…ムム!そういえば、あの種はどこへ行ったのだ!?ラススちゃんが持っていったままだ!
渡してたんだ?
なんだね、コルモル博士。急に大声を出して…。何か、思い当たることがあったようだが?
確かに思い当たったぞ!ワシは、星の木の怒りを買ったのかもしれん。
ウムム…そこの冒険者、ちょっと耳を貸せ!こっちゃこーい!
なんでー!?
…一体、何を…
ヨランオラン博士、きっとわたくしたちは聞かないほうが良いですわ。コルモル博士のゴタゴタに首をつっこんで酷い目にあわなかったことがありまして?
ううむ、確かに…。
シャントット様賢明すぎる!!
いいかね、冒険者。こっから先は、内緒の話なのだ。
すぐ後ろにみんないるから、全部聞こえてると思うの。
20年前の戦争の時、ラススちゃんという、タルタルの研究者が、ジュノにいたのだ。
このラススちゃんを捜しだして、種が入った袋を返してくれと伝えて欲しいのだ。
種が入った袋…。
そして、それをこっそり…、あそこのチュミミに渡しておくのだ。…どこかに落ちてたとでも言ってな。
えぇー。それで買ったかもしれない怒りおさまるかなぁ。
…しかし、種が入った袋?
/itemsearch 種が入った袋
種が入った袋は次のストレージに存在します。
モグサッチェル
やっぱり持ってたわ。
確か、クロウラーの巣のエレが落とすやつよね。
多分数年前に拾ってずっと金庫の中。
これ、星の木の種だったんだ。
すぐに渡してクエスト完了。
…の前に、行かなくても話が進むイベントがあるので見に行くよ。
ジュノのこの人。
なんだね?20年前の話を聞きたいというのかね?
うん。
確かにわしは、20年前、食糧難問題について研究をしていた者だが…。
コルモルって人いなかった?
…ほほう!コルモル!覚えているぞ、その名前!
おおっ!
学者には風変わりな者こそ多いが、あそこまで風変わりな学者は、そうそういない。あれはもう、変人の域を越えていた…!
なんてこった。
しかし、そんな彼にも可愛らしい彼女がいてね。…忘れようにも忘れられない…ラススという名前だった。
えっ!彼女だったの!?本当に?友達じゃなくて?
はっ、そんなこと聞きたいんじゃなくて。
ラススは今どこにいるか知ってる?
…なに?彼女がどこにいるか知りたい?それはまた…、何故なんだ?
えーっと、コルモルが探してるの。
そうか…。コルモルが捜しているというのか。忘れっぽいコルモルも、彼女のことをやっと思い出したのか。…あのまま、ずっと忘れていればいいのに…。
やっぱり忘れてたよね?
既に20年経ったとはいえ、本当のことは、伏せておくと約束できるなら、教えてやるよ…。
え、伏せておく?うん、分かんないけど分かった。
あの頃、ロランベリーの畑がクロウラーの巣に巣食うモンスターたちに食い荒らされていてね。街の人たちは糧を失い、とても困っていたんだ。
そんな人々を見かねて、ある冒険者が、女王虫を倒しに行くと言い、他の冒険者を募り始めた。
おおっ。
遅々として進まない研究に業を煮やした彼女は、いてもたってもいられなくてその一行に参加したんだよ…。
ラスス、研究者だけど戦えたのかな?
わしは、彼女を説得しようとコルモルに連絡を取ろうとした。しかし、彼の祖国は混乱の極みにあって、連絡は取れず…。
ラススが「ひとつ自分でやってみなくちゃならないことがある」って言ってたのが、クロウラーを倒すことだったのね。
ラススが討伐隊に参加希望
↓
ほぼ同時にウィンダスがコルモルを招集
↓
連絡取れず
↓
ラスス出発
かな。
そして…、彼女は、クロウラーの巣で戻らぬ人となった…。
えっ!?
戦争が終わり、わしも何度か、コルモルにラススのことをしたためようかと思ったが、どうしても書けなかったよ。
嘘でしょ。
あっ、だから種の入った袋はクロウラーの巣で手に入る…うわぁ。
戦争の直後のウィンダスは、想像しがたいほどの荒れ果てようだったからね。祖国の荒廃を目の当たりにした彼に、それ以上の悲しみを告げることなどできなかった。
今は陽気に暮らしてるけど、5院の院長だし当時は大変だったろうからねぇ…たぶん。
そしてその後は…。コルモルの恋多き性格を考えると、いつしか彼女のことを忘れているだろうと思ってね…。
ご名答。
コルモルのことを、君も少しは知っているだろう?彼に、悲しみほど似あわぬものはない。ラススのことは、このまま黙っておいてくれ。
うん。
ああ。
あんなに心優しく何の罪もないラススが亡くなってたなんて。
だから戦争はダメなんだよ…。