ふたりの想い 其の弐

白タルの散歩道

うおおおお!ヤーガウミガー!!

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りぃ のわー!!?
ヤーガウミガ りぃ!?手を出さないで!こいつはボクが倒す!!

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りぃ そんなこと言われてもそうはいかない!怪我してるでしょ!

Rinlyは、Ingaevonを倒した。

ヤーガウミガ ……なんで来たの?ボク1人でも、倒せたよ……。

ヤーガウミガ ルトが心配してた……?……そう……。……先に戻るよ。

なんか、すごく元気がない…。
ひとりで倒すのにこだわってたし、どうしたんだろう。

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ルト ヤーガウミガ!心配していたのよ。無事で良かったわ。

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ルト でも、どうして二度も1人でクフィム島へ行ったの?
ヤーガウミガ ……自分の力を、試したかったんだ……。……モンスターを倒して、ボクも1人でやれるって証明したくて、1人で行ったんだ……。

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ヤーガウミガ ……いつも、りぃに頼ってばかりだからね……。

えっ、そうだっけ?

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ルト ……そうだったの。……フォクルマンさんの相棒だった人にも、やっぱり何か理由があったんじゃないかしら……。
ヤーガウミガ フォクルマンさんの相棒?

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ルト ええ。フォクルマンさんは、わたしにクフィム島のモンスターの話をしてくれた人よ。昔、フォクルマンさんにも相棒がいてね……。
ヤーガウミガ それはきっと、ペンブロークさんのことだね。

りぃ 知ってるの!?
ルト ペンブロークさん?

ヤーガウミガ この前、ボクが怪我をしたとき病院で会った人だよ。

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モンブロー どうですか、調子は。

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モンブロー そうですか。ではまたお薬を出しておきますね。でも、薬で治るものじゃないですから、散歩したりして、気分転換してくださいね。

白タルの散歩道

モンブロー ではまた、来てくださいね。

喋らないな。
…喋れない?

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改めて思ったけど、診察の様子が外から丸見えじゃないか!
患者のプライバシーへの配慮とは。

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ヤーガウミガ ……先生。
モンブロー ああ、ヤーガウミガさん。あなたはもう大丈夫ですよ。

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ヤーガウミガ さっきの人は?
モンブロー ペンブロークさんですか?……彼は声が出ないのです。40年前のことが、いまだに大きな傷になっているのでしょう……。

40年も喋れないの!

モンブロー それ以来、彼はずっと声が出ないままなのです。きっかけさえあれば、きっと元通り話せるようになると思うのですが……。

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モンブロー そういえば、ペンブロークさんもあなたのような冒険者だったそうですよ。確か彼にも相棒がいたらしいのですが、もう何十年も会っていないとか……。

患者の個人情報も漏れまくりだ!!

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モンブロー 相棒だった方がいてくれれば、声が治るきっかけにもなると思うのですが。今はもうどこの誰かもわかりません。
ヤーガウミガ ………。

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ルト まあ、声が出なくなったですって?きっとフォクルマンさんは何も知らないはずよ!

回想の時にもう声が出なくなってたんだろうけど、気づいてなかったぽいよね。

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ルト 2人ともきっと誤解したままなんだわ。ヤーガウミガとりぃで、2人を引き合わせてあげてちょうだい!

ヤーガウミガ ペンブロークさんならまた病院に来てるかもしれないよ。りぃ、行ってみよう!
りぃ うん。

ルト フォクルマンさんには、わたしから話しておくわ。うまくいくといいわね。

白タルの散歩道

モンブロー そうですか!ペンブロークさんの相棒が誰かわかったんですね。

今まさに診察受けに来てるとは。

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フォクルマン ……ペンブローク……。声が出なくなったというのは本当か?
ペンブローク ……!

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フォクルマン ああ……なんてことだ。お前がそんなことになっていたなんて、ちっとも気づいてやれなかった……。……ペンブローク、一体何があったんだ?
ペンブローク ………。

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モンブロー ペンブロークさん、頑張ってください!彼はあなたのことを聞いて、かけつけてくれたんですよ!
ペンブローク ………。

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ペンブローク ここが、強力なモンスターが現れるといわれている場所だな。フォクルマンに負けないように、絶対に俺1人で倒してみせる。

フォルクマンの方が強くて、劣等感もってたのかな。

ペンブローク ……明日はぺラジアとの結婚式。これからは俺1人であいつを守っていかなきゃならないんだ。

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ペラジア ペンブローク!
ペンブローク ペラジア!?どうしてここに!?

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ペラジア あなたがここへ1人で向かっていると聞いて、心配で……。
ペンブローク 俺のことは心配するな!ここは危険だから、早く街へ戻るんだ。

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ペラジア きゃーーーーっ!!!
ペンブローク ペラジア!隠れてろ!!!

げえっ!
なんでこんなところでコイツでてくんのよ。
せいぜいコウモリとウェポンの場所でしょ。

ペラジアは冒険者じゃないっぽいし、あんな太い腕で殴れたら一撃なのでは…。

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ペンブローク くそっ……やっぱり1人じゃだめなのか……!どうしたらいいんだ……!

ペラジア連れてスーパーとんずらだよ!!!

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ペンブローク 待て、そっちには行くな……!!

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ペンブローク ペラジアーーーーっ!!!

ああ…。

ペンブロークが無事だったのは、ギガースがペラジア倒して満足してどこかに行ったのか、通りすがりの人が助けてくれたのかな。

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ペンブローク ……わ……私は……。
ヤーガウミガ ……フォクルマンさんに頼らずに、1人でモンスターを倒したかった……。

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ヤーガウミガ そうなんだね?ペンブロークさん……。……きっと、ボクと同じ気持ちだったんだよね?

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ペンブローク ……ペラジアは…………私を追って……。……ペラジア……すまない……。

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ペンブローク 私が……あんなところに行かなければ……。……私に……もっと力があれば……。
モンブロー ペンブロークさん、あまり自分を責めないでください。

フォクルマン ペンブローク……。私は、お前がそんなふうに思っていたなんて、ちっとも気づかなかった。

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フォクルマン でもな、私だって、いつもお前に助けられていたんだ。……私だって、1人では無理なんだ。ペンブローク、お前と別れてから……それが改めてわかったんだよ。
ペンブローク ……ああ……。……ああ……そうだな、フォクルマン。長いあいだ……すまなかった……。

白タルの散歩道

フォクルマン ありがとな。お前さんたちのおかげで、ずっと心につかえていたものが、やっととれたよ。これからは、また若い頃のように、ペンブロークと2人でうまくやっていくよ。

40年すれ違ってても和解した瞬間に2人で上手くやっていくと言えるのは…よほど信頼しあってたのね。

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フォクルマン なあ、ペンブローク。
ペンブローク ……ああ。私からも、礼をいうよ……。……ありがとう。

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茶飲み友達ができて良かった。

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ヤーガウミガ ねぇ……、……りぃも、ボクがいないと……つらいこととか……あるの?
りぃ あたりまえじゃない。大怪我したって聞いたときはどうしようと思ったし。

ヤーガウミガ ……そう!…………よかった。

ヤーガウミガ ボクも、ペンブロークさんのように、1人でどうにかしようと思い込みすぎていたんだね。

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ヤーガウミガ ……やっぱり、ボクにも、りぃが必要なんだ。意地を張っちゃって、ごめんね。これからもよろしくね、りぃ!
りぃ よろしくね。ヤーガウミガ。

ヤーガウミガ キミといると、冒険者としてボクは、もっと上を目指せそうな気がするよ。

冒険者の高みって、なんだろう。

所属国のランクを上げるとか、レベルを上げるとか、強い武具や珍しいアイテムを揃えるとか…ひとそれぞれ。かな?

フェローのレベルの上限が60になった!