものたちに任せてきていたのですが…。星の木にまでも影響が出てきている今、私たちが早急に手を打たねばなりませんね。
…。ということは、答えは最初からわかっていたんじゃっ…。
もっと突っ込んでやれ!チュミミ!
ごっほん!真実には、紆余曲折して辿り着くものです。そうでしょう、チュミミさん?
…。
物は言いようだ!!
鼻の院は、星の大樹に関して、天の塔の協力もあおぎ、色々と調査してきました。しかし、地上部分の調査だけでは、もはや限界だと結論づきました。そこで、私たちは、地下部分の調査に入りたい。地下に広がる根の部分です。
それは、トライマライ水路のことですねっ。戦争の後、立ち入り禁止になった…。
ええ、そうですわ。チュミミ、あなたから星の神子さまにトライマライ水路へ降りる正式な許可をお願いしてちょうだい。
わたくしたち、この冒険者をそこへ調査に行かせることにしましたから。
えーっ!?
わかりました、すぐ行ってきますっ。ただ、許可がおりるまで、しばらく時間がかかると思います。それまでお待ちくださいっ。
…ところで、この冒険者、まったくの素人のようだが、何の知識もないまま地下の調査ができるのか?
無理でございます。
…。ううむ。そうだ、シャントット博士、ついてってやるわけにはいかんかね?
オホホ、お断りですわ。わたくし、地下水路への許可がおりたなら別に行きたい場所がありますの。
なに?ああ、カラハバルハの研究所だな!?シャントット博士、それは公私混同、職権乱用だぞ。
そうは言いましてもわたくしから借りた防具を返さずに死んだカラハバルハが悪いのですわ。
シャントット様からカラハバルハが借りた防具…?
完全召喚の時にでも使ったのかな。
カラハバルハも、わたくしに恨まれっぱなしでは、ゆっくり眠ることもできないでしょうからね。人助けというものですわ。
長い付き合い、博士の詭弁には、私はごまかされんぞ。だいたい…
おお、そうだ!ワシの魔法人形を連れていけばいいのだ!「敵を見つけるくん・1号」を改良するのだ!
話ぶった切った!
おお!
あら、ナイス考え。コルモル博士、冴えてますことね。
えへ!
気にしてない!
けれど、ウムムム!それには、重要な材料が1つ足りん!おい、冒険者!絹布を持ってくるのだ!ワシの家に持ってくるのだ!
えーっ。わかったよぉ。
ワシの冴えた予感だと、おまえさんは今まで通り、チュミミに手渡しそうな気がするが、チュミミに渡しても意味がないから、注意だぞ!
えっ…。
そう言われると期待に応えたくなるじゃないですか。
えーっと。
/itemsearch 絹布
絹布は次のストレージに存在します。
モグサッチェル
持ってたわ。
あらまぁっ。それは、コルモル博士に手渡してくださいっ。
注意されるだけだった!