罪狩りたちの鎮魂歌

デスパシエール りぃさん、りぃ……。そうそう、またあなたに手紙が届いておりましたよ。なんだってここに来るのか不思議なのですが……。
りぃ えっ?ありがとう。

デスパシエール こちらです。……もしかして熱心な恋文ですかな?いえいえ、もちろん中身を見たりはしてませんよ。あまりに何度も来るものですから、ハハハ……。

だいじなもの:スカリーYからの挑戦状を手にいれた!

また挑戦状やんけ!

スカリーY ……よく来たネエ。アタシからの招待を一度目で受けてくれたのは、アナタが初めてサ?

そ、そうなのね。

スカリーY 祖国のヤツらは、みんなアタシと戦うのが好きじゃアないみたいでネエ。本気(マジ)勝負じゃないって言ってんのにサ?けれど前にも言ったように、アナタとは本気(マジ)でやらせてもらおうってのに、来てくれて嬉しいよ?
りぃ ヒィ。

スカリーX ほんとにやるの……?鍛え上げるために手を貸すならいいけど、本気でやったらりぃは……
スカリーY その方がおもしろいじゃアない。男神を倒した冒険者を、罪狩りが倒せば、アタシらにハクがつくってもんでしょう?
りぃ ヒィ!

スカリーY それにアタシ、いくら本気じゃなくても、誰かに負け続けるってウザくてしょうがないのよ?

スカリーY だから、ここらでスッキリしたいワケ。アナタの存在自体、スッキリ消しちゃって……ネエ?
りぃ ヒイィ!!

スカリーZ そこまでだ!

スカリーX 姉さん!?
スカリーY 姉貴!?

スカリーZ おまえたち罪狩りは多くの同朋に見守られていることを忘れるな。おまえたちがここで制裁の場を持つこと、旅先にあっても私の耳にまで聞こえてきたぞ。

スカリーZ 私とおまえたちがこの冒険者に負けた理由。それは、冒険者が持つ「正義」に負けたのだ。

正義に。

スカリーZ 罪狩りであることが私たちに「正義」をくれる。しかし、彼女の持つ「正義」がより強かった。

スカリーZ スカリーY、おまえの言い分に正義があるとは思えない。このままでは、おまえの正義と存在が消されてしまうぞ。
スカリーY ……ウウッ……

自覚あるんかい。

スカリーZ しかしりぃ、おまえがここに来てくれたということは、おまえにもより強くなろうという意思があるのだな。
りぃ まあそれは、うん。

スカリーZ であるならば、私を含め、この3人とお手合わせ願おう。

何ィ。

スカリーZ 果し合いなどではなく、お互いを高めるための練習試合として。
スカリーX 姉さん!もう1度、姉さんと一緒に戦えるんだね!?

スカリーY フン。アタシは、戦いさえできれば文句はないサ。姉貴に従うよ。

スカリーZ では始めよう。正義の名において、本気で来るがいい!

りぃ 私はまだやるって言ってない~!!

という叫びも空しく戦闘は始まるのであった。

スカリーZ 磨かねば光らぬ金剛石のごとく、砕かれても光る金剛石のごとく……それが「正義」だ!

ドヤァ。

スカリーZ つ、強くなったな……

スカリーX ムニャーっ!ボクの正義が……へっこムニャー!

へっこムニャー!!

スカリーY チクショウ!姉貴、こんな試合、アタシは認めないよッ!

地面蹴ってる。

スカリーZ 罪狩りを辞めた私にはこの試合こそが、本当の戦いだと思えるよ。さあ、おまえたちを鍛えなおしてやる。

スカリーZ りぃ、おまえも気が向いたら、また来るがいい。スカリーXとY、そしておまえはまだまだ強くなる。
りぃ うん。

スカリーZ 私はしばらくの間、彼女たち、そしておまえの未来に付き合おう。

罪狩りやめて、なんだか楽しそうね。
よかったのぅ。