真珠色の思い出 其の肆

白タルの散歩道

りぃ ここか……ん!?

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りぃ ぎええ!!

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りぃ あっふ。

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ヤーガウミガ りぃ!りぃ!大丈夫!?目をあけて!!
りぃ う、うーん…。あと5…50分…。

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ヤーガウミガ ……あぁ、平気そうだね。良かった、心配したよ。
りぃ あれ?

ヤーガウミガ シグナルパールから、モンスターに襲われるりぃの声が聞こえてきて、急いで駆けつけたんだよ。

あ、そっか。扉を開けたら何者かに殴られて…。

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ヤーガウミガ 本当に無事で良かった……。
りぃ 心配かけてごめんねぇ。

ヤーガウミガ ……そういえば、りぃは乳白色の原石を探しにきたんだよね?……もしかして、この中に……?
りぃ うん。そうみたい。

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今度はヤーガウミガがいるから大丈夫だもんね。

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ヤーガウミガ これが乳白色の原石……。

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!!?
なんじゃこいつ!

あっ、犯人だな!?

りぃ こんにゃろめ!

どげし!!

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ヤーガウミガ やっと、倒せたね。キミを襲ったのは、こいつだったんだね……。

一瞬だったけどな!

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ヤーガウミガ これが乳白色の原石……。

他に使ってる人もいなさそうだし、アンジェリカの作品の価値が上がるかも?

ヤーガウミガ そうだ。言いにくいんだけど……ディデリックさんが海賊に襲われた時になくなった絵は見つかったんだよ。
りぃ あら、そうなの?

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ヤーガウミガ アンジェリカは、もう新しい絵を描きはじめちゃったのかな……。
りぃ たぶん。気合入ってたし。

ヤーガウミガ ボクも一緒に謝るよ。ともかく、アンジェリカが待ってるだろうし……。行こう、りぃ!

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アンジェリカ まあ!乳白色の原石が手に入ったのね!
ヤーガウミガ それが……。

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アンジェリカ ……そう、話はわかったわ。もう絵を描き直す必要はないのね。

アンジェリカの情熱が収ま…

アンジェリカ ……でもわたし、今ならもっと素晴らしい絵が描けそうなの。いえ、描けそう、ではないわ。間違いなく描けます!

収まるわけがなかった!!

アンジェリカ そのまま、そこで待っていてちょうだい!わたしのこの情熱……!誰になんと言われようとももう止められないわ!

そんなにすぐ描けてしまうほどのゾーン状態!?

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アンジェリカ さあ、受け取って。我ながら、惚れ惚れする出来映え……。

すげぇ。

アンジェリカ ふぅ……。これでまた、わたしのファンが増えてしまうのね。ああ、わたしったら罪よ、罪だわ~。

無銘のかけだし自称画家。かと思ってたけど、結構コアなファンがいるかもしれない。

今描いてるやつとか、壁に飾ってるのとか、エジプトの壁画?って感じでよく分からないけれど…。

アンジェリカ さ、早く届けに行ってちょうだい。

だいじなもの:おばあさんの肖像画を手にいれた!

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ディデリック おお、2人とも無事だったか!なかなか戻ってこないから、心配したぞ。

すまねぇ。

ディデリック ……もう聞いたかもしれんが、なくしたと言っていた絵が、見つかってな。さっきじいさんに渡したところだ。やはり、1人ですり替えるのは難しくてなぁ。すぐにじいさんにはばれちまったよ。
Umberto まったく、人を騙そうとはけしからんな。海賊に襲われたのは、不可抗力じゃろう?咎めたりなぞせんわい。

理不尽な怒りんぼうじゃないじゃない。

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Umberto ……おぬしには、世話になったのぅ。ばあさんとの思い出の品を探してきてくれたのはおぬしなんじゃろう?まさか、本当に取ってきてくれるとは思わなくてな。辛くあたって、すまなかったのぅ。

バル貝の殻だね。

Umberto あれを見て、久々にばあさんとの幸せな生活を思い出したんじゃ。

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Umberto ……ばあさんが死んでから、わしはずいぶんと長い間自分のカラに閉じこもったままじゃった。誰もわしの悲しみなぞわからんと、周囲に冷たくあたるようになっておった。

それだけ好きになれる人に出会えたってのは、幸せだったねぇ。

Umberto そのうちわしを訪ねてくる者も減っていってな。……当然のことじゃ。そんなわしでも、やはり1人きりになるのはさびしくてなぁ。

Umberto ばあさんの面影を求めて、肖像画を注文したんじゃ。わしにとって、ばあさんの存在がいかに大きかったかを思い知らされてのぅ。

…また長くなるな。

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Umberto ……わしはずっと、ばあさんの存在に支えてもらってきたのかもしれんな。

Umberto もう、絵はいいんじゃ。いつまでもばあさんの面影を求めているばかりではばあさんも安心できんじゃろうて……。

Umberto おぬしらには感謝しているぞ。危険な目にあったんじゃろう?すまなかったのぅ。

白タルの散歩道

Umberto この絵は……!ばあさん、そのものじゃないか!

そんなにそっくりなの!?
私をモデルにしたときは、あんなアレだったのに。

見たい!!

Umberto それに、この色使い……!これは……、ばあさんが大事にしていた、あの秘伝の絵の具の色じゃな……。これぞ、わしの求めていたもの……。どうか……、どうか頼む!この絵をわしにくれないだろうか!

白タルの散歩道

ヤーガウミガ うん、もちろんだよ。だってりぃもボクも、そのために頑張ったんだからね。
ディデリック ああ。じいさんが喜んでくれて何よりだ。

あんたが言うな。

Umberto 本当か!……まるで夢のようじゃ……。いつまでもウジウジとしているわけにはいかんな……。

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Umberto ばあさんが死んだとき、わしに、手を差し伸べてくれた人たちは、今も元気にしておるかのぅ……。

Umberto わしは、あのときのひどい態度について謝りにいかなければならんな……。

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Umberto おぬしらが持ってきた素晴らしい絵がきっかけで、見失っていたものに気づかされたようじゃのぅ。……本当に、世話になってしまったのぅ。ありがとうよ。
ヤーガウミガ お礼ならりぃに言ってよ。この件はりぃの助けがあったからこそ、解決したんだ。

ヤーガウミガは人が良すぎる。

ヤーガウミガ これからは、ボクがもっとりぃを助けられるようになりたいな。

フェローのレベルの上限が55になった!

やったー!

そしてまた親密度上げだぁ。