伝える言葉 其の弐

ルト りぃ!無事に戻ってきたのね!ヤーガウミガはどこなの?……パロメッタは?
りぃ 大丈夫だよ。まるっと解決したから。

ルト まぁ♪ ほんとうに!?呪いは解けたのね?
りぃ うん。

ルト ……よかった。それに冥闇の鏡も、無事にあの子の手元に戻ってほっとしたわ。

ルト わたし……、ふたつの鏡をこの目にすることができるとは思ってもみなかったの。

伝説のものだもんねぇ。

ルト お宝としての価値……、不思議な力……。ふたつの鏡は、これらを兼ね備えたすばらしいお宝だと確信できたわ。

ルト (つまり、そういうことよねぇ。あいつらとの取り引きは……。ぶつぶつ。)

ん?
まだ諦めてなかった?

ルト (……今は、こんなこと考えてるときじゃないわね。)

ルトはどこかの組織に属してるのかと思ってたけど、ミレドシラッドとコンビを組んでるフリーで、どこかから依頼を受けて動いてる。なのかな。

ルト ……それにしても、ヤーガウミガったらすごいお宝を持つことになって、ほんとにうらやましいわぁ……。

すごいお宝すぎて持っていたくない気もする。

ルト りぃ?あなたは、お宝って持ってたかしら?
りぃ お宝?何かあったかな?

ルト もし、今持っていなかったとしてもヤーガウミガの持っていた導きの鏡みたいに、手元にある何かが、大いなるお宝を引き寄せてくれるかもしれないわよね?
りぃ まぁ、そうかもね。

ルト わたし、そういったお宝をこれからも探すつもりよ♪鏡でなくったって、どこかにあるに違いないわ!
りぃ きっと見つかるよ。

ん?
シグナパールで呼び出しだ。

ヤーガウミガ りぃかい?パロメッタは無事に送り届けたよ。
りぃ ありがと。

ヤーガウミガ ……少し、りぃに話したいことがあるんだ。海神楼まで来てくれるかい?
りぃ うん。わかった。

ルト んもう!人が話をしている途中だったのに!

ルト でもまぁ、いいわ。ヤーガウミガが呼んでいるんでしょう?早く、行ってあげなさいな。
りぃ うん。

ヤーガウミガ パロメッタは、念のため医者のところへ預けることにしたよ。ラウラーナさんも一緒だよ。ひとまずは安心だね。
りぃ うん。大きな怪我もなく良かったよ。

ヤーガウミガ ちょっと、歩こうか。
りぃ うん?

おや、ルト?
パロメッタはここにはいないのに何故。

奥…?

ルト ……というわけで、冥闇の鏡の行方は掴めなかったわ。残念だけど……。

えっ、嘘ついてる!

アルド ……まさかとは思うが、鏡を自分のものにしようなどと、考えているわけではないだろうな?

ルト あらやだ。そんなことないわよ?
アルド まぁ、いいだろう。そういうことなら今回の交渉は不成立だな……。

アルド 念のために言っておくが我々が冥闇の鏡を探していたことは、いっさい口外しないでほしい。これだけは、今後も守ってもらうことになる。

依頼主はお前かーーーい!!!

アルド ……もしもその約束を破るようなことがあれば……。
ルト わかってるわ……。信用してちょうだい。

天晶堂が冥闇の鏡を欲していた…?

今はもう滅んでしまったアトルガン皇国とは違う近東の国が、アトルガン皇国に対抗するために作った闇の大いなるものの力を引き出せる冥闇の鏡。

天晶堂はこの情報をどこまで掴んでるんだろう。
何に使うつもりなんだろう…?

アトルガンで暗躍するのか、もしかしたらタブナジア復興に使う?
あっ、アタルフォーネが企んでたみたいに、西の国の富豪に売って資金を調達するとか?

いや、アルドは別にタブナジア復興させようとはしてなかったっけ。

うーん、天晶堂、アトルガンミッションに絡んでくるのかな。

ヤーガウミガ そうだ、りぃ。パロメッタが前に話してた「お話」、覚えてるかな?
りぃ お話?

ヤーガウミガ ふたつのかたまりが出会うとき。

ああ、ちゃんとは覚えてない…。

ヤーガウミガ ひとつのかたまりは黒きを感じ。

ヤーガウミガ ひとつのかたまりは白きを思い。

ヤーガウミガ 大きな嵐が生まれる。

ヤーガウミガ 嵐は天にのぼりはじめ。ぶつかり砕け散るだろう。

天光の鏡が!?

ヤーガウミガ かけらは天にまたたき。かけらは地にかがやく。

ヤーガウミガ ……われらは願う。ふたつのかけらをこの手に……。

鏡を両方とも、もしくは光と闇の大いなるもの両方を手に入れたいってこと?
それとも、かけらが散らばった天と地全部?

ヤーガウミガ ……ふたつのかたまり……大きな嵐……、まるで今回の戦いのことみたいだね。

ヤーガウミガ でも、だとしたら「かけら」ってなんだろうね?

鏡やクリスタルの破片じゃなくて、何かの比喩?

ヤーガウミガ 今回の戦いから生まれた「かけら」……。

ヤーガウミガ 今も残りつづけるそれは、きっと、ルトやパロメッタ、みんなとの絆のことなんじゃないかな。

なるほど。

うーん、でも、神や闇の軍勢や古代文明やなんか色々なものを相手にしてきた経験からすると、比喩ではなくもっと直接的な物のような気もする。

ヤーガウミガ (そして願わくば……ふたつのかけらというのが……)

ヤーガウミガ (……キミと、ボクのことだといいな。)

アライヤダッ
照れちゃうわよッ。

ヤーガウミガ ……ん。だから、これからも、その絆を大切にしていこうと思うんだ。
りぃ うん。

ヤーガウミガ りぃは……これからも、ボクと一緒に冒険を続けてくれるかな?

そんな当然の事改まって?

ヤーガウミガ ボクは……その……りぃと……

ヤーガウミガ りぃと、ずっと一緒に冒険したいと思ってるよ!

ヤーガウミガ そ、それが伝えたかったんだ。りぃ、忘れないでね!

返事も聞かずに行ってしまったァーー!!!

ヤーガウミガはよほど私のことを信頼して好いてくれてるのね。
えっへっへ。

フェローとの信頼関係が深まるようになった!